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あくまで怠惰な悪役貴族   作者: イコ
第十一章

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遺跡調査 4

 クロマを連れてやってきた場所には、何かを祭るような台座と、社の後らしき石でで積まれた壁が存在した。


「ここには今まで一番多く古代文字が書かれています!」


 柱や、石に大量の古代文字が描かれていて、クロマのテンションはあがっている。

 今回は、リベラだけでなく、ココロやカスミにも同行してもらった。


 アイリスから手紙が届いて、テスタ兄さんが領地に入った知らせが来たからだ。

 もしも彼女たちを害することがあってはいけないと判断しての行動だった。


「リベラ、皆のことを頼んでもいいか?」

「お任せください。ですが、必ず帰ってきてくださいね」

「旦那様」

「ココロ?」

「一つだけ、今から旦那様と会う人と争ってはいけない」

「争ってはいけない?」

「うん。大いなる力を持つ人たちが争うことは、更なる災いを呼び寄せることに繋がってしまう。それに、旦那様や今から会う方にとって、この地は神聖な場所」


 ココロはいつもそうだ。


 たまに何かに乗り移られたように言葉を紡ぎ出す。

 

 それが巫女の力なのか、予言の力なのか、それはわからない。

 

 だけど、決してこの世界でココロの言葉を蔑ろにしてはいけない。


「わかったよ、ココロ。ありがとう。ボクは君の言葉を大事にする」


 そっとココロを抱きしめる。


 リベラを、カスミを抱きしめて、真剣に取り組むクロマを後ろから抱きしめた。


「リューク様?」

「クロマ、君に調査のリーダーを任せたい」

「えっ?」

「ボクは少し席を外す必要があってね。リベラには魔法の調査を、ココロとカスミには君の助手を任せるつもりだ。どうだい?」

「わっ、わかりました。確かに、ここにある古代文字は私一人では全て書き写すことは難しいので」

「よし、ならボクは席を外すけど、調査の方は続けるんだよ」


 ボクの言葉にクロマが振り向いて、ギュっと抱きしめ返してきた。


「リューク様もどうかご無事で!」

「ありがとう!」


 クロマは聡い子だ。


 悟らせないようにしていても、ボクの動揺を理解している。


「行ってくるよ」

「はい!」


 ボクは妻たちに別れを告げて、バルニャンと共に森の入り口へと向かう。


 そこには10頭ほどの馬に乗った騎士を連れて、テスタ兄さんがこちらに向かってきていた。


 ボクが降り立つとテスタ兄さんが馬を止める。


「リューク。久しぶりだな」

「テスタ兄さん。お久しぶりです」


 大人になって会うのは正直初めてだ。

 アレシダス王立学園に通っていた際に、テスタ兄さんが婚約発表を行った船上パーティー以来な気がする。


 それ以外ではテスタ兄さんと会う機会はこれまでなかった。


「それで? ここで何をしている?」

「アイリス姉さんに頼まれて調査をしていました」

「調査?」


 相変わらずの無表情ではあるが、その瞳が今までは違うように感じられる。

 いつもは嫉妬を込めたような、暗くどんよりと光を映さない瞳をしていた。

 

 だけど、今のテスタ兄さんは、瞳に光があり、こちらに向ける視線も何を考えているのかわからないというよりも、思案していることがわかる。


「はい。古代文字を多く発見したので、古代文字の解析を行なっています」

「……そうか。何か発見はありそうか?」

「ボクが連れてきた仲間が古代文字の解析を途中まで行えています。現在は、祭壇のような場所を見つけたのでそちらの解析を行なっています」


 いつもテスタ兄さんと会う時は緊張感があった。

 だけど、今のテスタ兄さんからは緊張からよりも、こちらの話を聞くような余裕が感じられる。


「ふむ、わかった。リュークよ!」

「はい!」

「大きくなったな。よかろう猶予を与える。我はデスクストス領の視察を行う。だいたい一ヶ月のほどの期間だ。その間に見事解き明かしてみよ」

「解き明かせない時には?」

「さぁな。その時に考えるとしよう。デスクストス公爵として、貴様の調査を認めてやる」


 テスタ兄さんが馬の向きを変えて走り出す。


 ボクはテスタ兄さんが去っていく姿を見つめながら、いいようもない緊張を勝手に感じていたんだと知ることになる。


「はは、兄さんが昔よりも一皮剥けて、強くなっていたな。ボクは覚醒して限界突破したはずなのに。天王と対峙した時よりも緊張したぞ。あれが、本来ゲームのラスボスとしてダンが倒すべき人物か。魔王を除けば人類最強はテスタ兄さんに間違い無いだろうな」


 大罪魔法を所持しているだけじゃない。


 テスタ兄さんは独自の方法で、限界突破をしていると考えられる。


 つまり、ボクと対等なレベルと立場で会話ができているということだ。


 そんな人物が今の世界に《《二人》》もいると思わなかった。


 一人は魔王だが、もう一人が身内の兄だったとは……。


 ユーシュン王がテスタ兄さんに実権の渡したとも聞いている。

 エリーナの存在が王族ではなくなるなら、そろそろ迎えに行ってもいいかもしれないな。


「ふぅ、まだまだやらなければいけないことは山ほどありそうだ」


 まずは、クロマと古代文字を解き明かす。

 その後に、テスタ兄さんが何を考えているのか知って、平和な生活手に入れないとな。


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