タイトル未定2025/03/19 21:39
私は支配者の魔力に飲み込まれ、意識が薄れかけるその時、胸の奥に眠っていた力が目を覚ました。それは、私自身の力、時間を操る力と並ぶ、もう一つの未知なる力だった。
「私が…諦めるわけない。」
その言葉が、私の中で強く響く。何度も感じたこの力が、私の中で目を覚まし、私を新たなステージへと引き上げようとしていた。
支配者の魔力に引き寄せられた瞬間、私の体が突然、強く光り出す。まるで心の中の何かが解き放たれ、世界の枠を超えていくような感覚が広がった。
「これは…」
私はその力を感じながら、時間停止を超えた力を体感した。時間を操る力を持っていることは知っていたが、それだけではなかった。私の力は、時間を越えて空間すら操ることができる力へと変化しつつあった。
支配者が冷徹な目で私を見つめている。だが、私の力が増大するにつれて、彼の顔に僅かな動揺の色が浮かんだ。それは予想していなかった出来事だったに違いない。
「お前が…何かを変えたのか?」
支配者の声が不安を帯びたものに変わる。その目の前で、私は確信を持って答える。
「私の力は、もうお前のそれとは違う。」
その言葉と共に、私は空間をゆっくりと歪ませ、支配者の魔力をかき消していった。時間停止を超える力が、彼の魔力を押し戻していく。
支配者が焦りを見せ、さらに力を込めるが、それでも私の新たに目覚めた力には勝てなかった。私はその力で、時間の流れを引き戻し、さらに空間を揺るがすような大きな力を発動させた。
「この世界は、私が守る。」
私は心の中で宣言し、その力をさらに解放した。周囲の景色が歪み、時間と空間が私の意志で自由に操られていく。
支配者の魔力は徐々に減少し、彼自身もその力の差を感じ取っていた。彼の表情が歪み、怒りの色が濃くなる。しかし、それでも私は動じなかった。
「私は、この世界の支配者にはならない。」
私はその決意を新たにし、支配者に向かって突き進んだ。空間を切り裂くような力で、彼を包み込む。その瞬間、支配者の魔力が一瞬で消え去り、彼はその場に倒れ込んだ。
「どうして…?」
支配者が弱々しく呟いた。その目には、今まで見せたことのない驚きと困惑が浮かんでいる。
「世界を変える力を持っているのは、ただ一人ではない。あなたは自分の力を過信しすぎた。」
私は冷静に答えた。支配者の力を打破したのは、私の新たに覚醒した力だ。時間と空間を操ることができる力。それは、私がこの世界で持つべき力だった。
支配者はその場で立ち上がり、力なく微笑んだ。「お前が…勝ったか。」
その言葉に、私は深く息をつく。これで終わったわけではない。しかし、少なくとも、今は支配者に勝ったのだ。
「これで、あなたの支配は終わった。」
私はそう告げると、支配者はもう何も言わずに黙ってその場から消え去った。彼の姿が消えた瞬間、私はようやく肩の力を抜いた。
だが、世界はまだ変わっていない。支配者を倒したからといって、すべてが解決したわけではなかった。この世界にはまだ多くの問題が残されている。そして、私はその問題を解決するために戦い続けなければならない。
「まだ、終わっていない。」
私は新たな決意を胸に、次なる一歩を踏み出した。