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あくまで怠惰な悪役貴族   作者: イコ
第十章

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天魔対戦 17

 帝国ダンジョンと地下迷宮ダンジョンの境目をウリエルに破壊されて、その場にいたスケルトン五万と、天使たちも全てが消滅していた。


 残ったのは、槍の攻撃を察知していた

 巨人の天使キーロだけだ。


「お兄様」


 ウリエル、イシュタロスナイツ第一位アウグスを見上げてジュリアが覚悟を決めた目をする。


「私が……」

「ジュリア、ストップだ」

「えっ」

「戦略を駆使して戦うことを向こうがパワープレイで破壊した。なら、こっちもパワープレイで相手をする。リベラ、ミリル」

「はい! リューク様」

「お任せください」


 ボクは深海ダンジョンに配置した二人へ声をかける。


「敵の攻撃出力と、性質を分析は完了しています」

「こちらも発射までの時間と、範囲は完璧です」


 秀才コンビが、ウリエルの攻撃を分析して解析データを知らせてくれる。


「光の性質を持っていて、魔に対して絶対的な破邪の力を持つわけだ。龍人族でも攻撃を受けた者がいるが、それほどのダメージを負っていない」


 デストロイと言われ《破壊》の力を想像したが、どうやら天使族になって性質と技だけを真似たようだな。


「シェルフ、ルビー、あれは用意できているか?」

「くくく、海王様! 当然ではありませぬか、わらわを誰だと思っておるのですか?」


 あ〜相変わらずウザい。


「ルビー」

「大丈夫にゃ。あとはリュークが撃ってくれたら問題ないにゃ!」


 やっぱりシェルフだけでなく、ルビーも配置しておいてよかった。


 ボクは玉座から立ち上がって深海ダンジョンへ転移する。


「どうした小童! 貴様の実力はこんなものか? たった一撃で滅んでしまうなど脆いにも程があるぞ」


 天王がこちらの地下迷宮を占拠できたことで、気分がよさそうにこちらを煽り始めている。


「もう少し引きつけたい。ユズキ、龍人族を連れて奴らを釣ってきて」

「承知しました。旦那様」

「私も協力するにゃ」


 身軽なルビーと、忍びであるユズキが、天使たちを挑発して、さらにこちらへ入り込ませる。


 ジュリアとの戦闘で数を減らしていた天使たちは天王がDMPを使って、一万に膨れ上がらせている。



 調子に乗って勝負を決めに来たな。

 あちらがしたことをやり返す。


「海王様! 来ましたぞ! はっ、早く早く!」


 ウザい。


「深海ダンジョン特別魔導砲発射準備」


 ボクが命令すると、バルが特別魔導砲へ取り憑いて準備を完了させる。


「発射!!!」


 ボクの声に応えるように特別魔導砲から高出力エネルギーが解き放たれる。


「デストロイ!」


 ウリエルはこちらの攻撃に対抗するように、高出力魔法を放つが、特別魔導砲から放たれた魔力量に圧倒されて飲み込まれる。


 地下迷宮ダンジョンへ進軍を開始した天使族一万の軍勢とともに一瞬で消滅した。


「兄様」


 ジュリアを含めた四名は帝国式の敬礼でウリエルの最後に敬意を表す。

 天王が生きている限りは、何度でもリポップしてくるが、それでも大天使を甦らせるにはDMPの消費は激しいはずだ。


 いくらダンジョンレベル9だったとしても消費の激しい駒ばかり召喚していては減少が大きくなる。


 ボクよりもDMPが多かろうと、消費速度がボクの十倍、百倍の速度で使っていれば、減る速度はあちらの方が多くなる。


「よくも! よくも我が眷属の半分を失わせたな。貴様は万死に値する。貴様の魂と肉体を再利用して使ってやろうと思っていたが、もう許さぬ。未来永劫、死ぬことも許されぬ牢獄へ閉じ込められるがいい。出よ我が神獣!!! アバロン!!!」


 天王が怒りに震えて、両手を空へと翳せば、真っ白な羽を生やした巨大な生き物が空から舞い降りた。

 太陽を背負ったその生き物は、翼を広げて、神々しい白き蛇に白い羽が生えている。


「アバロンよ。我にあだなす者達を葬り去れ。世界を破壊するのだ!」


 白い蛇の周りに魔法陣がいくつも浮かび上がって、高エネルギー魔法が集約していく。


「破壊の神獣アバロンよ。全てを終わらせてやれ」


 天王は戦いの終結を告げる命令を下す。


「終わりだ。手を伸ばせし哀れな通人族よ」


 天王が腕を振り下ろせば、ダンジョンが消滅する。


 本当に?


「我が神獣、麒麟オウキよ! 参れ!」


 ボクはヒナタに預けたオウキを召喚する。


「ヒヒーン!!!」


 ボクの呼びかけに応じたオウキが現れる。


「バルニャン、協力してあれを相手にしろ」

「(^O^)/」

「ブルル」


 オウキがボクへ顔を擦り付け、バルニャンがオウキの鎧となって装備される。


「いくがいい。神獣の強さを見せてくれ」

「ヒヒーン!!!」


 雷鳴と共に空翔けるオウキは、正面からアバロンへ突撃を仕掛けた。


「ふん、バカが。聖獣如きに何ができる」

「天王、バカはお前だ。誰が聖獣だと言った? ボクはオウキを神獣として呼んだのだ。今のオウキは本来の存在よりも格が違う。それにボクの最高傑作が合わさったんだ。貴様如きのペットに勝てると思うなよ」


 二体の巨大な怪物たちが、空でエネルギーの衝突を始める。


 それは拮抗状態に入り、戦場へエネルギーを降り注がせる。


「どうする? このままでは決着が付かないぞ!」

「どこまでも我を舐めている態度を改めぬか! ならば、我が最高傑作たちよ。いくがいい」


 残されていた三人の大天使。


 そこから、カウサル帝王とシド宰相が進軍を開始した。


「この二人は、神獣アバロンと同等の力を持つ。貴様らに対抗する力はあるかのう〜?」


 こちらの戦力で、あの二人に対抗する戦力はもうない。


 ただ、負けるつもりはもっとない。


「さて、ここからは正念場だ。リンシャン、シロップ」

「おう!」

「はい!」

「ボクと共に戦ってくれるかい?」

「任せろ」

「もちろんです」


 ヒロインたちの力を借りて、ボクは天王の最高戦力と戦う。

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