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あくまで怠惰な悪役貴族   作者: イコ
第二章

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ブフ家のケジメ

《Sideアカリ・マイド》


 シータゲ・ドスーベ・ブフがウチを誘拐したとき、もうウチはダーリンに会えへんくなるかもしれん。そう思ったんや……こんなところで終わりたない。


 でも、やっぱ恐いやん。死ぬんちゃうか……嫌なことされるんちゃうかって……せやけど……離れていてもダーリンはウチのことを守ってくれとった。


 私がもうダメやと思ったとき、見えない壁が現われてシータゲ・ドスーベ・ブフからウチを守ってくれた。


「なっ、なんですかこれは?!」

「えっ?」

「何をしたのですか!?まさか魔道具を仕込んでいたのか?!」


 そう言ってシータゲ・ドスーベ・ブフはウチから離れて行った。


 ウチは自分で魔導具を作るからわかる。


 今、ウチが付けている物で魔導具として機能するんはダーリンからもらった髪飾りだけや。ウチは縛られてない手で髪飾りを触った。

 魔力を発したからか、なんや温かい気がしてダーリンが守ってくれたことが嬉しかった。


 連れてこられてからがどれくらいの時間やったかわからへんけど。ダーリンが来てくれた。


 いつもやる気なさそうで……ボクの面倒をみろって言うてたのに……こういうときはちゃんと来てくれるんやね。


 全然状況はわからへんけど、シータゲ・ドスーベ・ブフの周りに手下がおらんくなったんわ……多分ダーリンが何かしたんや。


「はぁ~……やってみろよ」


 シータゲ・ドスーベ・ブフがウチを人質にしようとした。ダーリンは挑発してやってみろ言うんやで!ふふ、自信があるんやね。ええよ。ウチもダーリンの妻や、ダーリンのお荷物になるくらいならこの命捧げたる。


 ――キン!


 ダーリン!信じとったよ!!!


 シータゲ・ドスーベ・ブフが慌てた様子やったけど、急に態度が豹変した。


 大罪魔法?なんやそれ聞いたことないで……うちが知ってるのは無属性魔法と属性魔法だけや……ダーリン。あんたには何か秘密があるんか?


「さぁ、見なさい!これが大罪魔法《奴隷》魔法です。魔物すら従える我が力は、このダンジョンのボスである死霊王ディアスですら従える!!!」


 そう言ってシータゲ・ドスーベ・ブフが呼び出した魔物はアカンやつや……あの森ダンジョンで戦ったスライムもヤバい奴やったけど……こいつは死が隣りにおるように感じる。


 それやのにダーリンは一切恐れていないような顔をすんねん。


 ダンジョンボスやねんで!


 エリーナ様と、リベラと、ダンと、ウチが四人で戦っても勝てへんかったダンジョンボスやで。


 ダーリン一人で……それは呆気ない決着やった。ダーリンは何もしてへん。バルちゃんが切り刻んで終わり。

 あの死の象徴として見えてた魔物が一瞬で消えてもうた。なんやそれ!


「さて、帰るか」


 ダーリンはシータゲ・ドスーベ・ブフに何か魔法をかけたようやけど……あいつは死んでへん。ほったらかしにしてもええの?聞きたいことは山ほどあるけど……ウチは安心していつの間にかダーリンの首に腕を回して泣いてもうた。


 ダーリンと一緒に、バルちゃんに乗ってダンジョンを脱出してくれた。気持ちは落ち着いたけどもう少しロマンチックな場所で飛びたかったわ。


「お帰りなさいませ。主様」


 シロップ姉さんが入り口におって、他にも大勢の人たちが待ってた。


「来たね」


 ダーリンが声をかけると全員が膝をついて頭を下げはった。


「この度は我らが当主……いえ、家に属するシータゲが行った非礼の数々をお詫びさせて頂きます」


「「「「「「「お詫びさせて頂きます!!!!!」」」」」」」


 えええ~なんやのこれ!!!!


「謝る相手を間違えてない?」

「はっ!アカリ・マイド様!我々はブフ家の者でございます。今回の件は一切我々には知らぬこととは言えシータゲの行いは許されるものではありません。本当に申し訳ございませんでした」


 上位貴族の人たちが家族総出で、平民のウチに謝ってはる。こんなん逆にしんどいわ……ダーリン、人が悪いで……


「我が妻に狼藉を働いたんだ。お前たち全員に死罪を言い渡してもいいとボクは考えている」


 ええええ!!!ダーリン、なんや物凄いこと言うてはる。この人たちは悪くないのに全員殺すって……マジなん?


「それも止む無しと判断します」


 ええええ!!!貴族様って全然わからへん。

 なんでそれで納得出来てしまうん!


「ですが、一つだけ弁明を」

「……言ってみろ」

「現在、ブフ家はここに集まる者以外に血を引くのは、テスタ・ヒュガロ・デスクストス様に嫁いだサンドラしかおりません」


 ここにって結構な人が集まってはるよ。


 パッと見ただけでも100人以上はおるで……うん?綺麗な女の人が多い気がするんやけど……まさかあれかいな。この人らシータゲ・ドスーベ・ブフの奥様たち?確か98人おるとか言うてたな……


「我らは政治ではなく、長らく教会と関係を結んできました。ですが、シータゲとは違い清廉潔白であったため、シータゲに遠ざけられた者達です。ブフ家の伯爵位は長子である私、チーシン・ドスーベ・ブフが受け継ぎました」


 シータゲからこの落ち着いた雰囲気のお兄さんが生まれたとは思えへんわ。


「この命……アカリ・マイド様……引いてはリューク・ヒュガロ・デスクストス様に我がブフ家の力を使って頂きたく存じます!」


 なんなんやこれ……ダーリンはどう思てるん?


 ウチがダーリンの顔を見たら……ダーリンは……物凄い……めんどうそうな顔してた……あっ、やっぱりダーリンやわ。


 ウチは笑ってしもうた。


「めんどうだから、ボクらに迷惑がかからないように教会をまとめてくれればいいよ」

「命はよろしいのですか?」

「別に命なんてもらっても嬉しくないよ。それよりもアイリス姉様を聖女にしたんだ。責任は君たちが取ってくれるよね?」


 アイリス様が聖女?メッチャ似合うけど……性格はキツそうやな!!てか、そんなことさせといてダーリンは何もせえへんのかい!


「委細承知仕りました。リューク・ヒュガロ・デスクストス様の命により、これよりブフ家はアイリス・ヒュガロ・デスクストス様を聖女として、教会とともにアイリス・ヒュガロ・デスクストス様の後ろ盾となり、お支えしようと思います」


 なんやこれ?ウチの知らんとこで色々話が進んでるやん。


「うん。それでいいよ。ボクはもう疲れたからね。話はこれで終わり。あとは頼むね」

「神とリューク様に祈りを!!!!」

「「「「「神とリューク様に祈りを!!!!」」」」」


 神様と並んでもうてるやん、ダーリン!!!!


 どうも作者のイコです。


 第二章の前半終了です。

 後半戦はスタートは少し話を挟んで、二年次を開始していきます。

 出番が少なかった彼らの再登場をお楽しみください。


 フォロワー、星、いいねで応援いただければ、作者が喜びますのでw

 どうぞよろしくお願いします(๑>◡<๑)

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