タイトル未定2025/03/20 08:50
闇の王がその手を振り上げ、再び強大な闇の波動を放とうとした瞬間、俺たちは一気にその隙を突く。
「セレスティア、今だ!」
俺の声に、セレスティアがすぐさま反応し、光の剣を全力で振りかざす。その光は闇の王が放つ闇の波動とぶつかり合い、激しい衝突音を上げた。
「このままでは持ちこたえられない!」
リヴィアが叫び、魔法の詠唱を早急に始める。彼女の両手から放たれた魔法の光が、闇の王の力を相殺し始める。だが、その魔力も時間の経過と共に減少し、闇の王が再び力を強めていくのが感じ取れる。
「こいつの力は……尋常じゃない!」
俺の心に焦りが生まれかけたが、すぐにそれを打ち消す。焦っても仕方がない。俺たちは力を合わせて戦っている。決して負けるわけにはいかない。
「セレスティア、リヴィア! もう一度、一緒に力を合わせよう!」
「はい!」
セレスティアが力強く答えると、リヴィアも冷静に頷き、魔法のエネルギーを再び高めていく。
「いくぞ、全力で!」
俺たちは、再び同じタイミングで全力で攻撃を仕掛ける。セレスティアの光の剣、リヴィアの魔法、そして俺の剣が、同時に闇の王に向かって放たれる。
闇の王の目が一瞬、驚きに満ちた。だが、それもすぐに冷徹な表情へと戻り、両手を大きく広げて闇の力を一気に解放した。
「ふふ、無駄だ。お前たちの力など、我には届かぬ!」
闇の王が嘲笑し、その巨大な闇の波動をさらに強める。だが、今までのような無力感は感じなかった。むしろ、俺たちの攻撃が確実にその力を削り始めているように感じた。
「今だ! 一気に攻めろ!」
俺の叫びと共に、セレスティアとリヴィアが同時に力を最大限に込めた攻撃を放つ。セレスティアの光の剣が闇の王の鎧を貫こうとし、リヴィアの魔法はその隙間を突くように闇の王を包み込む。
「この光と魔法のコンビネーション……!」
闇の王が叫び声を上げ、ついにその足元が崩れ始めた。
「くっ、こんなこと……!」
闇の王が後退するが、俺たちはその隙に一気に前進する。
「全力で押し切れ! これで終わらせるんだ!」
俺たちの攻撃がついに闇の王を打ち倒す瞬間が迫っていた。その時、闇の王の顔に一瞬の恐怖が浮かび上がったが、それはすぐに消え去った。
「お前たちが……勝てると思っているのか?」
闇の王は最後の力を振り絞り、空間に闇を放出し始めた。だが、それも俺たちの攻撃には届かなかった。
「光よ、我を照らせ!」
セレスティアが叫び、再びその光を剣に込める。リヴィアも魔法を詠唱し、その力を増幅させた。俺はそのすべてを信じ、剣を振りかざす。
「これで終わりだ!」
俺たちの一撃がついに闇の王に届き、その体が爆発的に崩れ去る。闇の王が放つ最後の一撃が空気を震わせるが、俺たちはその衝撃を跳ね返し、無事に立っていた。
闇の王は、ついに消滅した。
「やったか……?」
俺が息を整えながら言うと、セレスティアとリヴィアも安堵の表情を浮かべる。だが、すぐにセレスティアが真剣な顔つきで口を開いた。
「まだ終わっていないかもしれません。闇の王を倒したからといって、あの巻物に書かれていた『支配者』の正体が消えるわけではないはず。」
リヴィアも頷く。
「確かに、まだ他に何かが潜んでいるかもしれません。油断はできません。」
俺はその言葉に黙って頷き、再び遠くを見つめた。闇の王を倒したことは確かに大きな勝利だが、まだ我々の戦いは終わったわけではない。
「どんな試練が待っていようと、俺たちは最後まで戦い抜く。」
俺の言葉に、セレスティアとリヴィアが力強く答えた。
「そうですね。」
「はい、必ず。」
その時、再び空が暗くなり、異変が起こった。だが、俺たちは今度こそその異変を乗り越えられると信じていた。