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あくまで怠惰な悪役貴族   作者: イコ
第十一章

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《怠惰》VS《暴食》 

 ボクはゆっくりと深呼吸するように魔力吸収を行うが上手く吸いこめない。

 そもそも空気中の魔力が極端に少ないから、吸い込んでも魔力が集まらない。


「どうやらあなたも魔力を吸収する術を身につけているようですね」

「お前も魔力吸収を習得しているのか?」


 ボクが編み出したと思っていた能力をルピナスが使えるなら、魔王も同じことができると考えられる。


「あなたが習得しているものとは少し違いますねぇ。私は生まれながらに出来ていたという方が正しいでしょう」


 ルピナスは、魔王が生み出した魔獣だ。

 だから、魔王が元々持っていたのか、生み出す際に持たせたのか判断に困ってしまう。


 両手を広げて自信に満ち溢れた顔でこちらを見ているルピナス。

 確かに、今までとは別の生き物のように余裕すら感じられる。

 サイボーグルピナスと言っていたな。


 機神の意味はわからないが、どうやら遺跡の力を目覚めさせたということだろう。


「なんです? そんなにも私を見つめて、すぐに殺して欲しくなりましたか?」

「お前がボクを殺すことができるのか?」

「おや? あなたほどの実力者が気づいておられないのですか? 私は魔力を必要としません。この体は不思議なことで魔力がなくても、強さを手に入れられているのですよ」


 ルピナスが視界から消える。


「なっ!」

「どうしました? 私を追えていないのですか?」


 魔力を確かに感じない。

 咄嗟に防御して直撃を避けたが、ルピナスの攻撃についていけていない。

 このまま戦っても勝つことは難しいか? 体術で遅れをとることになるとはな。


 これがハエから進化した身体能力というわけか。


「バルニャン!」

「(^O^)/」


 ボクはバルニャンを纏って戦闘モードを取る。

 残念ながら、魔力は自分の物を使わなければいけないため、限界がある。

 ルピナスが魔力なしで、あの動きができるのならば、バルニャンを纏って互角と言ったところか?


「ほう、機神ではないあなたがまるでサイボーグですね」

「サイボーグではないさ。精々、鎧魔装という程度だろうな」

「鎧魔装ですか。ふふ、面白い手を隠しておられるのですね。ですが、それで果たしてあなたに勝ち目はありますか?」


 またもルピナスが消えるが、バルニャンが全方位を警戒してくれるので、位置は把握できる。

 ボクの動体視力では追うことは難しいが、戦い方はある。


「ぐっ! 何をしたのですか?」


 体の動きが鈍り、身動きとることもつらそうにするルピナス。

 ボクの視力が追いつかないなら、向こうにゆっくりになってもらうことを選んだ。

 

 怠惰を充満させて、相手の動きを緩慢にする。


「別に、貴様は大罪魔法を使えるのだろう? なら、わかるんじゃないか?」

「ええ、ええ、空腹感を感じなくなっていて忘れていましたよ。ワニ! 出てきなさい」


 サイボーグルピナスが声を上げれば、黄色に近い茶色いワニが現れる。


「マスターご用ですか?」

「あなたも戦いなさい。あなたが私の《暴食》なのでしょ?」

「承知しました。あの紫を食べればよろしいですか?」

「ええ、できるのならね」

「わかりました」


 それまで小さかったワニは、巨大な大口を開いてボクらを食べるために迫り来る。

 だが、ボクはすでに《怠惰》なクマを解き放っていた。


 相手にバフがかかったていたが、あの大口のワニが現れたことで、一気に飢餓感がボクを襲う。


 どうやらそれぞれの《大罪》は付随するデバフを相手に与える効果を持つようだ。


「くくく、いいですね。私も体がダルくなっていますが、あなたは私がずっと感じていた飢餓を味わうことになっているのでしょう」


 どうやらお互いに大罪魔法を使った弊害を受けて苦しむことになったようだ。


 だが、ボクは飢餓感を味わっているが、ルピナスは動きが遅くなっている。

 先ほどのように動きについていけないわけじゃないから、戦闘としてはこちらの方が戦いやすい。



「くっ、小賢しい真似をしますね。忌々しい」

「どうやら、お前とボクの相性はボクの方が有利なようだ」

「いいでしょう。認めてあげます。まだ私はこの力の全貌を理解していない。すぐにあなたにあったことは面倒ですが、避けなければいけなかったようですね」


 ルピナスも自分の不利を悟ったようだ。

 だが、飢餓感とは恐ろしい。

 ガリガリと魔力が消費している。


 どうやら体力や魔力など、本来必要なエネルギーが暴食によって、勝手に吸収されていくようだ。

 魔力吸収が使えないデスクストス領内では、ボクはフィールドの影響でかなり厳しい状況になりつつある。


「どうやら追ってくる力はあなたにもないようですね」

「悔しいが、貴様を捕まえるだけの力はないな」


 サイボーグルピナスは動きが緩慢になっているので、負けることはない。

 だが、どちらも大罪魔法の影響下では戦うことも厳しくなる。


「痛み分けというわけですね。また会いましょう《怠惰》」

「《暴食》の力は理解したぞ。次はない」


 ルピナスの姿が見えなくなると飢餓感がなくなり、魔力枯渇と、体力減退でかなりしんどい状態になっていた。バルニャンも魔力が乏しくバトルモードを維持できなくてクッションスタイルに戻ってしまう。


「ふぅ、とんでもないやつに成長したようだね」


 ボクは戦いたくないから、どうにかダンに退治してもらえることを祈ろうかな。

 戦うなら、物凄く面倒そうだ。

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