読者の意見:プライドを持ち、プライドを持ち過ぎない
【読者の意見に左右されてエタった場合】
作者さん個人個人でかなり違うのですが、作品に対するプライドの持ちようで、作品がエタることもあります。
これに当てはまる多くは、右も左もわからないまま初めて作品作りをし、持ちたくても自信が持てない人でしょう。
読んだ人に感想で『ここはこうするべきだ』などと強い調子で言われれば、疑問を持ったしても反論はできない。モヤモヤした気持ちを抱えながら書き進めようとして、やがて書けなくなる。
そんな作者さんだと思います。
しかし逆に、自分の作品に絶対の自信を持っているが故に、エタるパターンもあります。
まず、ご自分の作品にプライドを持っていない作者さん。
読者さんの反応に左右されず、我が道を行ってください。
などと言うと無責任でしょうか。
自信なんてものを簡単に持てれば、誰も苦労しないでしょう。
そこで考え方を変えて、言うことがあるとすれば、自信を持つための方法です。
なぜ作品に自信が持てないのか。
なにも知らないからではないでしょうか。
初めてだから、小説の書き方を知らない。
それはなんとなく理解できても、どうやれば面白い作品になるかわからない。
ならば勉強してください。
小説の書き方の指南書は、このサイトでも本屋でもあります。どう書けばいいか、その正解のおおよそは書かれています。
売れている作品の情報を仕入れましょう。なにが今の流行なのか、知らないなら知りましょう。
語彙や話題を増やしましょう。本や新聞を読み、親しくない人とも話してみましょう。外から取り込まない限り、いま持ってる知識だけでは、いずれ枯渇します。
そうして書いた作品がいいものか悪いものか、自分で判断できないならば、他の人に判断してもらいましょう。
そして、思い切り失敗してください。
なにも知らないということは、なにが失敗なのか、どうすれば失敗するかも理解していないのです。
だからまずは失敗を学んでください。笑われる覚悟をしてください。壁にぶち当たって砕けてください。
そうすれば、おのずと成功の形が見え始め、それに向かう手段と方法も見えてくるはずです。
ファンタジーゲーム風に言えば、罠の仕掛けられた通路なのです。
進まなければ罠は発動しません。でも動かなければ、その先の宝は手に入らないのです。
何度も罠にかかって痛い目を見れば、嫌でも回避法は理解できます。そうすればそのうち、宝を手にすることができるのです。
手を触れなくても物を動かせる、念力のような魔法はありません。
攻撃を完全に遮断してくれる完璧な鎧もつけてません。
そして親切な誰かが代わりに宝を取って、渡してくれるなどありえません。
トライ&エラーを何度も繰り返してください。
自分に言えるのは、それだけです。
これは努力して経験を積まなければ、どうしようもない事です。
失敗するのが嫌だと言う人もいるでしょうが、残念ながらその人は、成功することもありません。
次、逆に作品に対するプライドが高い場合ですが。
これはエタる直接の原因にはなりません。別の原因が存在して、読者がそれを理解しているパターンです。
時限爆弾を発見して『どうせイタズラだろ』などと鼻で笑って粗雑に扱い、それが本物で爆死するような、アクション映画の最初に出てくるチョイ役と同じです。
これに対して、自分が言えることはありません。
冷淡に思われるかもしれませんが、ご当人が変わらない限り、誰がなにを言っても同じです。
『この先キケン』と立て札があり道路封鎖もされているのに、『オレの通った後が道になる!』とばかりにブルドーザーで突っ込んで崖から転落するような人を、どうやって止めてどうやって助けろと?
気持ちはわからなくはないです。小説家に限らずクリエイターは、プロ・アマ問わずプライドの高い人が多いので。
でも、なぜそんなに自信満々になれるのか。
百歩譲って、第一線で活躍しているプロの態度であるなら、いいとしましょう。
しかし成功した作品がひとつもないアマチュアならば、なぜそんなに作品に自信を持てるのか。
そんな作者さんに言うことがあるとすれば。
『他人の言うことに少しは耳を貸せ』
それだけです。




