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救済しようなどと思っていない小説エタり時保健室  作者: 風待月
エタったと思ったら始める認識改革
6/18

別の長編に逃げたら終わり

【エタった時には気分転換の作品作り?】


 連載作品を作ろうと思っていたのに、ふとしたことで筆が止まる。

 このエッセイでは何度も言っていますが、よくあることです。


 そんな時、気分転換のつもりで、別の新作に取り組んだりする作家さんもいます。

 新作を書き始めたのは、小休止。気分転換やネタを寝かせるためであって、決して作品作りを放棄したわけではないと、おっしゃるのではないかと思います。


 そのような経緯を経ても、新作・旧作二つとも作品を完結された作者も、いくらでもいます。

 それに作品を寝かせることも大事です。時間が経てば、書いた時のテンションと違う目で自分の作品を見ることができますので、良作にする手段としては有効です。

 ただ、このやり方で完結できる作者は、やはり少数派です。


 だからこれから述べるのは、大多数に照らし合わせた場合です。

 同じ頑張りをしたいと思う人は、その道を是非とも突き進んでいって頂きたいと思いますので、以下の内容は読まないでください。



 では。

 エタった作品は諦めましょう。

 区切りまで話を作って、不完全燃焼でも読者の反感を買うとわかっていても、オチをつけて終わらせましょう。

 次の作品を作るのはそれからです。


 反論されたいでしょうか? きっと多くの作者さんは反論したいでしょう。

 想像した当初のオチにできないのは、嫌でしょうか? 嫌でしょう。


 短編ならば、本当に気分転換になると思えます。

 しかし同じつもりで、別の長編を書き始めるのは、愚策と言わせてもらいます。似たような世界観や設定の作品であれば尚更に。

 続きを書こうと思いつつも筆が止まり、気分転換のつもりで別の作品に手を出し始めたら、エタった作品を完結できると思わない方がいいです。


 考えてみれば当然です。

 暇な時間に展開やネタを考えて、100%の力を向けていた作品作りが、止まったのです。

 そこに別の新作を作るなら、向ける力は単純に半分になります。

 ひとつのことに集中して作業するのと、複数の作業を同時並列に行うの、どちらが簡単かなんて、考えるまでもありません。


 しかも半分と考えて、です。

 実際にやってみると、力を振り分ける割合は、新作の方が大きくなると思います。

 たとえば『これは』と思うネタが思い浮かんだら、旧作と新作、どちらに使うでしょうか?

 ネタの質と作品の内容にもよるでしょうが、共用可能なネタであったら、きっと新作の方に使うでしょう。一定の評価を受けていたら、旧作はある程度安定してます。しかし新作はまだ安定していない状態のため、そちらを安定させようと力を入れるからです。



 プロなら連載を同時期に複数持っている人がいますが、そんな人は少数です。

 その理由のひとつは、小説家は兼業が多いからです。本職は別に持ち、副業として小説を発表していると、四六時中連載している小説のことばかりを考えていられる環境ではないため、一本の連載のみに絞って活動しています。


 専業小説家が複数の連載を持つ場合も、『そういう書き方』をしている場合がほとんどです。

 強者ならば、文章そのものはもうラストまで出来ていて、編集や製本の都合などに時間が取られてる間に、別の作品を発表する人もいます。

 あるいはいつでも終われるように、本一冊で話をまとめている、ショートストーリ形式的な一話完結型の連載形式にしている。

 あるいは一冊の本を出して区切りをつけてから、別作品の本を出す。

 プロでもそうした準備や選別をしているのに、アマチュアが準備なしに、複数の連載を続けられるでしょうか?



 なんらかの理由により、オチをつける事できないから、エタっているわけです。

 そんな状態で、気分転換のつもりで、作を書き始めたら、思考はかなりの割合で、新作に向けられるのです。

 エタった作品を続けることなんて、頭の隅に引っかかっているだけで、本気で既存作を完結させるつもりなんてないのです。いずれ続きが作られる場合もあるでしょうが、そういう例はごく少数です。

 だったら、不完全燃焼でも作品を完結させて、心機一転して別の作品に手をつけた方がいいです。

 それすらできないのであれば、『もう書けない』と限界を認めてしまうことです。


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