タイトル未定2025/03/19 20:19
試練の終わりを告げたその瞬間、私たちは一歩踏み出すことを決意した。あの女性の言葉が心に響いていた。「これからが本当の始まりだ」という言葉。それは、私たちが乗り越えてきた試練が、単なる序章に過ぎなかったことを示していた。
「さて、次はどうする?」
アレンが静かに問いかけた。その目は、今までの迷いを捨て去ったように、まっすぐに新たな道を見据えていた。エリスもその視線を追い、私に向かって微笑んだ。
「どんな未来が待っているのか、楽しみだね。」
彼女の笑顔には、あの試練を乗り越えたことで生まれた自信が滲み出ていた。私も同じように、心の中で答えを見つけていた。
「私たち、もう怖くない。何が待っていても、きっと一緒に乗り越えられる。」
その言葉に、アレンとエリスがうなずく。私たちはもう、何も恐れない。過去の自分に引きずられることも、未来に対する不安を抱えることもない。ただ、今、目の前に広がる新しい道を歩んでいく覚悟を決めていた。
「進もう。」
私の一言に、アレンとエリスは一斉に頷いた。その時、空間が再び変化を始めた。あたりが明るくなり、目の前に広がる道がはっきりと現れる。道の先には、何か巨大な存在が待っているような気配が漂っていた。
私たちが歩みを進めると、次第にその存在が明らかになっていった。それは、巨大な門のようなものだった。金属のように光るその扉は、私たちを迎え入れるように静かに開いていく。
「これが、私たちの次のステージ…?」
エリスがつぶやく。その目の前に現れた門は、まるで異世界への入り口のようで、私たちを圧倒するような威圧感があった。
「恐れることはない。」
私はその言葉をかけながら、手を伸ばして扉に触れる。すると、扉がゆっくりと開き、私たちはその先に足を踏み入れることになった。扉を抜けた先に広がっていたのは、見たこともないような景色だった。
遠くにそびえる山々、広がる緑の草原、そしてその先に浮かぶ巨大な城。それらが一つになった景色は、どこか神秘的で、美しいもので満ちていた。まるで、別の世界に来たかのような感覚が私たちを包み込んだ。
「これは…どこ?」
アレンが目を見張りながら言う。彼の声には、驚きと共に新たな世界への興奮が感じられる。
「分からない。でも、きっとここが私たちの新しい始まりなんだ。」
私の言葉に、エリスが頷いた。その目には、確かな決意が宿っていた。
「だから、もう迷わない。」
私たちは再び歩き出す。これから始まるのは、未知の冒険だ。しかし、恐れや迷いはもうどこにもない。ただ、前に進むだけ。私たちは今、未来に向かって踏み出している。
道の先に待っているものが何であれ、私たちはそれを受け入れる覚悟を決めていた。過去の試練を乗り越え、私たちはようやく本当の「始まり」にたどり着いたのだ。
「さあ、行こう。」
アレンが一歩前に出て、私たちを引っ張るように歩き始める。その背中に続いて、私とエリスも歩き出した。まだ見ぬ未来へと。
そして、その先に何が待っているのか、私たちは知らない。ただ、信じて進んでいく。それが、私たちの選んだ道だった。