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タイトル未定2025/03/19 19:28

エリスの力によってアザリウスの圧倒的な支配力を一時的に抑えたが、私たちの心の中には依然として深い不安が残っていた。アザリウスは一時的に退いたとはいえ、その目的は明確で、決して諦めたわけではない。彼の力は、ただの一度の戦いでは消え去るものではない。


「エリス、君はあのアザリウスと何か因縁があるのか?」


アレンが、真剣な目でエリスに問いかけた。エリスは一瞬、考え込み、やがて静かに答えた。


「アザリウスは、かつて私の師であり、また最も信頼していた人物だった。しかし、彼は闇の力に取り込まれ、世界を支配することに固執するようになった。私がその力を抑えるために、彼に背いたのだ。」


その告白に、私は驚きと共に複雑な感情を抱いた。エリスとアザリウスがかつては師弟関係にあったなんて、予想外の事実だった。しかし、それだけでは終わらない。彼女がエリスとしての意志を貫くためには、アザリウスを完全に倒す必要があるという覚悟が伝わってきた。


「君が言う通り、あのアザリウスの力を完全に抑えるためには、私たちの力を合わせる必要がある。でも、それだけでは足りないかもしれない。」


私はその言葉を口にし、ふと空を見上げた。空はすっかり暗く、時折、雷のような音が鳴り響いている。何か、大きな力が迫ってきているような気がした。


「そうだ。あいつは、私たちの力を試すように、次々と新たな手を打ってくるはずだ。私たちは、ただ防ぐだけでは終わらない。」


エリスは冷静にそう言ったが、その目には明らかな決意が宿っていた。私はその目を見て、自分もまた覚悟を決めた。


その時、急に一陣の風が吹き荒れ、遠くから重い足音が聞こえてきた。私は瞬時にその音の正体を察した。アザリウスが再び動き出したのだ。


「来るぞ…!」


アレンが叫ぶと同時に、地面が揺れ始め、辺りが震えるように感じた。私はすぐに時間停止の力を使おうとしたが、再びあの感覚が襲ってきた。周囲の空気が重く、まるで私の能力を封じ込めるかのように感じられた。


「時間停止が効かない…」


私はつぶやき、必死に力を集中しようとしたが、やはり無理だった。その時、エリスが冷静に言った。


「アザリウスの力が強すぎる。それに、あの空間を歪める力には私でも手が出せない。」


私たちは、どうしても彼を完全に抑えることができなかった。そんな中、再びアザリウスの姿が現れた。その姿は、先程よりもさらに威圧感を増しており、暗い闇の中に浮かび上がるように現れた。


「貴様らの力など、もはや無駄だ。」


アザリウスは低く冷徹な声で言い放ち、まるで私たちを見下ろすように立っていた。その目は、完全に私たちを捕らえたかのようだった。


「私がこの世界を支配する時が、いよいよ来たのだ。」


その言葉が終わると、アザリウスは手を一振りした。すると、周囲の空間がまるで歪んだかのようにねじれ、地面が割れ、そこから無数の黒い影が現れた。


「何もかも、私のものになる。」


その瞬間、私たちの周りに無数の影が迫り、完全に囲まれてしまった。影の中から、さらに強力な闇の力が放たれ、私たちを押し潰そうとしてきた。


「くっ…!」


アレンが剣を抜き、影を切り裂こうとするが、影は次々と蘇り、再び形を成す。その力の前に、私たちはただ立ち尽くしているしかなかった。


「どうする、エリス…!」


私は叫びながら、エリスの方を見た。彼女は一歩前に出て、その冷徹な目でアザリウスを見据えていた。


「今度こそ決着をつける。」


その言葉と共に、エリスは杖を空に掲げ、深く息を吸い込んだ。その瞬間、周囲の空気が震え、強烈な光が放たれた。


「これが…私の力だ。」


その言葉と共に、エリスの周りに無数の光が集まり、闇の力を打ち払うように放たれた。光と闇が激しく衝突し、周囲の空間が一瞬にして崩れ去った。


「お前の力など、もう通用しない!」


アザリウスが怒鳴りながら、さらに強力な闇の力を放とうとした。しかし、エリスの光の力は、彼の闇の力に完全に対抗していた。


「今こそ、終わりだ。」


エリスの言葉と共に、光の波動がアザリウスに直撃した。彼の体が一瞬で崩れ、消え去るように爆発した。


その瞬間、世界が静まり返り、私たちはその場に立ち尽くした。全てが終わったかのように感じたが、私はまだ完全に安心できなかった。


「これで、本当に終わったのか?」


私はエリスに尋ねた。彼女は一度だけ静かに頷いた。


「まだ…わからない。しかし、これで少しは時間を稼げた。私たちには、まだやるべきことがある。」


その言葉に、私は再び決意を固めた。戦いは続くが、私たちは一歩ずつ進んでいかなければならない。

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