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転生魔王の異世界征服  作者: 星川 佑太郎
十一章 魔界編 其の二
219/220

出発前夜

ヒャッホーイ!深夜テンションヤバ過ぎる。

お久しぶりです。仕事を放ったらかして小説書くことを覚えた星川です。うーん眠い!

前回の投稿から2週間以上空いてしまいました。待っててくれた方々には本当に申し訳ないと思っております。2日に一回投稿してた昔が懐かしい……。信じられるか?もっと昔は毎日投稿してたんだぜ?

えーそんな訳でこれからも投稿は不定期になりそうです。そんな感じで先行き不安なこの作品ですが、最後までお付き合い願えると幸いです。


俺たちがゆっくりと目を開けると目の前にはリーシャがいた。


「リュート!来たわね!」

「お、おぅ……ってーかこの城……」


俺はリーシャに軽く会釈すると周囲に身を向けた。

そう、直っているのだ。

城の外壁は全て修復され、簡単にではあるが内装もかなり直っている。


「おいおい、直るの早過ぎだろうよ……」


完全修復とはいかないが大部分が綺麗になっており俺は戦慄を隠し切れなかった。

これが大国の抱える魔導士達の力か……。魔界にもこんなのが居るのだろうか?


「リュート、人間界にいるユーナから連絡が来て……」

「あぁ、それで……何かあったのか?」

「ジルとメイは……奴隷になってるの!しかもコロシアムの剣闘奴隷に!」

「なっ……!なんでよりによってあの2人が……!?」


メイは大人の獣人族だ。人族なんかに遅れを取るはずがない。

それに、ジルがいるのだ。万が一もありえない。

ジルは大人の竜人族だ。更には竜化個体でもある。竜化個体が1人いれば戦場では大概のことが可能だ。1人で一個師団を壊滅に追い込むことすらできるのだ。


「あの2人が捕まるって……ジルは怪我でもしてたのか?」

「ううん、多分大したことないハズ……」

「って事はジルを正面から倒した野郎がいやがるってのか……」


メイは人質に取られるようなヘマをする女じゃない。これは中々ヤベェ事態の予感がするな……。


「2人が奴隷になってるのを見つけたのは祐奈か?」

「ええ、一応リュートが行くまで大人しくしててって言ったんだけど抑えてられるかどうか……。ストッパーがルーナだけなのよ……」

「そりゃ不味い……あいつは妹の事となるといつもの10倍はバカになるからな……。すぐにでもいかねぇと……!」


実際祐奈はルーナを殺すと言われた時激昂して城を半壊させているのだ。その時サリアを殺しかけている。俺が助けたけど。

そんな祐奈にとって大切な妹をなんと奴隷に取られているのだ。このままでは人間界を滅茶苦茶にしかねない。


「フェリアはいるか?」

「えぇ、少し眠っているわ。何度も転移魔法を使ったからか体力を消耗してるの」

「出発は明日になりそうだな……。一応オッさんに挨拶してくる。あとアギレラとカレンにも会っておきたい」

「分かったわ。アクアもくるでしょ?」

「……分かった。いこ」


俺達はリーシャとともに先ずはフェリア達の元へと向かう事に。


「フェリアは寝てるわよ?」

「アギレラとカレンはいるだろ。カレンはどうだ?」

「カレンは……かなり明るくなってるわ。やっぱり故郷が滅茶苦茶にされたのは応えたみたいで」

「……そうか」


俺は昔の自分を思い出して居た。

故郷が滅茶苦茶になった時の喪失感、虚無感は俺にも痛いほど分かる。

今のカレンが考えている事も当時の自分と同じなのでは無いだろうか。

あの時俺は力を渇望した。強くなりたいと願った。そして『魂喰(ソウルイーター)』という力を覚醒させた。


「少し2人と話がしたい」

「……私も、カレンが心配」

「……そう。そうよね……でもさ、カレンはやっぱり良い子だから……私達に気を使わせないように明るく振舞ってるわ」


言っているうちにアギレラ達の部屋へとついた。

軽くドアをノックする。


「アギレラ、いるか?俺だ、リュートだ」

「おにーさん!」

「がっ……!」


ドアが勢いよくバン!と開いて中から飛び出して来た狼耳の少女の頭突きが俺の鳩尾を抉った。


「カ……カレン……、げ、元気してたか?」

「うん。おにーさんおかえり!おにーさんこそ怪我とかしてない?大丈夫?」

「俺が怪我してるように見えるか?おにーさんは無敵なんだよ」

「おにーさん会いたかったよー!」

「いだだだだだ!タップタップ!」


ギリギリと嫌な音を立てながら俺の首が締められていく。

カレンは子供とは言え獣人族だ。同世代の他種族の子供に比べると腕力が段違いに高い。


「……カレン。久しぶり」

「おねーさん!」


ドスッ!といつもの様に胸に飛び込むカレン。しかし、アクアはそれを平然と受け止めて柔らかく微笑んでいる。何かコツとかあるのなら聞きたいものだ。


「……ただいま」

「おかえりおねーさん!あれ、ジンくんとエマちゃんは?」

「……二人は危ないから魔界の城に置いてきた。今回は私とリュートと……」

「俺たちっす!」


アクアのセリフに合わせてカッコいいポーズをとるアスタ。

その後ろで不満げに突っ立っているベル。その隣では意外とノリノリでアスタと同じポーズをするマキナがいた。


「アギレラ、傷はどうだ?」

「俺の傷はかなりマシだ。俺は獣人族だからな。怪我の治りが早いんだ」


獣人族、竜人族、魔族は傷の治りがかなり早い。大人の男の獣人族ともなれば尚更だ。

だが、エルフであるフェリアはまだ本調子では無いらしい。機械兵達に肩を抉られていたのだから当然とも言えるだろう。

しかし、アギレラは腹に大穴が開いていたはずなのに何故こんなに元気なのか。幾ら何でも治るのが早すぎる気がする。


「う……」

「フェリア!お前、起きていいのか?」

「問題ないさ。それよりリュート、魔界のゴタゴタは終わったんだな……」

「ああ、もう何も心配はない。フェリアこそ、怪我治って無いだろ。もう寝てろ」

「だが、直ぐにでも人間界へ……!」

「今日はもう遅いしお前は寝ろ。少し祐奈と連絡を取る」


夜も更けて来た。病人と子供は寝る時間だ。

そうこうしているうちにアギレラが助け舟を出して来た。


「フェリア、今日のところはリュートの言う通りに休もう。ほら、カレンも来い。寝るぞ」

「えー、わたしおにーさんと寝たーい」

「悪いなカレン。おにーさんはちょっと夜更かしするからおとーさんと寝ててくれ」

「じゃあリュート、また明日な。アクアもお休み」


アギレラはそう言うとフェリアを抱き、カレンの手を引いて寝室へと向かった。「おにーさんお休みー」と元気のいい声が部屋の外から聞こえてくる。


「さて、祐奈に連絡だな。それと妖精王のおっさんにも挨拶しとかねえと。リーシャとアクアは寝てて良いぞ?」

「……私はリュートと一緒にいる」

「じゃあ私は寝ようかな。明日は朝早く起きるのよー」

「おう、お休み」

「……お休み、リーシャ」


リーシャはヒラヒラと手を振ると寝室へと歩き出した。

それを見届けてから俺は音信魔法を起動させる。連絡相手はもちろん祐奈だ。


「祐奈、俺だ、リュートだ」

『あ、リュートさんですか⁉︎今って……』

「あぁ、魔界の騒動は終わった。今は妖精界にいるんだ。明日にはそっちに行けるだろう」

『良かったです。誰が来ます?』

「俺、アクア、アスタ、ベル、マキナの5人だな。そっちはルーナと二人だよな?』

『ジンくんとエマちゃんは妖精界に?』

「いや、魔王城でルシファー達と一緒にいる」

『そうですか、でしたら安心ですね!』


祐奈は人間界で何を見たのだろうか。

ジルとメイが奴隷になったとか聞いたが……。


「奴隷ってのは本当なのか?」

『はい……。私が確認しました。結構状況が面倒で……』

「俺が行くまで大人しくしてるんだ。良いな?大丈夫だ、絶対助ける」

『はい。じゃあ合流したら詳しいことは話しますね』

「おう、じゃあ明日そっちで会おう」


俺は魔法を切りながらアクアへと向き直った。


「結構面倒な事になってるらしい」

「……二人なら大丈夫。信じてる」

「だな。で、後はおっさんだが……」

「ヌハハハハ!ここにいたかリュートよ!無事な帰還で何よりだ!」

「なんでアンタはこんなとこにいるんだ!一応偉いんだから玉座にいろよ!」

「じっとしておれん性分でな!ヌハハハハ!!!」

「はぁ、まぁ良いけどよ……。ま、報告だけはしとかねえとな。こんなところで言うのもなんだけど、一応魔界の内乱は止めて来たぜ」

「ふむ、無事に役目を果たして来たと見える。お主が役目を果たしてくることはわかっておったがな!ヌハハハハ!」


豪快に笑い、妖精王はガシガシと俺の頭を乱雑に撫でた。


「おい、やめろって……!俺はガキじゃ無い!」

「ヌハハハハ!我にとってはまだまだガキだ!20年やそこらしか生きておらんガキめ!ヌハハハハ!」

「くっそ……!」


実は40年ちょい生きてるんだよなぁ。

まぁこのおっさんは絶対100歳超えてるだろうけど。


「あ、俺たち明日には人間界に行くから」

「む、早いのだな」

「あぁ、一刻も早くジルたちを助けに行かねえと」

「ふむ、そうか……。ならば言って参れ。無事に帰ってくるのだぞ?」

「あぁ、当たり前だろ?家族だけじゃ無い、俺もちゃんと国を持ったんだ。こんなところで死ねるかよ!」

「ヌハハハハ!その意気ならばよし!アクアよ、妻としてしっかりとリュートを支えるのだぞ?」

「……うん。頑張る」


アクアはこくりと頷くと俺の腕を軽く握った。

相変わらず可愛らしい仕草だ。これで二児の母なんだぜ?信じられるか?

ちょっとイケナイ気分になって来た。


「ヌハハハハ!では邪魔者は退散するとしよう!明日は早いのだからほどほどにしておくのだぞ!」

「て、てめっ……!余計なお世話だ!」


目敏いおっさんだ……!

正直昂ぶってしまった気持ちを抑えるのは馬鹿らしい。明日から忙しくなるのだからここで一気にガス抜きしてしまっても構わないだろう。


「よ、よし……俺たちも寝るか……」

「……ホントに寝るの……?」

「…………」


アクアにもバレてた。

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