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転生魔王の異世界征服  作者: 星川 佑太郎
二章 魔界編
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アストレア領主との戦い


狼獣人のアギレラの鋭い爪と俺の強化された手刀がぶつかり合う。

この狼っ……強い……!

さらに片手には大きな剣を携えている。まだ8歳の俺の膂力じゃあ対抗しきれない。


「うわっ!」


アギレラの蹴りが俺の腹に入った。

一瞬の内に何発もの蹴りが入っていた。

俺はなすすべなく吹き飛び、壁にめり込んだ。


「ぐふっ……」


口から血がだらだらと溢れ出てきた。

まずい……肋骨折れたかも……。


「はぁっ!」

「フェリア……お前は下がっていろ……!お前では俺には勝てんよ」


そう言って高速でフェリアの背後を取り、吹き飛ばす。


「ぐうっ!」

「魔族の少年よ……立て……。立たねばそのまま殺すまで……!」

「……殺す……?残念だけど、死ぬつもりなんて全くないよ……」


悔しいけど、この獣人……強い!何故か勇者と戦った時のような物凄い力が出ない……!

でも、俺にはまだコイツに見せていない力がある!


「《ソウルイーター》‼︎」

「フン……」

「え⁉︎」


俺がソウルイーターを発動したというのに構わず突っ込んでくる。

何故だ⁉︎


「俺は殆ど戦闘用に魔力を使わないからな……少々吸われたところで遜色なく動ける。失神する前にお前を吹き飛ばせばそれで十分だ」


クソッ……俺の能力と獣人族は相性が悪い……!どうすれば……!


「止めだ、少年よ……」


剣を振り上げてアギレラが近づいてくる。


「クソオッ!」


ドゴッ!


俺はありったけの強化魔法を一瞬だけ使いギリギリ回避した。

剣がさっきまで俺がいた場所に大穴を開けた。

死ぬところだった危ねぇ……。

その時屋敷の正面から地響きが鳴り響いた。


「む……?なんの音だ……?」

「へへへ、やっと来たか……フレイム、アクア……」

「ッ!援軍か……!」

「急いで行った方が良いんじゃないの?」

「いや、ここで貴様の息の根を止めておこう。少年よ、貴様は強かった。あとに10年年をとっていればまだ勝敗はわからなかった。」

「はぁ、はぁ……残念だけど、それは無理みたいだね」


俺はアギレラの後ろを見ながら自信満々言った。


「遅いよ……二人とも……」


そこにはフレイムとアクアがいた。


『待たせてすまなかったな……死んでへんか?』

「混ざってる……ぞ」

『今のはワザとだ。元気そうだな』

「はぁ……冗談……やめろ、元気に見えるか?」

『少し寝ていろ。直ぐに終わらせてやる』


フレイムはアクアを背中から降ろしてアギレラと向かいあった。


『覚悟は出来ているか?丸焼きと八つ裂き、どちらが良い?』

「くっ……古龍種(ドラゴン)か……」


勝てるわけが無い。古龍種(ドラゴン)というのは絶対的な力の象徴でもある。獣人族では勝てない。


『落とし前はつけさせてもらうぞ』

「いざ、参る!」


フレイムの息炎(ブレス)がアギレラごと一帯を焼き尽くすのに、そう時間は掛からなかった。


---


俺はアクアにすっかり治療してもらい元気になっていた。

しかし、フレイムよ、お前強過ぎるだろ……俺はあんなに苦戦してたというのに。一撃かよ。

アギレラは大火傷を負っていたが、そのお陰で奴隷紋が消えていたのでアクアに治療して貰った。

元気になったアギレラはフェリアに謝罪した。


「す、すまなかったなフェリア……命令には逆らえなかったのだ……許せ」

「私は気にしていないさ、手を貸してくれるか?アギレラ」

「当然だ。共に同胞を助けよう」


アギレラが仲間になってくれのなら心強い。さっきはボコボコにされたけど、次は絶対勝つ。俺は以外と負けず嫌いなのだ。


「さっきはすまなかったな、少年」

「良いよ良いよ、俺も本気で倒そうとしてたし、お互い様だよね」

「そう言ってくれると助かるな」


アギレラは敗者は勝者に従うものという認識を持っているらしい。根っからの武人肌だ。


その後の戦闘は一方的だった。

こちらにはアギレラとフレイムがいる。勝てる奴が居るわけがない。

二人は容赦なく出てくる敵を片っ端から蹴散らして、どんどん先へと進んでいく。俺たち3人は軽く手持ち無沙汰だった。

今思ったんだけど、俺たちがやってる事って強盗と同じだな。やべえ、なんて言い訳しようか。


「そっか、フレイムを取ろうとしたから仕返ししたとかで良いじゃんか」


考えた結果こういう結論に達した。


「お前はさっきからそんなことを考えていたのか……」


フェリアが頭を抱えていたが、無視。


「リュート……頭良い、ね……」

「だぁろぉ?」

「お前が8歳じゃなかったら軽蔑している所だぞ。というかお前、本当に8歳なのか?」


ギクッ!


本当は8歳じゃなくて今年で35歳です。


「8歳だよ?何言ってるのさ……30歳の訳がないでしょ……?」

「いや、流石にそこまでは言っていないだろ。背が低いだけで13歳とかなのかと思ったのだが……30歳……?」

「いやいやいや、気のせい気のせい。まぁね、そう見えることもあるよね、でも俺は8歳だよ。あはは」

「怪しすぎるぞお前」


俺は誤魔化すのがド下手だった。

その時前方からフレイムの声がした。


『さてと、さっさと領主を縛り上げるか』

「俺に任せろ」


終わってた……。

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