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オールウェイズ  作者: 光牙飛鳥
全ての始まり 冒険の始まり 何かの終わり
14/100

出会い1

フィール達は少々の休憩を挟みつつも、結局一日半歩き続け、キマーナ南地区にあるギルドに辿り着いた時にはくたくたになっていた。

時刻は朝だろう、朝食を食べ始めた人達が見られる。


「疲れた…」


だがそんな人達を気にする気にもならないぐらい疲れたフィールは、丸机に突っ伏してしまった。

酒場も兼ねているだけあって机が少し酒臭いが、無視することにした。

そう、お腹が空いてしまっているのも忘れて――


グ~


…出来なかった。


「また盛大に鳴らしてんなぁ」


そう言いながら歩いて来たロキは、手に皿を乗っけて来た。

がばっ!と起き上がり皿を受け取る。

今日のメニューはカルボナーラと言うらしい。

麺が白っぽいソースと絡まっていて、一緒に乗っているベーコンも美味しそうだ。


「いただきます!」


帰ってそうそう座り込んだフィールを見ながらカウンターに向ったロキは、食べ物を注文していてくれたのだった。

流し込むかのようなスピードでカルボナーラを食べていると、突然怖い事に気がついた。


「あの…ロキさんの分は?と言うかお代って…」

「オレは後でいーや、代金は奢りさ」


仕事の報酬が貰えるのは受取人が来てからとの事なのでフィールにお金は無い。

奢ってもらった事には素直に感謝するとして、食事については気になる事がある。


「ありがとうございます。…でもロキさん昨日も食べて無いような気がするんですけど」


そう、フィールはロキが何かを食べるところをまだ見ていないのだった。

初日はフィールが寝てから食べた、とか起きる前に食べた、とかなのかと思っていたが昨日も見ていない。

歩き続けながらもパンはもらったが、食べている姿は見なかった。

いくらなんでも何も食べない旅人はいないだろう。


「あー…目茶苦茶少食なんだ」

「少食って域ですか?」


もしかしたら最初会った時から何も食べていないのだろうか。

そうだとしたらそれは拒食だろう、身体が持たない。


「大丈夫さ、ちゃんと後で食う」

「だったら今食べましょうよ」

「しょうがねぇなぁ…」


フォークを持ったまま睨み付けるようにすると、渋々とカウンターへ行く。

フィールにとっては食事は一番大切な事だ、それを一人でするのはつまらない。

大勢の方が楽しい筈だ、と思っている。

せっかくだからと食べるのを待っていると、ロキは皿を持って来た。

中身はパンケーキ、というかホットケーキ?と言う物のような…


「どーした?変な顔して」

「なんていうか…違和感と言いますか…」


イメージとしては、食事らしいものというか、甘い物で無くしょっぱい物を持って来るのかと思っていた。

今日まで一緒にいて、感じた事としては…


「似合わない」

「悪かったな」


失礼だとは思う、そんなのはわかっている。

それでも似合わない。

どうしてもホットケーキの見た目からは、魔物狩人として戦う、強い人のイメージはわかなかった。


「結構美味いぞ?」


座ってホットケーキを切る姿を見ながら、カルボナーラに再び手を伸ばす。

確かにきつね色に焼けたホットケーキは美味しそうだが、もし味見をしたらロキが食べる分が無くなるだろう。

そう思いながらカルボナーラを食べていると、あっという間に無くなってしまった。

美味しい物はすごい、時間の感覚を狂わせる何かがある。とフィールは本気で思っている。その証拠に周りの人がいなくなっていた。

ロキが食べているのを何となく眺めていると、突然ギルドの扉が勢い良く開いた。

その勢いに驚いていると、一人の少女が入って来た。

ツインテールにした髪の揺れで、彼女が急いで来た事が分かる。

ショートパンツに腰マントのような微妙なスカートもどきをつけているが、あれは走りやすくする為だろうか。


…ならスカートのようなひらひらを諦めれば良いのに

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