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Life 99 憧れの身体づくりも、母次第?

オトーサンが、競泳水着を買ってくれた。最初はエッチなコスプレ用だと思っていたら、普通に、水泳選手が、試合で着ることの出来る、しっかりとした水着だった。もちろん、夜の楽しみに使う予定だったんだけど、ある時、体を鍛えるのに使えるとおねえちゃんがいい始め、それから、プールの予約が出来る日は、水泳で運動。ダメな日はランニングと、本格的にアスリートにでもなるのかというエクササイズが始まった。毎日ではないし、ランニングの強度も下がってはいるけど、水泳は全身運動らしいから、リカバーも考慮しないといけない。

なんなら、ジムでいいじゃんと言ったんだけど、会費が高いらしい。それに、必ずしもプールで泳げるとは限らないのだそう。別に、筋力トレーニングをするわけではなく、全身運動がしたいだけだから、そんなもんでいいんだって。私もバイトがあるし、ジムの予約を取る必要があるのに、高い会費は、確かにもったいないかも。


「やっぱり、アンタと並ぶと、劣等感を感じる。私もそういうメリハリボディになりたかったわ。」

「メリハリボディとは言うけど、これ、絶対に水着とサイズ合ってないよ。一応パットも付けたし、アンダーも履いてるけど、直に着るより、より締め付けられてる感じがする。」

「しょうがない。私に付き合わせてるわけだし、新しい水着、買ってあげるわよ。でも、どういうところに行けば、試着出来るのかしらね。調べてみよう。」

「あのさ、それはそうと、おねえちゃん。もしかして、水着だけ着てる?」

「うん、なんか変?」

「いや、羞恥心というか、その、おっぱいの形だったり、股間だったり、そのままの形になってるじゃん。オトーサンは喜ばせてもいいと思うけど、さすがにそれで公営プールは、刺激が強いんじゃない?」

「そう?別に、誰かが見てるわけでもないし、まあ、私の予約に合わせて、男性が集まるようなら、少しは考えるけど、泳ぐだけだからね。」

「そういうところ、変に堂々としてるよね。でも、本当はみんなそうやって泳いでるんだもんね。」

おねえちゃんの水着は、ブルー一色。言った通り、女性の特徴となる部分は、張り付いている感じだから、乳首も浮いているし、あそこもパイパンだから、歩いているだけでも筋が食い込んでいる。人のことをいやらしいとか言ってる割に、自分はエロい。

私の水着はネイビーだけど、サイドにピンクのカットが入っている。この日のために、パットも、アンダーショーツも揃えてきたし、なんなら、ムダ毛対策もしてきた。さすがに、ハミ毛は恥ずかしい。

ちゃんとした競泳用プールだから、水泳帽は必須だった。ゴーグルはいいかなと想った。一方、おねえちゃんは水泳帽にゴーグルも似合う。私、やっぱりやらされてるように見えるのかな?


私は、泳ぐことは出来るけど、バシャバシャ音を立てるような感じ。足より手が動くから、一見すると周りは溺れてるような感じに見えるかもしれない。このプールは50mあるから、いざスタートすると、ゴールまでは果てしなく遠い感じがする。バタ足って難しいな。上半身のほうが浮いてしまってるから、前に進まない。ま、別に記録を出すわけじゃないから、途中、立ってしまった。なんか、ランニングも最初はこんな感じだった。確か、無駄な力を抜いて、流れに身を任せたほうが、いいフォームになるって、おねえちゃんが言ってた。

う~んと、水面に浮くような感じで、まずはバタ足をしてみた。あ、さっきより前に進む。そして、息継ぎも交えながら、クロールをしはじめた。自然と手がまっすぐに出るし、息継ぎもうまく出来るようになる。あ、これ、コツを掴むと、案外楽に泳げるんだね。最初の25mはなんだったんだろう。

「はあ、はあ、50m泳ぎきった。疲れた~。」

と、隣のレーンを泳ぐおねえちゃんを見た。あれ、おねえちゃんって、キレイなフォームで泳いでる。水泳も出来るんだ。しかも、体つきが18歳だから、なんか本物の競泳選手みたいに見える。スリムだから競泳水着も似合うし、それであんなに見栄えするほどに、スムーズに泳いでる。ないものねだりとはよく言うけど、おねえちゃん、マジでスポーツ万能なのかもしれない。月とスッポンとは言わないけど、水泳も出来るおねえちゃんと、やっぱり運動が苦手な私。いやいや、私もおねえちゃんなんだから、練習すれば、あのぐらいは出来るようになるんだね。うん、まだ時間もあるし、楽に泳ぐ方法を模索しながら、自分なりに泳いでみよう。直すのは、そのあとでいいや。

「う~ん、胸が苦しい。パット入れちゃったから、競泳水着でも、谷間が出来て、水が入ってくるんだよなぁ。」

おねえちゃんの言う通り、新しい水着、買ってもらおう。......もちろん、オトーサンも楽しめちゃうやつ。


「意外と運動になるわね。ランニングより楽かなと思ってたけど、やっぱり全身運動だからかな。」

「だけどさ、おねえちゃん、その割にしては、キレイなフォームで泳ぐんだね。見とれちゃった。」

「おひとりさまの時代って、色々やってみることが出来たのよ。ジムに入っていた時があったって言ったことあるでしょ?水泳の基本は、そこで教えてもらったのよ。」

「教えてもらうだけで、そんなに出来るものなのかな?私達、学生時代は運動出来ない方だったじゃん。」

「確かにそうだよね。でも、なんでもやってみるもんなんじゃない?ランニングもそうだけど、鍛えるというより、自分を維持するってことと、無心になれるってことが好きなのよ。私も人妻だけど、妻でもなく、女でもなく、恋人でもなく、自分なんだなって、確認するために、運動してる感じかな。アンタも、そのうち分かる。」

「ふ~ん、それはそうと、泳ぎ方、教えてよ。やっぱり、なんかうまく前に進まないというか。」

「YouTubeでも検索して参考にしたほうがいいんじゃない。あ、そうか、アンタの場合、その身体よね。でも、そんなに体型で泳ぎ方が変わるわけでもないだろうし。やっぱり、水着買い直そうか。それは、家にいる変態とエッチする時に使ってあげればいいよ。あの人のお金だしね。」

「おねえちゃんは?」

「う~ん、私は、これ、結構気に入ってるのよね。でも、まあ、この水着って色々いかがわしいことにも使ってるし、いっそ頻繁に来るなら、もう2着ずつぐらい買おう。」

「お金持ちだね、おねえちゃん。」

「スポンサーの言う事は聞いておいたほうがいいわよ。それに、私がお金を出したところで、あの変態とエッチする時にも、どうせ着て欲しいってねだられるでしょ?せっかくだから、色々買ってみよう。1着だと、消耗も激しいと思うしね。」



シャワールーム。と言っても、身体だけ隠すような仕切りがあって、顔や足は見えるというやつだ。案外、こういうところって、まだあるんだね。

もちろん更衣室で水着を着替えるんだけど、シャワーを浴びるおねえちゃん、キレイなのに、色っぽい表情だった。

頭の上に手を上げて、髪の毛をかき上げるような仕草、目を閉じて、物欲しそうな顔、スリムな体に、形の整った胸、乳首が浮いてて、こっちが恥ずかしい。背中から腰にかけての曲線も女性らしく、その下には、引き締まった小尻。そして、いつも尊敬する、運動しているとよく分かる太ももや、足の形。水着を着ているのに、こんなに色っぽい。18歳の私は、こんなにキレイだっただろうか。確かに、スリーサイズは変わらないと言っているけど、実は筋肉などは、鍛えた分だけ、しっかりと付いているのかもしれない。運動部の美女って言えばいいのかな。うらやましい。オトーサンが、好きだと言うのがよく分かる。おねえちゃんは、慎ましい色っぽさを纏ってるんだ。オトーサン目線で言えば、本当に裸のおねえちゃんに、濡れた水着が張り付いて、キレイに見えるって言うだろうなぁ。キレイ?色っぽい?まあ、どっちも思うよね。

う~ん、それに比べて、男ウケはいい、女性的な身体付きとは言われるけど、おっぱいもFカップで、形を維持するのも大変。腰のラインがキレイなのは自慢だけど、お尻も大きいし、運動しているとは言え、やっぱり脂肪が多い、丸い身体だと思っちゃう。体重は、運動する前に比べたら、少しは落ちてる。でも、おねえちゃんいわく、体重を落とすより、筋力を付けるほうが、身体の体型を維持するのには、効果的だと言っていた。おねえちゃんが言うと、説得力がないけど、それにしても、あの手足。細くてしなやかに見えて、実は筋力がありそう。たった3ヶ月のトレーニングしかしてない私が、10年以上トレーニングを欠かさず続けているおねえちゃんに勝てる要素が、女性としての特徴だけというのも、なんか複雑な思いだけど、こればっかりは、やっぱり継続して運動することで、キレイなラインを形作る身体を作るようにするしかないのだろう。

「ん?どうしたの?」

「ううん、水着を着たおねえちゃんに見とれてた。なんか、濡れた水着を着てるおねえちゃんって、綺麗で色っぽい。なんか、オトーサンが好きなの、分かる気がするよ。」

「そう言われると、悪い気はしない。でも、アンタがそれを言うかって話。ただ、水着でシャワーを浴びてるだけで、そんなにいやらしい雰囲気が出るって、やっぱり女として負けた気がしちゃうわよ。そりゃ、あの人の本能に訴えかけていくわよね。」

「いつもだけど、私達、同じ人間だったのに、どうしてこんなに対極なんだろうね。」

「ま、あの人の願いだったんじゃないの?清楚で綺麗な私と、妖艶でいやらしい私、両方とも見たかったんじゃない。そういうことにしておきましょ。」

「うん、私達、ふたりとも、私だもんね。」

「さてと、今日は何を食べに行こうか。やっぱり、とんかつがいい?」

「いいの?いくいく、たくさん食べる。お腹ペコペコだよ。」

「本当、可愛い娘なんだから。じゃあ、着替えてご飯にしましょ。」


更衣室でも堂々と水着を脱いで、裸になっちゃうおねえちゃん。さすがに、タオルぐらい巻いてほしいけどなぁ。そのまま、髪の毛を拭いてるし、やっぱり、自分の体に、自信があるってことなのかな。まあ、胸は標準サイズだし、多分それほど見張る場所ではないと思う。確かに形はまるまるしてて、中心に上向きのピンク色の乳首があって、薄い色の乳輪は小さめ。パッと見た感じ、美少女のそれだよね。細くてしなやかそうな手足は長く、若干未熟な腰のラインをカバーするスタイルの良さになってる。お尻も引き締まって、上向きにプリッとしている。そして、デリケートな場所。パイパンだから形がよく分かるけど、おねえちゃんのずるいところは、18歳のままだから、男を知らないような、キレイな色と、左右対称にキレイなぷくっとした割れ目。足を開いて、ピンク色のキレイなそこが見える。って、なに足を開いてるんだ。自分で小娘と言うけど、世間の人には、大人の女性に見られてる。エッチかどうかは別として、男性が求める、女性の裸とは、おねえちゃんのような身体つきを言うのではないかと思ってしまう。

私はというと、幸い同じ人間だから、上向き乳首や乳輪はほぼ位置が変わらない。でも、胸のサイズは明らかに大きく、身体のラインから丸みがわかってしまう。若干離れてる感じもあるので、寄せないと、キレイな谷間にはならない。あ、でもそれが普通なのかな。手足も長さは変わらないと思うけど、私のほうが、肉付きがいい。オトーサンは、別に気にしてないらしいけど、この微妙な差が、気になるところなんだよね。腰周りから、お尻にかけては、曲線美とおねえちゃんに言われている。私が無自覚だけど、フェロモンの他に、このラインが、男性を虜にするらしい。エッチ目当てな男性からは、性的な視線を向けられてるのだと思うけど、そこが無自覚だから、心配させているらしい。だから、お尻の形はすごくいいみたい。あんまり性欲のないオトーサンが、私のお尻を見て、エッチしたがるぐらいだから、ちょっと自慢してもいいのかもしれない。デリケートな部分は、割れ目の上のあたりに、少しアンダーヘアを残してるけど、女性器の周りは念入りにお手入れしてる。オトーサンに指摘されてから、お手入れはすごく重要で、しないことは恥ずかしいことだと知った。その女性器も、割れ目こそ前から見れば普通かもしれないけど、いざ股を開くと、朱鷺色の入口と、周りの皮膚もなんとなく大きいような気がする。包み込む時にはいいのかもしれないけど、普段見られると、やっぱり自分の形は、あまりキレイじゃないのかもと思ってしまう。これって、おねえちゃんと暮らして、おねえちゃんの隅々まで観察してるから、そう思っちゃうんだろうなぁ。

「ん、どうしたの?なんか、深刻そうな顔してるよ。」

「あ、うん。私のあそこ、おねえちゃんみたいにキレイな形してないなって。」

「そういう悩みね。う~ん、デリケートよね。今は気にすることはしなくていいと思うけど、他の男性に抱かれた時に、なにか言われるようだったら、私に相談しなさい。多分、あの人はそういうところを気にしてないと思うんだけど、男性によっては、やっぱり気になるところらしいのよね。そういうところを助けてあげるのが、私の、母親としての役目。ほら、いざとなれば、整形手術も出来る。でも、それもあなたの個性だし、デリケートな場所だから、病気に苦しむような可能性もあるだろうし、ほいほいと気軽に形を変えられる場所ではないからね。相談には何度も乗ってあげるけど、手術してまで、形を整える必要が、自分であると思ったら、私に言いなさい。その時は、私も一緒に悩んで、答えを出そう。」

思わず、おねえちゃんに抱きついてしまった。頼りになるおねえちゃん。おねえちゃん、肌にハリがあるのに、もちもちして柔らかい肌。厳しいけど、優しいおねえちゃんそのままの感覚だ。

「大好き。おねえちゃん。私の、自慢のお母さん。」

「そういう悩みは、一人で抱えないで、私に話して大丈夫よ。まあ、その、私もだいぶ痴態を晒してるし、なにより、もうひとりの私だもの。私同士にしかわからないことも、私だけど違うこともいっぱい出てくる。普段は恋敵だの言ってるけど、私はあなたの姉で、母親だからね。我慢しないでいいよ。」

涙が出てきてしまった。私が悩んでても、おねえちゃんはそれを受け止めてくれるだけの優しさと、心の広さがある。オトーサンも、こういうおねえちゃんだから、好き。

「さ、裸で抱き合ってると、なんか勘違いされてもアレだし、服着て、ご飯食べにいこう。......それにしても、アンタ、柔らかくて滑らかな肌してるわね。20代前半になると、肌ってこういう感じで軟化してくるのかしら。私には一生わからないから、なんか悔しい。」

「もう、いいこと言ってるのに、最後に茶化すんだから。お母さん、大好き。」

「...お母さんって響き、なんかムズムズするわね。やっぱり、私は母親の器じゃないわ。まだまだ姉ぐらいでちょうどいいわ。」




「ってことがあったんだよね。」

定例会の時間だけど、おねえちゃんはお風呂に入っている。どうせ、また一人で楽しんでるんだろう。あれでちょくちょく一人でいやらしいことをしてるのだから、自分では小娘というのかな。あ、ちなみにオトーサンには、デリケートな話はしなかった。変に気にすることをいいたくなかったし、何よりおねえちゃんを妻として見ていても、私の母という感覚はにはピンと来ない。母親らしい場面は、私にしか見せてないと思う。

「僕は複雑だけど、確かに、彼女は堂々としてる。僕がいうのもなんだけど、自分に自信があるってことなのかもしれない。」

「ないものねだりって知ってるけど、おねえちゃんの身体って、18歳のままとはいうけど、それって女性的な特徴が18歳のままであって、実は身体そのものは、アスリートみたいに鍛えられてるような気がするんだよね。」

「君に話すことじゃないんだけどさ、例えば、性的な場所、胸だったり、お尻だったり、女性器だったり、そういうところは、18歳のままなのかもしれない。実際、お腹を見ると分かるけど、割れてるわけではないにしろ、しっかりと筋肉が付いてる。細いと思う手足も、外見は18歳のままとは言うけど、筋力自体が、おそらく衰えてないから、あんなにいい身体のラインを維持出来てるんじゃないかな。僕がこんな感じだから、やっぱり尊敬はするよ。」

「ねぇ、私が18歳の時、あんな感じの身体だったっけ?」

「それはわからないなぁ。今でこそだけど、あの頃って、はっきりと君の素肌を見ることはなかったじゃない。事故とは言うけど、お互いにチラチラ見えるって感じだった。まあ、下着姿とかは、日常茶飯事だったし、君が嫌がらなかったのが、今でも不思議でしょうがない。」

「まだ、好きな人へのアピールが、よく分からなかったしね。とりあえず、ちょっとでも裸を見せれば、もしかすると襲ってくるかもって気持ちもあったけど、どっちかと言えば、この人って、多分私を大切にしてくれてるから、絶対にエッチなことはしないとも思ってたんだ。私が初めてをあげるまで、セックスはしなかったもんね。それに、オトーサンは私を娘として見てたでしょ?だから、別に親に下着を見られるのは、当たり前なのかなって思ってた。本当は、家族にも見られたくないのが普通なんだってね。その辺は、恋人気分だったのかも。」

「どうかしてたのは確かだけどね。ショーツ1枚で、ノーブラにTシャツ。18歳の娘に、そんな格好を、最終的に認めちゃった僕も、やっぱり感覚が麻痺してたよ。」

「はいはい、感覚が麻痺したおばさんが入るわよ。なに、二人して、私の身体の話してるの?」

そういう自分も、最近はショーツ1枚、ノーブラにTシャツ。色々知ったからなのか、私への対抗心なのか。おばさんと言っても、18歳の女性だから、違和感がないのがまた。

「いや、この娘が、君の身体、筋肉質じゃないかって話をしてたんだよ。確かに、君の身体のラインは、18歳の少女というよりは、18歳のアスリートって感じ。綺麗だと思うのは、何も見てくれだけじゃなくて、本当に身体全体がそう見えるなって。」

「う~ん、自分で考えたこと、なかったんだけど、あの時以降、私もふと、耐久力とか、ボディバランスとか、筋力とかが、18歳の時代じゃないなと思ってるのよね。ほら、離れてホテルで一週間過ごした時、まあ、あんまり褒められたものじゃないんだけど、とにかく身体が、欲求に答え続けるのよね。恥ずかしい話、ホテルの部屋に入って、服を脱いで、ちょっとした晩酌をしたあと、お風呂に長い時間いて、ずっとシャワーを出しっぱなしにしたまま、自分の欲のままに、疼いた身体を慰めてたのよ。バレちゃったけど、道具を使ったり、普段とは違う感じでシャワーを当ててみたり、ずっと胸だけで感じてたりね。で、限界だと思って、明日の準備をして、ガウンを着て、ベッドに入ったら、また身体が疼いて、止まらなくなってしまってた。最初は、本当に欲求不満で、一気に発散してたのかと思ってたんだけど、それが毎日続いて、更には想いを募らせて、より敏感になってしまったけど、一向に収まることもないし、なんなら、会社を休んで、ホテルの部屋で、ずっと気持ちよくなっていたいとも考えてしまったのよ。それが水曜日かな。で、その夜にあなたたちと話をして、その日も発散して眠ったら、収まってたのよね。きっと、身体と心のバランスが取れなくなってたんだと思うんだけど、自分でも、それが出来てしまうだけの基礎体力があるってことを実感したのよ。だって、エッチなことをしたら、普通、心地良い疲れみたいなものがくるじゃない。あの時は、ずっと続けても、果てが見えなかった。」

「今の話を聞くと、僕が君を困らせてしまったこと、辱めてしまったことに、責任を感じる。本当にごめんなさい。」

「そういう話をしたかったわけじゃないの。きっと、私が君を思う気持ちに、本来なら身体はどこかでついていけなくなるはずだと思うの。だけど、私の場合、身体が疲れることを知らなかった。その時かな。あ、さすがに、トレーニングをもう少しゆるくしようって思ったのよね。私も、自分の身体の秘密がわかったしね。でも、今度は水泳なんか始めちゃってるし、やっぱり運動して、頭を空っぽにしたくなる欲求があるのよ。結果として、見た目は18歳だけど、底なしの体力と、ある程度の筋力を維持、あるいは18歳のときより強化されちゃって、衰えないままになってるのかもね。内蔵は年相応でも、身体能力は、おそらく18歳の時より上がってる。ランニング10キロに、今日もプールで1キロ近く泳いでるんだから、さすがに18歳のままとは言えないわね。」

「そっか。やっぱり、おねえちゃんの身体が綺麗なのは、運動を続けているからなんだね。私も、そんなふうになれるかな?」

「そうねぇ。特殊な体型の私が言うのはおかしいけど、今のあなたのメリハリボディは、まだ若いから維持出来てると考えるべきよね。でも、私にかろうじてついてこれる運動をほぼ毎日こなしてる。今やグラビアアイドルやセクシー女優ですら、ジムでトレーニングする時代だものね。あなたは、別に見られる職業でもないし、このまま一緒に運動していこう。それで、十分だと思う。まあ、胸のサイズが小さくなったり、いい形のお尻がどんどん引き締まっていったりするから、セックスアピール的にはちょっと考えるところはあるけど、あなたの食べっぷりを見てると、やっぱり一緒に運動していくほうが、少なくとも、今の体型を維持する、もしくは引き締めることになるわね。一緒に、頑張ろう。」

「うん、私も努力する。ね、私の彼氏さん。」

「無理はしないでね。人に合わせることより、自分で維持していくほうが、良い結果になる。つらい時に頑張ろうと思っても、パフォーマンスは低下したままだし、調子のいい時に切り上げて、疲れを残さないことも大切だよ。君の彼氏は、元気な君が好きだからね。」

「ねぇ、私には?」

「えっ、あなたは、どんなときでも好きだけど。ま、どうせ、今日も発散してたんだろ?さすがに、性欲が強すぎる奥様は、ちょっと勘弁して欲しいかな。」

「こんな格好してるし、そりゃばれるわよね。最近、本当に君が好きで慰めてるのか、それとも快感に溺れたいだけなのか、よくわからなくなってきてるのよね。」

「あなたにも無理はダメとは言うけどさ、正直、あなたの無理っていうのは、どういう状態なのか、よく分からない。僕以外の誰かにでも辱められたりしない限り、僕の奥様は強いままだと思う。無理というより、危険なことだったりはしないでね。今だって、自分の奥様が、会社の広報として、面前に出ているほうを心配してるよ。」

「ふふ、大丈夫。でも、気持ちはうれしい。ありがとう。あ、それと、水泳、これから頻繁にいくようにするんで、休みにでも、この娘と水着を何着か買いにいってくるね。」

「......それって、僕好み?二人に似合う?」

「う~ん、この娘の場合は、身体のサイズに合わせて、似合うものを買ってあげようかと。私は、もう少し本格的なものを選んでみようと思ってる。」

「ちゃんとお披露目してあげるから、安心してね。でも、エッチはしないからね。」



後日。

「まあ、そうは言ってるんだけどさ、あの人、私達のイメージで色を決めてたらしいのよ。私がブルー、アンタはピンクだったらしいんだけど、アンタの水着って、ネイビーとピンクのツートンになってるじゃない。アマゾンで注文した時、アンタのほうが高かったらしいわよ。」

「でも、サイズは合ってなかったと。まあ、採寸したわけでもないし、そんなもんじゃないの?」

「悔しいのよね。私は、サイズ的に全く問題ないのよ。ほら、締付がいいって言うけど、適度なサイズなんで、私の場合はそれほど食い込みもないし、ボディラインもそれほど変化はない。けど、アンタのあの姿を見るとね。なんか、押し込めてる感じもしちゃってるし、まして、もともと水泳するとも思ってなかったらしいのよねぇ。あの人のおねだりを聞いたとは言え、発端が、私の軽いノリだっただけに、アンタには迷惑かけちゃったよね。」

「なるほどなぁ。どおりで、アンダー付けたり、パット入れたりしたら、水着側が膨張しちゃうわけだよね。」

「でもさ、あの水着、アンタに似合ってる配色よね。私がブルーなのはよく分からないけど、あなたは若いし、ピンクを着ても許される雰囲気がある。さすがに一色だときついだろうけど、ツートンカラーは、シンプルで、アクセントになるしね。」

「その話、おねえちゃんは、本当は白なんだって。純真無垢なイメージがあるみたい。だけど、白だとコスプレになっちゃうし、カッコいいのを買ってあげると言った手前、色々イメージしたら、今のブルーになったんだって。空みたいに広いイメージがあるんだって。」

「まあ、私も白は好きだけど、よく言うわよね。あの人だって真っ白か、それこそ青空色みたいな人よ。掴みどころもないし、自由に生きてるのに、私達が気になっちゃう人。役得なのよね。でも、とりあえず私達の恋人が好む色はわかった。あとは、見た目だったり、着心地だったりよね。」

「やっぱり、スパッツ型とかのほうがいいのかなぁ。股間もしっかり隠れるし。」

「着替えが大変じゃない?あとは、そうねぇ、若いうちからエクササイズ水着というのもね。いいとは思うんだけど、その、アレよね。」

「ああ、そうだよね。スパッツもエクササイズ水着も、エロくないか。彼はそういうの、好きじゃないよね。」

「あの人は、私達に買ってくれたような、普通のワンピース水着みたいなのが好きなんでしょ?着せたり、脱がせたり、やっぱり変態だからこそ、シンプルがいいんじゃない。」

「困った性癖を持ってる人が恋人っていうのも、大っぴらに出来る訳ではないし、そもそもの始まりは私が面白半分でコスプレし始めたことだから、なんか巻き込んじゃった気がするよ。」

「あら、他人様には言えなくとも、私達がそれに快感を覚えてしまっているのも確かよ。正直、SMプレイとか、束縛プレイとかされたら、やっぱり付き合いきれないと思う。それに、見せて喜ぶ衣装だから、ある意味こっちも本格的に選ぼうって話になってるわけだし。」

「とはいえ、おねえちゃんは本気になると、なんかストイックになるよね。別に、ガチで大会に出ようとか思ってるわけじゃないんでしょ?」

「思ってないけど、トレーニングの効果を最大限に発揮させようとする場合、いいものを着用して、本気でトレーニングするのが基本でしょ?」

「......、ストイック過ぎるんだよなぁ。でも、それだからおねえちゃんの今の身体が出来上がってるわけだしね。私も、見習わないとだめかもね。」

「だけど、よくよく考えると、私達って、エッチした格好で、公衆の面前でトレーニングしてるってことになるわけよね。私も、見られることが快感なのかしらねぇ。」



おねえちゃんが連れって行ってくれたお店は、メーカーの直営店だった。こういうところなら、そのメーカーの水着は、全ておいてあるし、試着ももちろん出来る。店員さんも的確にアドバイスをくれる。それに、特に私は、この体型で、サイズが限られてしまうし、それに対して、最大限に選択肢を広げるということもあるみたい。ちなみに、おねえちゃんも私が買ってもらった水着を来てみたらしいけど、サイズがちょうどいいらしい。私が着ないなら使うって言ってるけど、それにしても、洗っているとはいえ、さすがに自分の体液が付いているものを渡すのも、いけない気がする。

「メーカーの専門店って、やっぱり雰囲気が違うわよね。やる気にさせてくれるというか、気合が入るというか。」

「言いたいことはなんとなく伝わるよ。でも、なんか私は気後れしちゃうな。」

「何言ってるのよ。私は1着しか買う気ないけど、アンタは3着ぐらい買って帰るのよ。似合うこともそうだけど、動きやすさとか、色々確認してみる箇所は多いわよ。さすが、ナイスバディよね。」

「そういえば、おねえちゃん、さすがにアンダーは持ってきてるんだよね?」

「さすがに用意してるわよ。そういうアンタは?試着にパットはないのよ?」

「あ、そうなのか。ま、いいや。別に試着するだけだし、浮いてきても、見られる人は限られるし。」


「そうそう、私はもう決めてる水着があるのよ。だから、試着してサイズを合わせるだけなのよ。」

「え、自分だけしっかり調べてるんだ。やっぱり、念入りだよね。」

「今の水着とそれほど変わらない感じのもの、あ、これこれ。」

そうやって手を伸ばした水着は、やっぱり青がベースで、黄色いアクセントの付いた、本格的な競泳水着だった。

「なんかカッコいいね。先に、試着してみたら?」

「そうね。アンタの水着を探すほうが、時間もかかるだろうし、私はこれでサイズを合わせてみるわ。あ、アンタも、ちょっと見てちょうだい。」

早速店員さんに声をかけ、試着室へ行った。即断即決しちゃうところが、なんか変に男前なんだよね。


「開けるわよ。ちょっと見て。」

試着室のカーテンを開き、選んだ水着を着たおねえちゃんが立っていた。

「う~ん、どうなんだろう。ちょっと緩い感じもするけど、アンタから見てどう思う?」

「いや、特に違和感はないけど。あ、すみません。ちょっと見てもらっていいですか?」

私は店員さんに声をかけて、見てもらうことにした。しかし、着映えするよなぁ。この前も思ったけど、引き締まった身体だからなのか、本格的な競泳水着を着ても、似合ってしまう。

「お似合いですし、特にきつい感じはなさそうですよね。本格的に水泳をやっているんですか?」

「最近はじめたばかりです。トレーニングはしてたんで、この娘曰く、水着が似合う体つきなんだそうで。」

「そうなんですね。てっきり水泳歴が長いのかと思いました。あ、でも、ちょっとお尻が緩い感じしますね。これ、Mサイズですよね。一つ小さいサイズでも大丈夫だと思います。お持ちしますね。」

「ありがとうございます。お願いします。」

店員さんが水着を取ってくる間、私はまじまじとおねえちゃんの水着姿を見る。

「なんか、ずるいよね。娘より似合うって。」

「そう言われてもねぇ。トレーニング歴の違いはあるわよ。でも、同じメーカーでも、生地の違いなのかしら。あの人に買ってもらった水着より、なんとなく緩い感じするのよね。」

「変なこというけど、締め付け、ちょっと癖になってるでしょ?」

「あ、わかる?泳ぐときには、身が引き締まるし、エッチするときは快感に感じるから、少し小さめでもいいのかもしれない。」

程なくして、店員さんがSサイズの同じ水着を持ってきてくれた。また、カーテンを閉めて、着替え始めるおねえちゃん。

「お姉様なんですか?見た目がそっくりだから、双子なのかと思いました。」

「よく言われます。でも、私はおねえちゃんほど、身体が引き締まってないので。」

「よろしければ、のちほど、水着選びをお手伝いしましょうか?」

「ぜひ、お願いします。私、いまいち自分のサイズがわからないもので、ちょっと困ってるんです。」

「分かりました。見た目で選んで頂いて大丈夫ですので、声をかけていただければ、サイズを用意しますね。」


「すみません、また、見てもらっていいですか?」

「どうぞ。」

試着室のカーテンが開いた。同じ水着を着ているはずだけど、なんというか、女性的な特徴が際立つ感じになってる。

さすがに押し込められて窮屈そうな胸、先端が浮いてる。腰回りのラインもきれいだし、昔でいうハイレグというやつなのだろうか。でも、それでもいやらしさはなく、キレイな女性のラインを形作ってる。なんか、カッコいい。この前も思ったけど、オトーサンがおねえちゃんの身体つきを好きになる理由がよく分かる。

「お尻はどうですか?」

「あ、ちょっと見ていただいていいですか?」

後ろを向いたおねえちゃん。背中もキレイだし、お尻は...う~ん、包まれてはいるけど、なんか動いたら、食い込んできそうな感じがする。だけど、食い込んだとしても、お尻の形がいいから、それほど気にならないと思う。

「身体のラインにピッタリフィットしてますけど、食い込んでる感じはありませんか?」

「多少はありますけど、さっきは緩い感じがしたので、こちらのほうがいいかな。私は、これにします。」

「ありがとうございます。それでは、着替えが終わりましたら、またお声がけください。」

カーテンを閉めて、着替えを始めたおねえちゃん。しかし、なんなんだろうな。トレーニング歴の違いというより、もはや体質の違いのような気がしてならない。私が仮に10年トレーニングしても、ああならない気がする。つくづく、神様はおねえちゃんに良い贈り物をしたと思ってしまう。



「はい、おまたせ。」

「なんか、おねえちゃんは本当にアスリートにでもなろうとしてるの?」

「え、そう見える?」

「だってさ、やっぱり、普段のカジュアルなおねえちゃんは、キレイじゃなくて可愛いほうだもんね。その気になれば、メイド服とか着ても似合うと思うんだよね。でも、脱いだら鍛えられてる身体だっていうギャップ。そりゃ、普段から可愛いとオトーサンに言われるよなぁって。」

「あら、彼はアンタの方を、ずっと可愛がってるわよ。私にいう可愛いは、いわゆるお世辞みたいなもの。反射的に出る一言。だから、具体的なことは何も言えないのよ。その点、娘という立場でありながら、自分の彼女でもあるというアンタには、親の愛情と、恋人の愛情を二重に注いでるようなものだから、饒舌にもなるでしょ?」

「そういうものなのかなぁ。ま、それより、今は私の水着を選ぶ番だね。と言ってもなあ、何を基準に選んだらいいんだろう。」

「そういう時は店員さんを捕まえて聞くのが一番よね。」


というわけで、さっきの店員さんに、またアドバイスをお願いした。

「妹さんのほうは、ご希望などがありますか?」

「えっと、動きやすいものが良いです。あと、やっぱりこんな体型なんで、身体を包んでくれるようなものが良いです。」

「それなら、お姉様とは違って、普通のトレーニング用のほうがいいと思います。こちらにありますよ。」

と、店員さんが連れてってくれる。しかし、競泳水着といえど、こんなにバリエーションがあるんだなぁ。私、普通の水着コーナーですら、多いと思うのに、すごいよね。

「そういえば、スパッツ型やハーフパンツ型はいかがですか?体型が犠牲になりませんよ。」

「なんか、服を着て泳いでいるみたいで苦手なんです。おねえちゃんと同じようなワンピース水着がいいです。」

「わかりました。そうすると、このあたりのコーナーですね。」

そこには、色々な柄の水着があった。トレーニング用というには、ちょっと派手な気もするけど。あ、スクール水着もある。これはこれで、彼は好きそうだけどね。

「随分カラフルなものが多いんですね。」

「トレーニング用なので、お姉様が選ばれたような、身体への負荷、フィット感はかなり少ないと思います。あと、大会などで使用することは出来なくなっています。」

「そうなんですね。私も1着ぐらい買おうかしら。」


その中で、私はチェック柄の可愛らしい水着を見つけた。私はまだこういうのを着ても許される年齢だろうか。

「あの、このチェック柄の水着、試着してみたいんですけど。」

「わかりました。サイズはどうします?」

「最初はMサイズでお願いします。適正なサイズがよくわかってないんです。」

「試着してみて、サイズが合わないときは、遠慮なくおっしゃってください。サイズを用意します。」

「では、試着したら、お声がけください。」

「あ、すみません。私も同じものを、Sサイズで試着、良いですか?」

「もちろん大丈夫です。ご用意しますね」

「あれ、おねえちゃんも同じの買うの?」

「なんか可愛いじゃない。それに、トレーニング用って何が違うのか、よくわからないし、一着ぐらいはね。」

「そっか。じゃあ、私は先に試着してみるね。」


試着室のカーテンを閉めた。

やっぱり、見えないとは言え、外で裸になるのは抵抗感があるけど、水着を着るんじゃ、しょうがないよね。

まずは上着。セーターと、ブラウスを脱ぎ、次に少し長めのスカートとストッキングを脱ぐ。鏡の前には、見慣れている自分の身体が映っているけど、なんか今日は変に色っぽい気がする。下着が上下ともピンクだけど、それがそう思わせるのかな?

まずはショーツを脱ぎ、水着用のアンダーショーツにはきかえる。昨日、はみ出したら嫌だったから、パイパンにしてきた。アンダーショーツって、Tバックみたいなものだから、私はなんとなくムズムズする。大切なところが、動いたら見えてしまいそうで嫌だ。

そして、水着を手に取った。ピンクと白のチェックの水着。単に可愛いと思って選んだけど、白い水着って透けたりするのかな?あ、しっかり下地がついてるから、大丈夫そう。そのまま腰まで上げていく。引っかかりはするけど、オトーサンが買ってくれた水着よりはずっと楽。魅力的だと言われるお尻も、しっかり包まれてる感じがする。あれ、アンダーショーツ、Tバックのやつで大丈夫だったかな。

胸の下まで水着を上げ、ブラを外す。そして、鏡の前の私を見てしまった。

自分で思うのもなんだけど、私のおっぱい、どうしてこんなに大きくなったんだろう。2年近くで、BカップからFカップ。栄養云々じゃないと思う。

「なんか、こんなに大きいおっぱい、やっぱり恥ずかしいよ。」

そう言いながら、胸を覆うように水着を上げ、肩紐を付ける。あ、ちゃんとサイドまで胸隠れるし、胸元もしっかり覆われてる。腕も回しやすい。これならいいかも。

振り返って、鏡を見てみる。うーん、お尻が大きいけど、その分くびれにメリハリがあって、水着を着てるとキレイに見える。裸でも彼はいやらしいと言っているが、私には水着を着ている方がよほどいやらしく見える。幸い、お尻はさっきの感覚通り、しっかり下まで覆われてる。前に向き直ったけど、下半身はあんまり食い込まないような感じ。それに、思ったより白い感じはなくて、私の選んだ赤のチェックのほうが目立つ。あ、乳首立ってきたけど、模様でよくわからない感じになってる。でも、いつもの競泳水着と違って、中にも二重に生地が付いてるから、肌触りはちょっと違う。この水着だと、エッチしてもあんまり感じないかも。って、何エッチのことばかり考えてるんだろう。

この水着なら、安心して水泳のトレーニングが出来る。これと同じサイズで、色違いを何色か買ってもらおう。いいよね、おねえちゃん。


「お願いします。」

私はカーテンを開けた。すでに着替えが済んでいるおねえちゃんと、店員さんが私を見た。

「あら、可愛い。似合ってる。その水着なら、程よい色気でいいわよ。」

「お似合いですね。可愛らしい感じで、体のラインもそれほど目立たない感じですね。」

「そうですか~。なんか、照れちゃうな。」

「体はキツくありませんか?例えば、腕が上げにくいとか。」

「う~ん、腰のあたりがピッタリしてますけど、その他は適度に余裕がある感じです。下着もこれぐらい楽だったいいんですけどね。」

「水着は下着じゃないのよ。それに、そんな形の下着、ボディスーツとか、補正下着になっちゃうわよ。」

そんなことを言っているおねえちゃん。同じ水着を着ているのに、チェック柄の目が細かく見える。私より細くて、やや筋肉質なのかもしれない。鍛えた小尻も、適度なボリュームの胸も、おねえちゃんの魅力を際立たせる要素。そこに、同じ水着を着られてしまうと、やっぱり自信がなくなるなぁ。

その時、店員さんが一言掛けてくれた。

「私がご案内したお客様で、この水着が一番似合ってると思いますよ。私もお客様のような体つきになってみたいと惚れ惚れします。」

「ありがとうございます。うん、少し自信がつきました。あとは、ちゃんと泳げるようになるといいんですけどね。」

知ってる人に褒められるのは、サービス込みかもしれないけど、こうやって知らない人に褒めてもらえる。私の体、やっぱり普通の人からみたら、羨ましく思えるんだ。

「見られて、ちょっと感じちゃってる?」

おねえちゃんにはバレてるな。でも、ちょうどいいや。

「そんなことないよ。あ、そうだ、この水着に合うパッドもつけてもらっていいですか?」

「大丈夫?なんか、胸が潰れてるように見えちゃうけど、苦しくない?」

「多分大丈夫だと思うけど、そんな感じに見える?」

「お客様の場合、胸のサイズを強引に押し込んでる感じはありますね。ちょうど合うパッドもありますから、そちらをご準備しますね。」

「せっかくだから、もう1サイズ大きいのも着てみたら?」

「う~ん、お尻はちょうどいいんだよね。だから、1サイズ大きいと、逆にゆるく感じちゃうかな。」

「今の状態で、胸が苦しくないのであれば、このサイズで問題ないと思いますよ。動きづらい感じもないんですよね?」

「はい、これでピッタリな気がします。もっと胸が大きくなった時は、また考えます。」

「ちょっと、財布は私なんだから、少しは気にしなさいよね。」



結局、おねえちゃんは2着、私は3着。その他、色々なものも一緒に買った。おねえちゃんは私のためと言って、こういう時には援助してくれるし、やっぱり母親なんだと実感する。でも、そんなことを言いつつも、自分でも私と同じ柄の水着を1着、そしてもう1着は本格的なレース用だ。おねえちゃんは形から入ることが多いけど、それでも難なくこなせてしまうあたり、やっぱり私とは違うのかな。きっと、私も続けていけば、おねえちゃんみたいにカッコいい体になれる。そう思ったほうが、気が楽だ。

「でも、良かったの?カラバリだけで3着って、面白くないと思うけど。」

そう、私は3着とも同じ水着。赤のチェック柄、青のチェック柄、緑のチェック柄にした。何より、この水着自体が気に入っているから、同じもので揃えたかったんだ。

「どうせおねえちゃんのことだもん、毎日とは言わないけど、週3日ぐらいは行くようになるし、それに、彼の相手もするんだったらね。」

「そう言えば、アンタに買ってくれた水着、私がもらっちゃっていいの?」

「だって、キツくて着られないもん。この前、おねえちゃんが試着した時、合わせたみたいにピッタリだったじゃん。」

「この歳でピンクのカッティングが入った水着ねぇ。ま、4枚あれば、エッチのあとのトレーニングも問題ないか。」

「エッチ目的で水着買ってるわけじゃないよね?」

「下手なおねだりでもしてくれば、私も鬼じゃないから、着てあげるわよ。でも、あの人の感性がやっぱりわからないのよね。水着を着てエッチすることって、男性はそんなに興奮するものなのかしらね?」

「彼の場合は、コスプレに興奮するんじゃない?あ、でも、その割に水着以外は買ってくれたことないね。コスプレの制服、私のバイト代で買ってるし。」

「......アンタもたいがいよね。現役のうちから、コスプレで女子高生の格好してるとか、やっぱりそういうところ、あの人に似てるのよねぇ。」


「しかし、アンタの水着姿見て、素直に可愛いと思ったのは、初めてだった。なんか、今まではいやらしさばっかり先行してたけど、年相応の水着を着ると、やっぱり可愛い娘なのよね。」

「そんなこと言ったら、おねえちゃんはいつもカッコいい水着姿だと思うけど。私も10年以上トレーニング続けたら、おねえちゃんみたいになれるかな?」

「続けられたら、私以上になれちゃうと思うわよ。運動体型で、胸もお尻も好まれるサイズ。全く、羨ましい素材よね。」

「でも、そんな姿を見せられるのは、彼一人なんだからね。絶対におねえちゃんに負けないもん。」

「あら、いつでもかかってきなさいな。それに、女同士、やっぱりライバルがいてこそ、綺麗になる価値があるわ。あ、可愛いのもありね。」

「おねえちゃんはいつまでも可愛いからずるいよなぁ。」

「アンタはどんどん大人の女性らしくなっていってるじゃない。それぐらいのハンデを貰ってもいいと思うわよ。」



さて、このあとなんだけど、家に帰って、オトーサン向けのファッションショー。

とは言え、おねえちゃんの反応はいいけど、私への反応は、やっぱり可愛いとしか思わなかったみたいだ。と言っても、さすがにエッチのために競泳水着を買うのもどうかと思うし、私は私で、コスプレ用の競泳水着をまた買えばいいかと思った。いや、思っちゃダメなんだ。どうせ、そのうちに彼が勝手にアマゾンで注文するのを待とう。


つくづく、私達の彼氏は、変な人だ。変な性癖なんだろう。

待っててね。私、もっとトレーニングして、君の自慢の彼女になる。どんな衣装を着ても、恥ずかしくないぐらいの体を手に入れるんだから。

......でも、彼、本当に恥ずかしい衣装ばっかり用意されても、それは困っちゃうな。どうすればいいんだろう。




つづく


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