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あくまで怠惰な悪役貴族   作者: イコ
第十章

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天魔対戦 14

 大人向け恋愛戦略シミュレーションゲームとここまで言ってきて、戦略面はボクがとことん回避してきたこともあって、RPG要素の強い日々だった。


 だけど、ここに来て戦略要素を強める展開になった。


 そもそもダンジョンにどうしてレベルが存在するのか? それは与えられる恩恵があるからだとボクも気づいている。


 レベル1では、ダンジョンとして機能を果たせていない状態であり、外敵(他のダンジョン)からの攻撃は受け付けない。


 レベル2では、ボスモンスターを配置できるようになり、ダンジョンマスターとして様々な恩恵を受けることができる。


 レベル3では、ダンジョン侵略ができるようになり、領土戦を挑むことができるようになる。


 レベル4では、


・ダンジョン名の変更

・ダンジョンの吸収

・ダンジョン内転移

・召喚種族の増大

・王の資格


 を得られる。


 レベル5では、


・ダンジョンの吸収

・ダンジョン内転移範囲拡大

・召喚種族の増大

・神獣の召喚


 ここまではボクも手に入れた内容だ。


 ここからはどんな特典が与えられるのかは、ゲームをやっていたボクにも知り得ない情報であり、逆に言えばゲーマーとしては、だからこそ面白いと思えてしまう。


「ジュリア!」

「おう! 任されよう」


 ジュリアはスケルトン兵隊を駆使して、部隊を作り上げた。

 スケルトンたちは凡用性も高く。

 戦士や魔導士なども召喚ができるので、普通に兵士を指揮するのと変わらない。


 帝国の将軍として指揮を振るっていたジュリアには、好都合の配置だったと言える。


「右翼は敵を囲いこめ、左翼は敵の攻め手を受けるように回るのだ! 正面突撃!」


 一斉に三万のスケルトンが放出されて、一万ずつの部隊に振り分けられて、ジュリアが指揮をとる。

 スケルトンが持つ武器の装備や魔法、弓の数まで、ジュリアが指示を出してスケルトンが生み出されているので、全てジュリアの手足のようにスケルトンが動き始める。


 スケルトンはどこまで行ってもスケルトンなので、DMPは少なくて済む。


 それに対して天使族は一体一体のDMPの消費が激しい。


 それでもさすがはレベル9のダンジョンマスターだ。

 一万の天使族を出現させて余裕の様子を見せている。


「くくく、いくら数を出そうと、所詮は雑魚モンスターばかり! 最強の種族である天使族を相手に何ができるというのだ。何よりも、《眷属化》によって作り出した我が大天使たちよ。下級天使たちを指揮して蹂躙せよ!」


 《眷属化》という天王の言葉に、自信があるように感じられる。


 天王の指示で二体の大天使と、千名の小天使がやってくる。


「雑魚かどうか試してみるがいい」


 大天使ラグエル、イシュタロスナイツ第三位ジャスティス。

 大天使ゼラキエル、イシュタロスナイツ第四位イレイザー。


「ガハハハ! 正義の鉄槌を喰らうがいい。通人族よ。魔物を引き連れるなど恥としれ」

「ジャスティス様」

「ふん、弱き通人族を倒すなど相手にもならぬ」

「イレイザー様」


 二人は、ジュリアにとっては元同僚であり、ボクがミニミニバルニャンで集めた情報では、《暴食》との戦いの最中、帝国が滅びるのを食い止めるために死んでしまったイシュタロスナイツたちだ。


 正義の槌を使うジャスティス。

 巨大な斧を振り回す美しき戦士イレイザー。


 二人はコンビで帝国内の内乱を未然に防ぐ活動をしていた。

 その最中で亡くなっており、天王によって使われてしまっている。


「舐めとったらあかんことを教えたろ」


 ジュリアのパートナーとして名乗りを上げたのはアカリだった。

 アカリは実験ができると喜び勇んで、先陣へ飛び込んだ。


「もちろんだ。あの二人は本当の兄や姉よりも世話になった。だからこそ、このような形で体を使われて冒涜されていることを許したくはないのだ」

「ええよええよ。なら、ジュリやんにあの二人は任せるわ。骨たちを使ってボコボコにしたってや」

 

 アカリはダンジョンで開発した魔導砲を持ち込んできたようだ。


 魔力で作り出した砲弾を、発射することで敵にダメージを与えられるが、地上を進む者には効果的だが、空を飛ぶ天使族にどれほど効果があるのかわからない。


「新兵器のお披露目や! ずっとダーリンの役に立ちたいって思ってたんや! これが私の答えやで!」


 アカリは生き生きとした表情で、数体のスケルトンたちを使って魔導砲を放った。


 予想通りの魔導砲が放たれると思っていれば、空中で弾け飛んだ細かな砲弾が、炸裂して天使たちの羽や体を細かな傷をつけていく。


 アカリが考えた新作は、天使族や空を飛ぶ魔物を仕留める武器へと進化している。


「やるな」

「ずっと、アカリは研究ばかりで、リュークの役に立てる機会を待っていたからな」


 リンシャンの言葉に、ボクはこの戦いが終わったら、アカリをめいいっぱい可愛がろうと思う。


「他の子達もですよ」


 シロップが各地に振り分けられた、リベラ、ルビー、ミリルに視線を向ける。


 彼女たちの活躍も、思いもボクは全部受け止めないとな。

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