表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あくまで怠惰な悪役貴族   作者: イコ
第十一章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

453/503

遺跡調査 1

 僕らは領都ヒュガロから南に進んだ森の中で、アイリスが見つけたという遺跡の調査を開始していた。


 遺跡は古く、森と一体化している。

 どれくらいの年数で作られたのか想像もつかない。


「リューク様。これは古代文字ですね。我々が使っていない時代の文字なので読むことができません」

「古代文字か」


 ゲームの中でも古代文字は度々出てきていたが、意味がない文字として使われていた。ここでも読むことができないので結局意味はわからない。


 魔物の出現率はそこまで高くはないが、アイアンゴーレムのような機械的な魔物がたまに現れる。


 それも強さ的には、ボクからすれば問題ないレベルなので、半径200メートルまでは、ヒロインたちが動き回っても対応ができる程度にボクの魔法範囲も大きくなった。


「旦那様〜、ここ何か変」


 ココロの声に応じて、全員がココロの近くへと集合する。


「ココロ、よく気づいたね。偉いぞ」

「旦那様の役に立てた?」

「ああ、ココロの直感や気づきは、役に立っているよ。もちろん、側にいてくれるだけで癒しだ」


 ボクはココロを優しく抱き上げて、バルニャンの上に寝かせてあげる。

 代わりに、ボクは集まってきた二人に声をかける。

 

「また、古代文字だな」

「はい。ここも魔法的な要因は少ないので、この遺跡は機械時代に作られたものと考えられます」


 機械時代は、魔法が発展する前の時代で、機械人という歴史に名を残すだけの種族がいたそうだ。

 ボクは全く知らなかったけど、古い文献にはそういうものがあるとリベラが教えてくれた。


 だが、リベラは魔法的なことには詳しいのだが、機械人の時代まで遡って知識を持っていはいない。

 そのため古代語まで翻訳はできないという。


「クロマ、どうだい?」

「ちょっと待ってくださいねぇ〜」


 クロマは先ほどから古代語をメモして記録していっている。

 法則性のような物を探しているのだろう。


 本来のゲームでは怪盗をしていたクロマは、《変身》の属性魔法や観察力だけでなく、未知の謎を解き明かす、解析力も凄い。

 そうでなければ貴族の家に入って金庫を破ることも、捕まらずに逃げ仰ることもできないのだろう。


 古代語の解析は、クロマに任せるしかない。


 時間はかかってしまうだろうが、今回は彼女が頼りだ。


 ボクはバルニャンに乗ったまま遺跡を包み込む森全体をミニミニバルニャンでマップ作りをして、リベラが魔法的な観点から色々と調べを進めてくれている。


 ココロは思うように進んでもらうことで、ボクたちでは見つけにくい物を見つけてくれている。


 遺跡の調査を始めて一週間が経つので、ヒュガロに戻るのも面倒になり。

 近くの村で空き家を借りることにした。


 借りた当初は使われていない屋敷だったので、全員で掃除をして、カスミとクロマが中心に家事仕事をしてくれている。

 元々、カスミは忍者として仕事をする傍らで、メイの従者としてメイドのようなことをしていたので、得意分野だった。


 クロマもアンナによって色々と経験を積んだので、家事仕事ができる。

 ココロも最近は子供を産んで、子供のために色々とやりたいとカスミに家事を教えてもらっているところなので、手伝いをしている。


 リベラやボクは、研究肌なので、研究を始めてしまうとズボラになってしまいやすい。ボクは元々怠惰なので、全然したくないが、リベラは多少は自分で自分のことができるようだ。


「クロマ、大変じゃないかい?」


 家事に古代語の解析にと、今回はクロマが一番働いてくれている。

 だから、声をかけるとクロマの顔は生き生きとしていた。


「リューク様、自分でも不思議なんですけど、凄く楽しいんです」

「楽しい?」

「はい。元々私は他の人たちと違って才能があったわけでも、家柄が良い訳でもないです。ですから、エリーナ様のそばでメイド仕事を学びました。アレシダス学園に行ったのも勉強して、自分のしたいことを見つけるためでした」


 クロマという女性は、ゲームでも後半に出てくるお助けキャラで、攻略難易度も高い。だからこそ、裏事情はあまり知られていない。


「だけど、リューク様のそばで新しい出来事を経験するたびに心が躍って、楽しいんです。それに謎を解くって面白いですね」


 キラキラとした瞳で、ボクを見上げるクロマはとても輝いて見える。


「それはよかった。ここだけじゃない。世界中に謎に包まれた場所があるんだ」

「そうなんですか?」

「ああ、教国が立てられたアクアリーフの底には沈んでいる都市があるという。皇国の大滝の裏にも空洞になったダンジョンがあり。帝国にある氷壁の向こうには、誰も辿りついたことのない世界が広がっていうという」


 ボクが世界の謎だと言われる話をするだけで、クロマの瞳はさらにキラキラと光出した。


「この遺跡調査が終わったら、行ってみるかい?」

「良いのですか?」

「ああ、みんなと色々なところに行きたいからね」

「楽しみです! 皆さんいい人ばかりで、能力もあるので一緒に行けたら助かります」

「どの旅でも、クロマが頼りだ」

「えっ?」

「君の観察眼と解析力、それに行動力が未知を切り開いてくれる」


 今回の遺跡調査にクロマを連れてきて本当によかったと思える。


「嬉しいです」

「えっ?」


 クロマを見ると涙を浮かべていた。


「私は自分には何もできないと思ってきたので、リューク様が私のできることを見つけてくれたんです」


 彼女の力は怪盗という形で使われることになるが、本来はこういう考古学的な調査に使われた方が良かったのかもしれない。


 ボクはギュッとクロマを抱きしめた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ