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あくまで怠惰な悪役貴族   作者: イコ
第十一章

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遺跡調査 終

 緊張しながらもテスタ兄さんとの話し合いをなんとか終えることができた。

 遺跡調査を認めてもらえたので、期間内で調査を終わらせられるかどうかだ。


 ボクはバルニャンと共に祭壇に戻てみると全員で一ヶ所に集まっていた。


「みんなどうしたの?」

「リューク様、お帰りなさい」

「ここに」


 リベラに出迎えてもらって、カスミに場所を譲ってもらう。

 ココロと、クロマが祭壇の前で座り込んでいる。


「何かあるのかい?」

「はい。この地に眠る者と書かれています。ココロ様が見つけてくれて」

「ここだけね。違和感があったの」


 他にも文字はたくさん書かれている。


 だけど、ココロにはここだけが別の文字とは違うように感じるそうだ。

 それをクロマが調査して、一文を読み解いた。

 リベラに視線を向ければ、首を横に振る。


 魔法的な検査では何も出なかったのだろう。


「それで、詳しくはなんて書いてあるんだ?」

「はい! 読みますね。ちょうど解析が終わったところなので。ここに魔王よりも危険な兵器を封印した。それは決して甦らせてはいけない物であり、甦らせれば最後世界は滅亡する」


 明らかに警告分であり、ボクはココロを見る。

 未来予想ではなく、今この言葉を聞いて何を感じるのか知りたかった。


「何も感じないの。怖くも、嫌な感じもしない。ただ、虚無だけが広がっている感じ」


 ココロでも感じとれないことであり、リベラが魔法では感知できない。


「クロマ、君はどう思う?」


 だからこそ、この場で魔法や直感、知識でどうにかする者ではなく。

 観察眼によって判断するクロマに意見を求めた。


 ボクの問いかけに対して、クロマは振り返って立ち上がる。

 その瞳は真剣であり、ボクとしても真面目に聞かなければならない。


「リューク様に問います」

「なんだい?」

「この封印を解くことは可能だと思います。ですが、それをしても本当に良いと思いますか?」

「それはつまりどういうことだい?」

「面倒ごとが起きる可能性があります。それも、普段の生活では直面しなくてもいいような」


 ボクはクロマの説明が理解しきれなかったので、黙って聞くことにした。


「多分、ここは古代の機械文明が封印した兵器があると思われます。それは現代に不必要な物で、味方にできれば、魔王を倒せる力になるかもしれません。ですが、もしも封印を解いた際に、その力を御しきれなければ、私たちが死ぬだけでなく、世界が滅びる恐れがあります。だって、魔王を倒せるほどの力なのですから」


 クロマの訴えたいことが理解できて、ボクは納得した。そして、心は決まっている。


「うん。なら封印を解くのはやめよう」

「えっ?」

「よろしいのですか?」

「いいの?」


 クロマ、リベラ、ココロがボクの発言に驚いた顔を見せる。


「ああ、問題ない。皆んなも知っていると思うけど、ボクは面倒なことが大嫌いなんだ。だから、面倒なことをわざわざしたいとは思えない。それに、ボクらが頼まれたのは遺跡の調査だ。クロマが古代文字を読めるようになってくれたこと。そして、ここに封印された兵器があることがわかれば、それでいい。あとはアイリスに報告書を提出して終わりだ」


 ボクの言葉に戸惑った顔を見せる三人だが、リベラが「クスッ」と笑みを作る。


「相変わらず、リューク様は怠惰なのですね」

「それがボクの本質だからね。そこだけは変わらないよ。アイリスが助けを求めた。それには応えてあげたい。そして、この場に必要な君たちと来ることができた。それだけボクは楽しい時間を過ごすことができた」


 正面に立っていたクロマの頭を撫でる。


「んん」


 ボクの手に身を委ねるクロマは少し顔を赤くして高揚させていた。


「クロマも自分の能力に気づけたんじゃないか?」

「はい。とても楽しいと思いました。もっと未知の探究をしたいです」

「うん、いいね。世界にはまだまだ探索がいるところがある。世界中を見に行こう。面倒なことは嫌いだけど、みんなで楽しくどこかに行くのは嫌いじゃないんだ」


 これまでもたくさんの冒険をしてきたからね。


 古代文字の読み方と、封印されている兵器があることをまとめた資料をアイリスに提出したことで、ボクたちはゆっくりとする時間を取ることにした。


「調査、ご苦労様ですの」


 ヒュガロの街に戻ったボクらを、視察から戻ってききていないテスタ兄さんの代わりに、アイリスが出迎えてくれた。


 それぞれの部屋を与えられて、ボクがお風呂に入っているとアイリスが入ってきた。


 絶世の美女というのはアイリスのことを言うのだと、改めて思うほどの美がタオル一枚で隠されている。


「ボクはあまり何もしていないけどね」

「それはいつものことではないですの?」

「はは、そうかも」

「リュークが動かなければいけない事態になれば相当に危険な状況ということですの」

「知っていたの?」

「カリンやノーラから、たくさんリュークの話を聞いていますの」


 アイリスにどんな風に伝わっているのか知らないけど、あまり心配はかけたくないね。


「帝国の戦争を終わらせたのも、表向きにはテスタ兄さんということになっているけれど、リュークが裏で動いていたんですの?」

「う〜ん、新たな帝国の女王はボクの大事な人だからね」

「妬けますの! 今日は逃しませんの」

 

 アイリスから魅力と色欲が漏れ出ているのではないかと思うほどの妖艶さで迫られた。


 断れるほどボクの理性は強靭ではないようだ。


 

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