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あくまで怠惰な悪役貴族   作者: イコ
第十一章

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遺跡調査 3

 クロマの見解は面白い。


 だが、クロマが取り掛かった解析は、どうしても時間と根気が必要になる。

 心配ではあるが、彼女の根気が続く限りは付き合ってあげたい。


 そのための時間はボクが確保すればいい。


 村で借りた屋敷は意外に快適で、リベラやココロと過ごす時間も楽しい。

 カスミが入れてくれた緑茶はクウが入れてくれる紅茶と味わいが違って、それはそれで幸せな気分にしてくれる。


「ふぅ、緑茶って落ち着くね」

「そう言っていただけると嬉しいです。カリン様にもち粉ももらっているので、お団子も作ってみました」


 カスミはメイの給仕として色々な技術を習得しており、意外にも家庭的な一面を強く持っていた。

 そして彼女が面白いところは着物を着ているのだが、ボクと二人きりになると。


「チラ」


 様子を伺うように着物の裾をチラチラと捲っては生足をボクへ見せてくる。

 誘っているのだと思うんだけど、動きが面白くてつい見てしまう。


「リュッ、リューク様」


 自分が我慢できなくてなると、先に声をかけてくる。


「うん? どうしたの?」

「ムラムラ致しませんか?」


 彼女は積極的なタイプで、他の妻たちと違ってそっちに対して興味が強い。

 それは別に悪いことではないので、たまに誘いに乗って相手をしてあげると凄く喜ぶ。


「ああ!!! リューク様!!! 素敵です!!!」


 幸せそうな顔をしてくれるんだけど、カスミが家事全般では家を支えてくれる要でもあるので、身動きができなくなると後で色々と大変なことになる。


「ほどほどにしてください」


 リベラに怒られてしまった。



「解析できました!」


 クロマが一部ではあるが、古代文字を解き明かして扉の文字や警告的な文章を読み解いた。完全ではないが、解き明かすきっかけさえ掴めば、彼女の研究は進んでいくだろう。


 ボクの方でもミニミニバルニャン部隊が、森全体のマップが完成したことを告げてくれた。


「祭壇ですか?」

「ああ。どうやら儀式的なことを行なっていた場所を見つけたみたいなんだよね」


 ボクの言葉にリベラが首を傾げる。

 森の一部に遺跡と関係しているのかわからないが、祭壇らしき場所を見つけた。

 そこにクロマを連れていけば、古代文字を解析して道が開けるかもしれない。


「明日はそこに行かれるのですか?」

「ああ、そろそろテスタ兄さんがやってくるだろう。その前に決着をつけたい。無理な時は一度テスタ兄さんの会いにいく必要があるだろうね」


 遺跡の調査を止められる恐れもある。

 正直、どんな反応をされるのか、一番わからない人物だ。


「クロマには言わなくても良かったのですか?」

「楽しそうに謎解きをしているクロマの邪魔をするのは可哀想だろ?」

「ふふ、お優しいのですね。いいえ、元々リュークは優しかったですね」


 今後の方針を話しながらリベラと酒を飲み交わす。

 ボクはあまり得意ではないけれど、リベラは研究の合間に寝れない時はホットワインを飲むようになったそうだ。


「この味にはなかなかなれないけど、チーズと一緒に食べると香りが消えて美味しいね」

「私はナッツと一緒にいつも飲んでいます。他の物よりもあっさりしていていいんですよ」


 いつもとは違うネグリジェにメガネ姿のリベラは、大人っぽい雰囲気を出すようになった。お酒の力を借りているのもあるだろうが、色っぽさが加わった。


「君と二人でこうやって過ごすのは一年次アレシダス学園以来だね」


 リンシャンに敗北したリベラを慰めたのが懐かしい。

 リベラと二人で過ごすことはほとんどなかったので、今回の旅で二人になれる時間は貴重かもしれない。


「ふふ、あの頃は私はリューク様に憧れていて、恋に恋していました」

「そうだったのかい?」

「はい。カリン様という婚約者がいましたから叶わない恋だと思っておりました。私など見向きもしてもらえないだろうと思っていたのです」


 穏やかな夜の星が見えるテラスで、昔を思い出す。


 リベラには今までも多くことでサポートとしてもらってきた。

 それはボクがいない間のサポートも含めば数え切れないだろう。


「そんなことはないよ。君はアレシダス学園に入った時、ボクにとって最初から味方と呼べる人だった。それは悪人だと言われたデスクストス公爵家のボクにとって心強った。リンシャンやダンは酷かったからな」

「ふふ、そうですね。最初はあの二人から決闘をけしかけられるところから学園生活が始まりましたからね」


 こうやって学園生活から話ができる対等な人材は、リベラだけなのかもしれない。

 リンシャンとは、敵対同士だった。

 アカリは商人として、ルビーやミリルはボクのメイドとして従者のようだった。

 エリーナやシーラスは、その頃にはあまり会話もしていない。


 リベラだけが、最初からボクと同じ貴族として、様々なことを教えてくれて対等だったのかもしれない。


「君がボクの側にずっといてくれて嬉しいよ」

「ふふ、なんです? ワインで酔ってしまいましたか?」

「そうかもしれないね。そろそろ体が冷えてきた。君が温めてくれるんだろ?」

「リューク様は甘えたですね。もちろん、今日は私があなたを甘やかしてあげます。たっぷり楽しませて寝かせつけてあげますからね」


 ボクはリベラにキスをして、彼女の腰に腕を回して部屋へと入っていく。

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