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オールウェイズ  作者: 光牙飛鳥
全ての始まり 冒険の始まり 何かの終わり
9/100

山に登る2

一時間後、林の中を進んでいた馬車は、平らな道の終わる地点に辿り着いた。そこから先は狭い山道になっていて、人の歩く幅しかない。

二人は馬車を降り、道を見る。


「馬車はここまでが限界です」

「そーだな、それにしても随分助かった」


本来は林の外で降りる予定だった為、距離はかなり縮まった。

フィールは目の前の樹々の生い茂る山道を見て、登りにくそうな山だと感じた。

登るのに使う体力を考えると、少しでも楽が出来て良かったはずだ。


「本当にありがとうございました!」

「いえ、運ぶのが私達の仕事ですから」


もし歩いてここまで来たら、とてもやる気を無くしていた気がする。

本心からお礼を言うと、笑顔で返された。

すると、視界の端にこの大きな馬車を支える馬達が見えた。


「君達も、ありがとう」


襲われた上に、走りにくい林を頑張って走ってくれた彼らにもお礼を言い、振り向くとロキがいない。

置いて行かれたかと思い慌てるが、すぐに馬車の側面で何かをしているのが見えて、走り出しそうになった足に急ブレーキをかけた。

何かと思い近付くと、ロキは赤いチョークで馬車の外壁に何かを書いているではないか。


「ちょっ、何やってるんですか!?」

「まじない」


手を止めずにその一言だけ言い、書き続ける。

書いている字や図形を見ても何の事だかサッパリわからない。

一応『領域方陣』らしき形ではあるがまじないと言うよりは、子供の落書きのように見える。

隣りに来ていた馭者も、止める事もせずに驚いている。

いきなりこんな事をされたら誰でも驚くしかないだろう。

そんな事を思っていたらまじないとやらは書き終わったらしく、ロキは手に付いた粉を払っている。


「こ、これは…!」


声も出せずにいた馭者が叫ぶ。

当たり前だ、どんな人でも商売道具に落書きをされたら怒るはずだ。

…その上、このチョーク少し触ってもとれない、水でも中々落ち無そうだ。

わざわざ運んでくれたのに何故こんな事をするのか、と怒ろうかと思った瞬間。


「『セーフティスペース』の領域方陣!!」

…えっと?

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