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『牛乳』『ティシュー』『こま』

作者: サトノハ

短いですが…

 箱から覗いたティシューがふわりと揺れた。


 風?


 感じなかった。


 なぜ?


 わからない。けど、今はそれどころではない。


 子どもが泣いている。


 牛乳をこぼして泣いている。


 私は急いでティシューを引き抜く。


 シュッ シュッ シュッ。


 無意識の内に三枚。きっと、この数字に意味なんて無い。


 テーブルの上に広がっていく牛乳。まさにミルク色のそれが、何かの形に広がっていく。


 それを認識する間もなく、わたしは手にしたティシューを乗せた。


 牛乳を吸い上げ、テーブルにふにゃりとはりつくティシュー。


 ほんのりミルク色にそまったそれは、偶然の形を写し取る。


 私はふと、その形をマジマジと見た。


 なんだろう?


「ねぇ、これ、何に見える?」

 わたしは思わず、子どもにたずねる。


「わ―…m……ふぇ?」

 泣いていた子どもがわたしを見て、わたしが指さすそれを見た。


「うま!」

 しばらくマジマジ見ていたそれに子どもが命を吹き込んだ。


 ふむ。うん。見えなくもない。


 というかもう、馬にしか見えない。


 なぜ、わたしにはそれが出てこなかったのだろう?オトナになってしまったから?


 なぜか少し、さみしくなった。


「うまー」


 パッカ パッカ パッカ パッカ。 ヒ ヒーン!


 子どもが笑顔で踊っている。


 こまのようにクルクルと。


 ティシューが笑ったようにふわりと揺れた。

お題等戴けましたら幸いです。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 三つのお題なのに短くまとめられていて、よかったです。 [一言] 何らかのエンターテインメント性があれば、なおよかったです。
2014/09/20 11:07 退会済み
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