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Life 105.8 そして時が壊していく思い出、深まる想い

「さてと、君には色々聞きたいことがあるし、来週にでも、どこか行こうか。おねえちゃん?」

「うっ、デートの誘いにしては、目が怖いよ。...でも、私の番だよね?」


あれから一週間。私は、オトーサンと、この前泊まったホテル、ツインルームにいる。週末なのに、何回も取れるとか、強運なのかな。

チェックインの時間に入ったけど、面倒という理由で、外に出ようとしないオトーサン。目的はデートじゃないだろうから、色々尋問を受けるんだろうな。


「どうしたの?」

「えっ、だって、多分私が尋問されるのかな?と思ってたけど。」

彼は小さなため息をついてから、話を始めた。

「僕も、あの子のことを信じてるし、その人に君が伝えたことがあったとして、咎めることはしない。君をおねえちゃんと呼ぶあたり、だいたい察しはついてるし、それが彼女にとって、君と友人になるキッカケとなったなら、それでいいと思ってる。だけど、戸籍上は僕らの家族じゃないから、トラブルを避ける意味で、自分を守る行動をして欲しいんだ。」

「うん、ありがとう。それだけで十分だよ。二人が私を守ってくれてるのに、私が自分からさらけ出すのは、さすがにまずかったと思う。」

「こんな父親だけど、僕なりに君のことは心配してるし、他人事にはなってないだけ、君は立派だよ。大人の女性、大人になってるんだね。」

ちょっとだけ、寂しそうな笑い顔を浮かべる彼に、私はちょっと泣きそうになった。

「なんで、そんな寂しい顔するの?今生の別れじゃないんだよ?」

「ごめん。なんか、僕から君が離れて行ってしまう気がしてた。やっぱり、君のこと、僕は好きなんだなって。」

「あ~、それを言うんだ。わざわざホテルに泊まることでもなかったと思うのに?」

「わざわざ泊まる意味がある。僕は君とは、このホテルで思い出を作ってない。あの日が、あの人との日だとしたら、君との日を作ってもいいでしょ?」

「まったく、そういうところ、なんかセンチに考えるよね?安心して。私は君のもの。あなたのものだよ。」

「うん。...あ~あ、なんか、君にあなたと呼ばれるのが、やっぱり慣れないな。」

「照れちゃって。本当に可愛いんだから。大好きだよ。」

彼にキスをした。始まりの合図になっちゃうよね。シャワー浴びてないけど、大丈夫かな?



「あ、もうダメ。ダメだから。」

今は22時。せっかくいいホテルに来たのに、やってることがラブホと変わらなければ、あんまり意味はない気がする。それにしても、今日の彼はどうしてしまったのかと思うぐらい、ずっと興奮している。新鮮だ。いつもは3回もすれば、半分、死んだ魚の目みたいになってるのに、今日は積極的だ。惜しいのは、その中で、ゴムをしているところかな。ここのところ、エッチしてなかったからなのかな。私も、ここぞとばかりに、恥ずかしいぐらいにさらけ出してしまった。

「えっ、まだ22時だよ?」

「少し...というか、ご飯食べようよ。その後でも、私は逃げないから。」

「そう...。楽しいのにね。」

「私も楽しいよ。だけど、さすがにおねえちゃんと違うから、私はもたないよ。」

「そうだよね。ごめん、なんか、あの人を基準にして考えるから。君とのデートなのにね。」

「やっぱり考えてたんだ。あなたって言われるのが嫌なのって、おねえちゃんに見えるからでしょ?」

「嘘をついてもしょうがないね。あなたって呼ばれるのは、あの人だったり、僕と同じぐらいの年齢の人だ。だから、君に言われるとね。」

「でも、私にとって、大切なあなただよ?」

「その言い方...、いや、若いって、いいね。」

「えっ、なんかおかしなこと言った?」

「君は、僕の好きな君でいて欲しいだけ。呼び方なんて、些細なことなんだけど、気になっちゃうんだよ。」

「まったく、しょうがないんだから。また、休憩の後に、愛してください。」

「もちろん、喜んで。楽しくしよう。」



「ねぇ、どうせ一つのベッドで寝るのに、なんでツインルームを取ったの?」

「ダブルだと味気無いし、いつもと変わらない。シングルで二人の利用はNGだし、一緒のベッドで寝るなら、昔みたいに1人分のサイズがいいかなって。」

すごく疲れた。かれこれ半日、私達は、休憩を挟んで、貪るようにエッチしつづけた。シャワーを浴びたら、もうベッドに入るぐらいしか出来なかった。ツインルームだから、この前、私達が夜食を食べ、色々話した小さなテーブルと、椅子が2人分あったけど、そこに流れた欲望は、さすがにフェイスタオルだけでは拭ききれないほどだった。彼女と一緒に泊まった部屋で、私は次の週に、彼とお互いを求めあってしまった。汗と、体液の匂いがする。換気扇は回っているけど、部屋に充満する匂いは、さすがにすぐには取れない。彼が立ち直ろうとした時だって、こんなにいろいろなことをしなかった。きれいな思い出にはきっとならないけど、私には、もう十分だった。これ以上、私が与えられるものがあるのか、そんなことすら考えてしまう。

「こんなに積極的だったのって、初めて以来だね。」

「うん。ダメな彼氏だと罵ってくれていいよ。僕は、自分の欲のために、デートしてる。彼女を家に置いてけぼりにして、もう一人の彼女と、こんなことをしている。」

今日はパジャマじゃなくて、バスローブを着ている。でも、着てないのと同じ。前ははだけたまま、甘えんぼうの彼氏の頭を、しっかり抱きしめている。彼は、その体制を利用してるのか、口で乳首にキスしてる。さすがに、もう何も感じないほどに疲れてたから、反応することが出来ない。

「相変わらず、おっぱい好きだね。今も、スキあらば、私を気持ち良くさせようとしてる。」

「君のおっぱいだから好き。情けないけど、ずっと触れていたい。胸に限らず、君の身体に触れていたい。」

「うん、私は帰るまで、あなたと離れない。きっと、色々あったんだよね。私も、あなたも。」

「うん。優しくて、心地よい暖かさ。それだけで、僕はまた頑張れる。」

「そっか...。うん、頑張れ。無理だったら、私達がまたあなたを立ち直らせるから。」

「ごめんなさい。僕は、君に溺れることしか出来ないみたいだ。」

「溺れさせるのが、私の役目。ずっと愛してもらえなくて、ちょっと寂しかったんだよ。」

「僕という人間は、最低だね。寂しがらせて、そのくせ、欲望だけをぶつけて。」

「それが、うれしいことだってあるんだよ。今日のあなたは、私が求めていたあなただった。でも、私は明日、ダメかもしれない。」

「うん...。それなら、僕が連れて帰る。明日はまた、三人で話そう。」

「もう、こういう時に、おねえちゃんの話はダメ。私だけ見てなきゃ。」

「ごめん。僕の目が節穴だった。僕の大好きな君...。」

そう言いながら、彼は眠ってしまった。まったく、しょうがない人。私も甘いのかな?調子に乗ってしまったのかな?

やっぱり、惚れた弱みだよね。それぐらい、私はあなたのことが好き。このまま、朝が来なければいいのに。



つづく

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