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転生魔王の異世界征服  作者: 星川 佑太郎
六章 帰還編
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オタバレ


「ベル、大丈夫か⁉︎」


俺はベルに駆け寄ろうとしたが、ベルとデラドの魔法はお互いにあまりに大規模で近づけるような状況じゃあ無かった。

戦況を把握するのに精一杯だ。


「リュート様。私は大丈夫」


見たところ本当に大丈夫そうだし、無理して割って入る必要もないだろう。

やはり、魔王軍三大将の名は伊達じゃないな。


「『撥水槍撃(スプラッシュランス)』!」

「『獄炎砲弾(ヘルフレイムカノン)』」


デラドの放った水魔法はベルの炎魔法によって空中で蒸発し、消え去る。

全くもってレベルが違う……。ここまでとは……。


「無駄だ。お前の魔法は私には効かない」


ベルはいつもの調子でゆっくりと言った。

デラドは冷や汗を流しながらも尚も虚勢を張る。


「フン……、私にはまだ秘策があるのだ……」

「ならば一刻も早くその秘策とやらを出すべき。手遅れになる前に」

「言われなくともっ!」


そう言うと、不意にデラドは両手を天に掲げた。

すると、驚いた事にデラドの頭上に一瞬で大量の水が集まってきたのだ。


「なっ!何故そんなに大量の水を……!」

「フハハハハ!そこの女と戦っている間に海から集めていたのだ!これだけ水があれば私は負けんぞ!『激流瀑布(トレントストリーム)』!」


大量の水の一部を巨大な水の槍に変えて俺たちへ向かって放ってきた。

マズイ!


「「『水流掌握(ウォーターコントロール)』」」


突然、空中で攻撃が止まった。


「あ?」


デラドが惚けた顔をして声を漏らした。


「マイル。やはり来て良かったでしょう?」

「そうだね〜。危なかったね〜、リュートくん〜」


カイリとマイルだった。

二人は同時に魔法を使い、デラドの水魔法を完全に支配下に置いたらしい。


「バカな……!わ、私の魔法が……!」

「いくよ〜?カイリ〜」

「いきますよ、マイル」


そして二人は同時に魔力を解放した。


「「『海神召喚(ネプチューン)』」」


二人はデラドがせっせと集めた水の全てを支配下に置いたらしく、それを魔法に使用した。

それはまるで巨人のような姿を象り、その水の巨人はデラドへと槍を突きつけた。


「ひ、ひぃっ……!」

「さぁ、喰らいなさい」


情けない声を漏らしながら後ろへ後ずさるデラドへと海神の槍が迫る。


「「『海神槍撃(ネプチューンホーン)』」」


ドゴォォオォォオォ!


「ぐああああああああぁぁぁぁぁぁぁ‼︎‼︎」


無慈悲な海神の槍が辺り一帯の全てを蹴散らした。


---


「ちょっとー!カイリちゃん!マイルちゃん!」


森の奥から祐奈がアスタを負ぶって走ってきた。


「バカ!出てくんなって言っただろ!」

「あ、ごめんなさい!」


祐奈は「あっちゃー!」みたいな表情をして、近くの茂みに飛び込んだ。アスタと共に。


「大丈夫ですよ。敵は全員意識を失っています」


カイリが冷静にそういった。そう言えばそうだな。先ほどのカイリとマイルの一撃で敵は全員白目剥いてやがる。


「なーんだ、じゃあ出て行って良いですよね」

「おぅ」


祐奈がガサガサと茂みから出てくる。


「しかし、お前ら凄いのな。コイツ、一応一級魔導士だぞ?」


俺が白目剥いて気絶しているデラドを指差しながら言う。


「言ったでしょう?魔法は得意だと」


カイリがフフンと鼻を鳴らしながら得意げに胸を張った。しっかし、コイツ胸小せえな。


「ゴメン。嘘だと思ってた」

「何でですか!」

「だってお前ポンコツじゃん」

「失礼な!」


俺は無意識にマイルに視線をスライドさせた。うおう、胸でけえな。

コレが『胸囲の格差社会』ってやつか……。双子なのに不憫な……。


「リュートさん。今失礼なこと考えてる」


何故ばれたし。


「今カイリちゃんとマイルちゃんの胸を見比べてましたね。最低です」


祐奈はジトっとした目つきで俺を睨んでくる。

俺は少し冷や汗を垂らしながら弁明(言い訳)することにした。


「待て待て、男なら誰でもやるだろ普通」

「アスタさんはやってませんが」


そばで余裕なさげにぶっ倒れているアスタを指差す祐奈。

何故ここでアスタと俺を比べるんだ。怪我人と健常者のそれを比べるなよ。


「アスタは余裕が無いんだよ。でも、俺にはある」

「開き直らないで下さい。最低ですね」

「お前そんなキャラだっけ?」


こんなきつい事言うキャラじゃ無いだろ。

キャラブレて無いか?お前。


「どうした?新キャラが増えてテコ入れか?」

「私をラノベキャラ扱いしないで下さい!これは現実です!」

「お前割とサブカル趣味なのな」

「な……な、何を言うんですか……」

「隠すなよ」


俺がへらへらと笑いながら肩にポンと手を置くと祐奈は引きつった笑み浮かべて言った。


「そうですよ、悪いですか⁉︎」

「何でムキになるんだよ。悪くねえよ。俺だってオタクだったし」


俺のあのセリフでラノベを連想するとは……コイツ、日常的にラノベを読んでたな。

ドラゴ○ボールも歳下のくせに知ってるし……。今思うと、なんか話が合いそうだな。

ガンダムとかも知ってそうだな。今度そんな話も振ってみるか。


「いや、私はオタクでは無いですよ。キモいです」

「カッチーン……久し振りに切れちまったよ……屋上へ行こうぜ……」

「ネタぶっこんでくるのやめて下さいよ!」

「やっぱお前オタクだろ」


まさかこのネタも分かるとは……。

コイツ……出来るッ!


俺は祐奈の隠されていた一面を見て少し距離が縮まった気がした。


次回からは夜の12時ぐらいに投稿します

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