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転生魔王の異世界征服  作者: 星川 佑太郎
四章 竜人界編
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持つべきものは金持ちの友達


「何だ、お前たち結婚するのか。まぁ、分かってたけどな」

「そっかぁ、おめでと!リュート!アクアちゃん!」


俺は次の日、ジルとリーシャに昨日の事を報告した。

俺は晴れてアクアと結婚するのだ。


「で、昨日はお楽しみだったという事か?人の家で」

「な、や、ヤってねぇよ!」

「ほぅ、このチキン野郎が……」


ジルがジトッとした目つきで俺を睨む。


「俺は一体どうすれば良いんだ⁉︎」

「私アクアちゃん起こしてくるわ」


リーシャは早歩きで広間を出て行った。


「アクアは揺すったくらいじゃ起きねーからなー!」


広間から出て行ったリーシャに大声で呼びかける。


「わかってるー!」


廊下の遠くの方から小さく叫び声が聞こえてきた。

フェリアのように爆発魔法を使わないか心配ではあるが。

その後、俺はやることもなくてボーッと窓の外を眺めていた。


「リュート。席について待っていろ。そろそろ朝食の時間だ」

「あ、ああ」


俺は素直に席についた。

部屋の中に重い沈黙が流れる。

おもむろにジルが切り出した。


「おい、御前達。結婚するのは良いが……住まいはどうする気だ?」


家の事なんて考えたことも無かったな、今まで毎日がその日暮らしだったし。


「やっべ、何も考えてなかった……」

「全く、馬鹿な男だ……。結婚するのに住まいがなくてどうする気だ?」

「いやぁ、その点に関しては、全く不甲斐ない」


俺は後頭部をガリガリ掻きながら小さく言った。


「俺が住まいくらい斡旋してやっても良いぞ?不動産には少々コネがある。金ならあるんだろう?」

「ま、マジでか!良いのか?じゃあついでに良い宝石商も斡旋してくれ、出来るか?」

「フン、俺をなめるなよ?宝石商にもちょっとしたコネがある」

「逆に聞くけど何のコネなら無いんだ?」


流石は金持ちの貴族だぜ。コネって言葉に怪しい響きが満載だな。

持つべきは金持ちの友達だな。


「いや、それにしても助かるわ。マジでありがとな」

「ああ、お前とは今後も長く付き合っていきたいからな。魔王殿」


ジルはニヤリと含み笑いをしながら椅子に深くもたれた。


「それ信じてくれるのか?」

「ふん、お前の戦闘能力を目の当たりにしているのだぞ?信じるしかあるまい」

「そ、そりゃどーも」


俺は腕と足を組んで貧乏揺すりしながら朝食を待った。午後からの買い物が楽しみだぜ。

そう言えば一つ気になることがある。


「どうも思わないのか?俺とアクアが結婚するって聞いて……。アクアの事好きだったんだろ?」


俺がそう聞くと、ジルはやれやれといった様子で答えた。


「あのな、どうも思わん訳ないだろ。確かに未練がないと言ったら嘘になるが、あいつが選んだのは俺ではなく、お前だ」


やべ、何だこの格好良い奴は。絶対モテるだろ。俺は結婚するからモテる必要は無いけどな。

やはり男は女々しく未練たらたらしてるよりもキッパリ諦めた方が格好良いよな。

こうして好きだった女の幸せを素直に願えるなんて、俺が女だったら惚れてたかも知れんな。


「ふぅ、ただいまぁー」


そうこうしているうちに、リーシャが半分寝ているアクアを引きずって連れてきた。


「おぅ、遅かったな」

「これでも頑張って起こしたんだけど……。アクアちゃん全然起きないんだけど!」

「俺に任せろ」


俺はアクアの耳元に顔を寄せて囁いた。


「飯だぞ」


「ん……おはよ……」

「嘘でしょ⁉︎」


アクアは単純だからな。モノで釣った方が良いのだ。


「皆様、朝食の準備ができました」


メイドのマールが朝食を持ってやってきた。

今日の朝食はコーソスープとパンと肉(何の肉か分からなかった)だった。

コーソスープというのは見た目どう考えてもトウモロコシにしか見えないコーソという野菜で作られたスープだ。見た目も味もまんまコーンスープ。

パンは少し硬めのパンだった。前世で食っていたような柔らかいパンは相当な希少品らしい。


ちなみに、メイドはマールしかいないという訳では無いらしいが、基本的にジルの身の回りの世話は全てこのメイドがこなしているらしい。


「ほらほら、お前達。さっさと席につけ」


ジルが号令をかける。こういうところは年上っぽい。尚、俺の年齢は今年で(ry


「お腹すいた……」


アクアは半分めを瞑った状態で席についた。


「お前いつも腹減ってないか?」

「私も……お腹すいた……」


リーシャも疲れた様子で言った。


「お前もか」

「ほら、頂きますしよう」


リーシャが少しテンション上げながら言った。


「頂きまーす!」

「頂きまーす……」

「頂きまーす」

「い、頂きます……」


順番に唱和して、俺たちは朝食を食べ始めた。

私には金持ちの友達は居ないですけど、金持ちの先輩はいました

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