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Electric World  作者: 静野月
学校
23/31

第八話

メカ・バードの集団がランチョムに気づく。

まだ、最初の群れを倒しきらないうちに、七体もの機械化モンスターが下降を始めた。



「――――っ」


ランチョムが、後退しながらモンスターを倒していく。

引き狩りをするにも、場所が狭すぎた。

隠れるところもなく、本来のスナイパーの能力が発揮できない。



「ランチョム!!」



「サンダートライク!」



祐平が叫ぶ声と同時に、視界がスパークした。

無数の稲妻が飛び散り、下降してきたメカ・バードの集団を襲った。


「「「キーーーーーーーーーーーーッ!」」」


叫び声を上げて、一斉にヘイトの矛先を変える。



「……なっ」


祐平は、まだチカチカする瞳を開けた。

サンダーストライクは、ファイターの範囲攻撃スキルだ。

威力は小さいが、ヘイトを集める時に使用したりする。

その、スキルで集められたメカ・バードが、どんどん殴り倒されていく。


「うっし。全部撃退ましたぁ。つか、お待たせですぅ~」


祐平も、ランチョムも呆然とその姿を見ていた。


長身に茶色の髪。

切れ長のブラウンの瞳に、改造したガクラン。


見かけは龍樹とそっくりだ。

しかも、腕にはドラゴンナックルを装着している。


だが、そのキャラクターがあまりにも違った。

祐平は同化していないし、口調がおかしい。


「龍……樹?」


祐平が半疑問系で問いかける。


「あ-、うんうん、そう。これ、龍樹の体」


「ど、どういうこと?!」


祐平は、給水塔の影から飛び出して龍樹に詰め寄った。

現れたのはいいが、大分、様子がおかしくなっている。


「ちょーっと借りてたんですぅ。ごめんなさーい」


龍樹が武器を外す。

青年の体と、女性の体が重なった。


「あなたが、龍樹の中身?!」


間抜けな声を上げたのは、ランチョムだ。


「各地にレイドモンスターが沸いちゃったんですよぉ。で、この体だと不便だから龍樹の体を借りたんですぅ」


顔は可愛いが、どう見てもアニメで出てくるメイドの姿だ。

しかも、長い髪はお下げで眼鏡をかけている。

そして、どこに視線を合わせていいのか分からないほど巨乳で、スカートが短かった。

絶対領域の下は、スラリとした足が伸びている。



「だ……誰?」


祐平がぽかんとしながら、少女を見る。

少女は、言い難そうに頬をピンク色に染めていた。


「んーと、私は、この世界の【管理者】の一部なんですぅ。あなたたちのパソコンにウイルス撃退ソフトが入ってるでしょう? イメージ的には、そんな感じなんですぅ」


「そんな感じじゃ、全然分からないよ」


「でも他に例えようがないんですよねぇ。ウイルス駆除システムの末端だから。んで、この性格と服装は、開発者の趣味ってことでよろしくですぅ~」


「「「……」」」


ランチョムも龍樹も黙ったままだ。

祐平は、まだ唖然としながら少女の説明を聞いている。



「んー、困りましたねぇ。私は、ただのウイルス駆除システムなので、滅多なことは言えないんですけどぉ、ちょーっと説明をすると、今、この世界は壊れかけちゃってるんですぅ」


「ど……どうして?」


「外部からハックされて、悪質なウイルスを流されちゃったんですよぉ。で、駆除システムである私が動いて、ウイルスを撃退しているんですけどぉ。同時に、この世界に住む人たちを守らないとえらいこっちゃでぇ」


「……ごめん。よく意味が分からないや」


祐平が頭を抱える。


パソコンがウイルスに感染するというのなら、分かるが世界がウイルスに感染したと言われてもピンとこない。


「ですよねぇ。肝心の部分をはし折っちゃうと、意味分かりませんよねぇ」


少女がテヘっと笑った。

なんの緊張感もない態度に、頭痛がしてくる。



「あ、今、【ジリオン】から回答が来ました。入野祐平、根岸美寿々の二名にレベルHまでの情報を開示していいそうです。許可は下りましたが、これから私が説明することは、この世界の国家機密(トップシークレット)に値するものなので他言無用でお願いしますねぇ。うっかりしゃべっちゃうと、しゃべった本人はおろか聞いた人も存在を抹消されますぅ」


少女が物騒な話をしれっと話し出す。




それは、とんでもない、世界の真実だった――――。

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