誕生日
今は調子に乗って書いてますが行き当たりばったりなので、更新ペースがとうなるか不明です。
今日は俺の8歳の誕生日パーティーだ。
もう俺が生まれてから8年も経つのか。時が経つのは早いもんだ。
1歳と2歳のときのパーティーはイマイチ覚えていないがそれ以外のときは覚えてる。
バカみたいに盛大だった。そして勿論今回もバカみたいに盛大なのだった。
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誕生日前日
「リュート様!誕生日プレゼント何が良いですか?何でも構いませんよ〜」
エルザがにっこり笑いながら俺に聞いてくる。
エルザは笑顔の絶えない優しいメイドで、俺に滅茶苦茶甘い。何でも言う事聞いてくれる(二回目)。
今回もまた高価なプレゼントを持ってきてくれるのだろう。
ん?ところで今何でもって言ったよね?
正直エルザの胸は慎ましいが、興味津々である。
まぁ俺はまだ8歳に成ったばかりだしエッチな事は言いにくいけどね。
しかし、俺の精神は27歳童貞オタクなのだ、このリピドーをどうして抑えられようか!といろいろ妄想する日々である。
でも、正確には35歳かな?あれから8年経つし。
あれ?もう完全に魔法使いじゃね?
ま、まぁその事は気にしない方向で行こう。
話を戻すが、特に欲しいもんなんてあまりないのだ。
というか、基本的に城の中になんでもあるし。
この世界のプレゼントの基準がわからんしな。
俺は特に物を欲しがらないのでエルザは自分でプレゼントを見繕ってくるのだが、俺は毎回何が貰えるのか結構楽しみにしているのだ。
するとエルザの後ろから1人の男性が来た。
「リュート様の求めるものならばどんな物でも目の前に揃えてみせましょう……」
この眼鏡の男性はギース・マモン。俺の護衛で、途中からはエルザと一緒に先生として、俺に魔法を教えてくれていた。
実際、この人のおかげで俺の魔法はかなり上達した。
自分にも他人にも厳しい厳格な人物で俺の親父に今でも絶対の忠誠を誓っているらしい(俺に教えてる時は俺にも厳しかった)。
父が魔王だった時の魔界最強の師団『七大罪』の1人で当時、その燃えるような紅色の髪から『紅狼』と呼ばれ、恐れられてていたらしい。
しかし誰が付けたんだ?こんな厨二な二つ名。
俺なら悶え死ぬぞ、こんな二つ名付けられたら。
一応俺は唯一の跡取りな上、父である魔王が死んでいるのだから当然の措置なのかもしれないがこの男、少し過保護すぎるのだ。少し息が詰まる。
ちなみに俺には滅茶苦茶甘い。
だから今回もプレゼントに期待大だ。
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まあそんなこんなで今日は誕生日パーティーだ。実にめでたいと沢山の人(悪魔)が集まってくるのだ。知ってる人は少ないが。
「「「リュート様、お誕生日おめでとうございます!」」」
みんな口々に俺を祝ってくれる。
こういうところで自分が権力者である事を自覚するのだが、本当に自分で良いのだろうかなどと考えてしまう。
「リュート様」
エルザがにっこり笑いながら近づいてきた。
「プレゼントです!私からは魔石ですよー、綺麗でしょう?」
エルザからのプレゼントは指輪だった。
エメラルドグリーンに光った魔石が埋め込まれている。
「わぁ、ありかとう!」
エルザの奴、また奮発したな?
この世界の魔石というやつはとにかく貴重なのだ。
しかも、加工が難しいときた。
これ、高かったんだろうな……。
魔石には色別に種類があり、色ごとに効果が違う。
確か緑色は防御とかだったハズだけど……
「この魔石はリュート様の身を守ってくれるものですから。肌身離さず持っていて下さいね」
「分かったよ」
過保護なエルザらしいプレゼントだなぁ。
「私からはコレを」
ギースが何やらデカイ杖を取り出しながら言った。
「魔族は魔法を習得した子供に魔杖を贈るのが慣いですので。本来は親が贈るものですが、リュート様には私からで御座います。ご容赦を」
「そんな事ないよ、ありがとう!」
俺は素直に喜んだ。
実際、エルザとギースは俺の保護者みたいなもんだしな。
それに、いかにも『魔法の杖』って感じで格好良いじゃないか。中二病を笑えないな。
しかも高価そうなデカイ魔石が先端に埋まっている。
2人とも絶対無理しただろこれ……。
あの指輪の魔石ってメイドの給金で買えるようなシロモノなのか?
サリアからはマント(手編み)を、ノルンからは大量のお菓子(手作り)を貰った。
全く、俺は手先の器用なメイドを持って嬉しいよ!
他の人たちも次々にプレゼントをくれた。
とてもじゃないが一度に紹介できる量じゃないので割愛します。
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やはりパーティーといえばメシ!
この世界のご飯は見た目はともかく味はとても美味い。
しかし、いかんせん見た目の所為で食欲が減少する。ほとんどの食い物がR15な見た目をしてるのだ。
しかも、ものによっては襲いかかって来たりする。
これが大人の女性ならダイエットに良いのかもしれないが育ち盛りにはかなりキツいのだ。
しかし今日は誕生日。見た目も美味そうなものが並んでいた。
毎回こうして欲しいものだ。
「頂きまーす!」
俺は夢中で食いまくった。
正直言うと、祭り事の時の魔界の飯は日本の飯より美味いと思う(見た目はかなりアレだが)。
味はもともともかなり良いのだから見た目が良くなれば美味いのは当然かもしれないな。
周りのみんなも騒ぎまくる。
次期魔王の誕生日なのに、なんかもうお祭り状態だ。
いや、次期魔王の誕生日だからこそのお祭り騒ぎなのか……。
酔ったおっさんが踊りだしたり、飲み比べをしたり。
終いには俺に酒を飲まそうとする始末。
楽しかった。
こんな楽しい誕生日は前世では無かったくらいだ。
しかし、楽しい時間はそう長く続かなかった。