絶体絶命
めっちゃ改稿しました。なんか説明してない設定が多かったので
アリス・アスモデウス
ドレイン・レヴィアタン
シャルバ・ベルフェゴール
アスフォル・ベルゼブブ
魔族の中でも最強レベルの戦闘能力を持つ4人がたった1人の人間に惨殺された。
勇者の戦闘能力はまさに圧倒的だった。
「ふぅ……まったく、手間取らせやがる」
そう言いながらも、戦闘態勢を維持したまま、魔王の気配を探る。
周囲の魔力探知を開始。
「何……いない……だと?……まさか……」
勇者は背後に倒れている4人の死体を振り返った。
既に死体と言うよりは肉塊という表現の方が正しい気がするが。
「ちっ、逃げられたか……コイツ達、ハナから俺を足止めするつもりだったのか!」
幾ら七大罪とはいえ、全盛期の魔王とほぼ同等の戦闘能力を有すると言われている勇者に勝てる訳がなかったのだ。
だが、最初から足止めするつもりだったとしたら……かなりの時間足止めされてしまう。
勇者は歯噛みしながら崩れた外壁の外を睨みつけた。
「雑魚が……まぁいいだろう、すぐに追いついて殺してやるよ……。だが、その前に……」
勇者は外へと飛び上がり、魔王城を粉々に破壊した。
「悪の巣窟は、破壊しておかねばな」
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現在リュート達は魔王城からかなり離れた場所にある森の中にいる。
ギースとエルザは聖力探知という能力を使い、常に勇者の気配を探っている。
聖力探知は勇者やなどの聖なる存在を探知する力のことで、大まかな位置を探知することが出来る。
魔力探知も同じような効果を持つ。
「皆……大丈夫かな……?」
「彼らは最強の魔族、七大罪ですよ?大丈夫に決まってますよ」
エルザは無理に笑顔を作りながら言った。
しかし、エルザは内心浮かない顔だった。
全盛期の魔王と同等の戦闘能力を持つという勇者を相手にあの4人が何分持つのだろうか?
今すぐにでもここに来るかもしれない。
(エルザとギースには絶対に死んで欲しくない。追いつかれたら、怖いけど俺も戦おう)
(もし追いつかれたとしたら……命を懸けてリュート様を守らなければ……。)
(奴が来たら……たとえ刺し違えても殺してやる)
リュートとエルザとギースはばらばらに決意を固めた。
ギースは、リュートに聞こえないようにエルザに耳打ちした
「エルザ、油断は禁物だ。魔王城の魔力が探知できないレベルで落ちている上に大きな聖力が近づいてきている。そろそろ奴が追いついて来るかもしれんぞ」
「……はい」
それは、七大罪がやられたことを意味する言葉だった。
この事を知ったらリュートは悲しむだろう。
「もしもの時は俺が時間を稼ぐ。例え刺し違えても奴を殺すつもりだが……正直数分程度しかもたんだろう。お前はリュート様を連れて力の限り逃げるのだ」
「……承知しました」
「頼んだぞ」
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その日の夜。俺は眠れなかった。
みんなは大丈夫だろうか?
俺はどうなってしまうんだろうか?
そんなことばかり考えていて寝付けなかった。
そんなことを考えていたら突然、番をしていたギースが叫んだ。
「来る……!」
バキバキバキバキッ‼︎
木々の枝が折れる音が周囲に響いた。
「全く、手間取らせてくれたな……雑魚どもが……」
勇者はまるで死神のように眼前に突然現れた。
「馬鹿な!幾ら何でも早過ぎる!」
「ククッ……勇者を少し甘く見ていたか?」
薄く笑いながら勇者は話し始めた。
「ギース・マモン。お前の魔力は探知しやすかったぞ……無駄にデカイからな。だが、他の2人の反応が無かったから、無駄足の可能性を考慮していたがな……」
勇者は俺の顔をしげしげと眺めながら続けた。
「そうか、そのガキは半分人間なのか……道理で見つからん訳だ……。その女も人間だな。いや、元人間か。人類の裏切り者め。お前も殺してやるよ」
え……?エルザって人間だったの?
「……むざむざ殺されてやるものか……!」
そう言ってエルザはダガーを取り出した。
「貴様等如きに殺られるような俺ではない。抵抗は無駄だ。抵抗しないなら、一瞬で殺してやるぞ」
勇者の剣が光を帯び始める。
「リュート様には指一本触れさせんぞ……」
ギースの姿が狼の獣人のような姿に変貌した。
「ガァアァアアァァア‼︎‼︎」
「フッ……化け物め……」
俺はどうすれば……。
この勇者、完全に悪役ですが、この人がこうなったのには理由があります。その内書こうかなとか思ってます