表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あくまで怠惰な悪役貴族   作者: イコ
第十章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

441/484

天魔対戦 23

 タシテ君の活躍で、どうやらあちらは決着をつけた。

 

 ボクは親友の活躍に気分をよくしてしまう。


「何を笑っておる小童!」

「あなたはいちいちうるさいね。作り物としての言葉しか言えないくせに」

「訳のわからぬことを!」


 アフロディーテ呼ばれた女が、大きな口を開けて叫ぶと女の体は異形の化け物へと変化していく。


 ナーガのような下半身が蛇になり、千を超える腕が上半身から生えて、三つの顔をもつ化け物へと進化ていく。


 それは神獣に近いようで、より化け物となった異形のボス。


 ボクはこいつを知っている。


 塔のダンジョンを攻略した理由であり、本来神の裁きとして、ゲーム世界を滅ぼす神の使者。


 それがこの異形のボスだ。


「おお! 美しい。我愛しのアフロディーテよ。お前こそが女神に相違ない」


 天王が恍惚とした表情で、アフロディーテを見上げる姿は老人が、バケモノにすり寄る異常な光景だ。


「リューク。頼みがある」

「なんだい。ジュリア?」

「兄上、いや、大天使レミエルの相手を私にさせてほしい」

「君一人で?」

「そうだ。彼は文官として帝国を支え、シド宰相に導かれて聖なる武器の守護者になったと思っていた。だが、最初から家族ではなかったのは、レミエルの方だったのだ」

「それが許せないと?」

「いや、逆だ。家族だと思っていたからこそ、私の手で終わらせてやりたい」


 彼女の瞳は決意に満ち溢れていた。


「わかったよ。だけど、約束だ。絶対に死ぬな。傷を負ったら、必ずここに戻ってこい」

「約束しよう」


 ジュリアのブーツが魔力を放って大天使レミエルを蹴り飛ばす。


「むっ! 息子と戦うのはあの女か、まぁいいだろう。一人一人殺していってやろう。貴様の仲間たちはすでに体力を消耗して力尽きようとしている。それに対して、私は万の天使族を呼び出せるDMPを保有しておるからな」

「そうか、万も呼べるのか、凄いな」

「くくく、この女神アフロディーテに加え、万の天使軍を相手に貴様は敗北するのだ!」


 天王が宣言した通り、レミエルとキーロを除く大天使五人の復活と万の軍勢が呼び出される。


「見てみるがいい! 貴様を殺すため全てのDMPを使って全ての軍勢を呼び出してやったぞ! これで貴様の滅亡は決まったも同然だ!」


 天王の勝ち誇った声が、耳をつく。


「シェリフ。深海ダンジョン特別魔導砲準備!!!」


 ボクはもう一発分の特別魔導砲の魔力を装填しておいた発射を命じる。


 ミニバルニャンが援護について放たれることで、照準は乱れが生じてしまうが、これだけの天使族がいれば、どこに打っても問題ない。


「発射!!!」


 ボクの声に応えるように特別魔導砲から高出力エネルギーが解き放たれる。


「なっ! なんじゃと!」

「お前は兵士にばかり意識を向けすぎなんじゃないのか? トラップや特殊な道具。兵士を使う戦術。戦略シミュレーションゲームとは、それらを駆使して戦うゲームのことを言うんだ。それなのにお前がやっているのは、ただの強いコマを並べただけのゴリ押しだ。全く美しくない。そして、弱い」


 一万の軍勢が全て、やられたと言うわけじゃない。


 ただ、大天使は復活してすぐに五匹を全て焼き払った。


「ミソラ、ユヅキ、竜人族を持って天使を殲滅しろ! ソレイユ、ゼファー、レベッカ。ミソラの援護だ」


 ボクはスケルトン兵と竜人族の混合部隊で残された天使族の相手をさせる。


 数では圧倒的にボクが有利であり、奴が宣言した通りDMPはすでに底をついた。


 こちらも多く残っているわけではないが、使い所は決めている。


「さぁ、残っているのは神獣と、そこにいる化け物だけだ」


 ボクが女神アフロディーテを指差せば、天王の体が震え出す。


「アフロディーテを侮辱したこと、そして、我を弱いと言ったこと後悔させてやろう」


 それまでヨボヨボだった天王の体に魔力が満ち溢れ、体はだんだんと若返っていく。燃えるような煌めくを放つ神に、筋骨隆々な男神を思わせる出立。


 そこにはヨボヨボで頼りない老人は姿を消して、圧倒的な力と存在感を放つ天王がいた。


「この姿は魔王との戦いまで見せるつもりはなかったが、愚かなる通人族よ。光栄に思うがいい。我は天を統べる神の代行者なり。天王オーディアヌスなり。もうよい。地上など滅びてしまえ。天よ我に力を与えん《太陽》の属性魔法よ」


 天は太陽を指す言葉であり、天王オーディアヌスの姿こそ、女神アフロディーテと並ぶ裏ボスだ。


「つくづくボクは自分がやらなくても良いと思っていた奴と戦わないいけない運命なんだろうな」


 ふと、ダンの姿を見る。


 本来であれば、ダンが数々の女性と絆を結んで、それが試される裏ボスを、ボクが相手にするなんて皮肉な話だ。


「滅びの時間だ。《太陽》よ」

「滅ぶのはお前だよ。《怠惰》よ」


 ボクの前にクマが出現する。


 力の存在で言えば、あちらの方が上だ。


 だから、ボクはエリーナとティアを抱きしめる


「エリーナ。君の魔力で太陽を抑え込んでほしい」

「リュークのためならば《氷》よ」

「ティア、ボクとエリーナの強化を」

「承知しました。《聖》なる力よ」


 まだ足りない。


 ボクは全てのヒロインに気持ちを届ける。


「みんなの想いと、絆をボクに!」


 これまでボクが結んできたヒロインたちの想いと魔力が、絆となって太陽を押し返す。


「バルニャン!!!」


 神獣と戦っていたバルニャンを呼べば、バルニャンは相手の神獣を太陽へ押し付けてくれる。


「なっ! 我が神獣を! 許さぬぞ」


 麒麟を撃ち抜く天王。


 神獣たちの衝突で太陽は消滅して、圧倒的な魔力が霧散する。


 バルニャンは麒麟と共に消滅してしまう。


 だが、ここはダンジョンだ。


「DMPにより神獣麒麟、バルニャンをリポップする」


 ダンジョンの中でならば、何度でも甦らせることができる。


「バルニャン。ボクの元へ」


 麒麟の雷鳴が、天王を攻撃して、バルニャンがボクに装備されて、ボクは完全武装で天王の前に立った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ