表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あくまで怠惰な悪役貴族   作者: イコ
第十章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

431/442

天魔対戦 13

《ダンジョン侵略》


 ・ダンジョンにおける侵略とは、領土戦を意味する。

 ・領土戦とは勝利すれば相手のダンジョンを支配する利権が得られる。

 ・勝利条件は、相手のダンジョンコアを獲得した方の勝ちとする。

 ・侵略側は、侵略を行う前に日時と侵略することを宣言する必要がある。

 ・防衛側は、宣戦布告を受けた場合、受諾、拒否、従僕を選択できる。

 ・宣戦布告が受諾された場合、決められた日時で両ダンジョンは空間が繋がり、互いのダンジョン侵略と防衛が可能になる。

 ・領土戦が開始されれば、決着がつくまで領土戦は終わらない。


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

《sideリューク》


「さぁ受諾はなされた。今すぐ始めようではないか! 我が領土は帝都全土である。ここまで大きくするのに随分と苦労したものだ」


 玉座に座ったまま、両手を広げて勝ち誇った顔を見せる天王オーディアヌス。

 

「なっ! 帝都全土だと!」


 それに反応するジュリアに、天王が怪訝な顔を見せる。


「うむ? どうやら主は我が眷属の娘であるようだ。ならば教えてやろう。我が最強の七名の大天使よ! 姿を見せよ」


 大天使ミカエル

 大天使ガブリエル

 大天使ラファエル

 大天使ウリエル

 大天使ラグエル

 大天使ゼラキエル

 大天使レミエル


「なっ! お父様! シド宰相! お兄様! 貴様、死者の体を冒涜するつもりか!」


 ジュリアが怒りを表して怒声を放つが、天王にジュリアの怒声が答えるはずもない。


「ふん、これは我らに与えられた力にすぎぬ。擬似天使とでも呼べば良いのか? 我が力を与えた者に我が力を付与して、こうしていくらでも使えるのよ」


 ミカエル、帝王カウサル。

 ガブリエル、シド宰相

 ラファエル、伝説の巨人キーロ

 ウリエル、イシュタロスナイツ第一位アウグス

 ラグエル、イシュタロスナイツ第三位ジャスティス

 ゼラキエル、イシュタロスナイツ第四位イレイザー

 レミエル、イシュタロスナイツ第六位ドロメア


 七名の大天使として召喚された者たちは、ジュリアの顔見知りばかりで、全ての名を叫ぶジュリアの姿があった。


「くくく、長くこの地で我の力に触れてきた者たちだ。力を授ける代わりに、こやつらの望みは叶えてやった。ならば、今度は我の望みを叶えてもらう番であろう」


 ボクはジュリアの肩に手を置いた。


「君もあの中に入っていたかもしれない」

「……ああ。彼らの魂は私が弔う」

「ジュリアだけじゃない。仲間たちで弔うんだ」


 ボクが指を鳴らす。


 海の音が聞こえ、森の静かな風の音が、湖が揺らぎ、死の気配が近づいてくる。


「マスター! お久しぶりですのじゃ」

 

 美しき人魚の女王がボクの前で膝を折る。


「シェルフ。よくきてくれた」

「マスターのためであればどこへなりとも」

「兄様!」


 ミソラがボクへ抱きつく。

 ドラゴンの娘はいつでも元気だね。


「マスター。準備は全て整っております」


 秘書タイプになったバルニャンがボクへ報告する。


 ダンジョンを管理する三人の存在は、侵略戦で大きな力となってくれる。


「リューク」


 名前を呼ばれて振り返れば、リンシャンが立っていた。


「来てくれたのかい?」

「お久しぶりです。リューク様。共に戦うことをお許しいただけますか?」


 シロップの声にボクはつい笑顔になってしまう。


「もちろんだ」

「ノーラやシーラス先生が来れぬのだ。リュークの力になれる者が必要だろう」


 リンシャンの後ろから、アカリ、ルビー、ミリル、リベラ、ユヅキの姿が見える。


「ありがとう。君たちが来てくれたことが、ボクにとって何よりも力になる」


 ヒロインたちに会えるだけで、ボクはこんなにも幸せな気持ちになれるんだ。


 あ〜やっぱりボクは彼女たちが大好きだな。


 妻としてはもちろん、このゲームのヒロインたちとして、彼女たちを守るのがボクの役目なんだろうね。


 そのために与えられたのが、天王に逆らう悪役でも、喜んで彼女たちのために頑張れるね。


「ふん。我が眷属に比べれば、随分と非力な増援であるな。まぁ良い。全てを蹂躙して、全てを喰らい尽くし、そのあとは憎い魔王を滅ぼして、我こそが絶対神へと昇りつめてやろう」


 ゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!!


 地響きと共に大量の天使たちが現れる。


「数だけで争うなら負けないかな。スケルトン、スライム、ドラゴン、魚人たちよ!」


 ボクはDMPを使ってそれぞれのフィールドから魔物を召喚して天使へ向けて解き放つ。


「魔物の軍勢など! 所詮は魔王の手下ではないか!?」


 言ってくれるね。


 だけど、天使の相手などそれで十分だ。

 頭の悪い天使たちを囲んで物量で圧死させていく。


 魔物たちのDMPは少なくて、大量に発生させることが可能だ。


 逆に天使は一体一体が強力なため、消費させるDMPが多い。


「ジュリア。ここからは君に死のダンジョン指揮を任せたい。戦略ボードゲームを覚えているか?」

「もちろんだ。私は帝国のチャンピオンだぞ」

「そうだな。君には死のダンジョンの長として、スケルトンたちの指揮を任せる」

「引き受けよう」


 生き生きとした顔をするジュリアは、天王に挑めることを喜んでいるようだ。


 先方には地下迷宮ダンジョンを配置した。

 帝国と隣接する場所のため最前線だ。


 ジュリアならば任せられる。


 ボクが支配しているダンジョンには、それぞれのダンジョンマスターを配置している。その補佐にヒロインたちをつけた。


 全ての総指揮をボクがとり、ティア、リンシャン、シロップ、バルニャンがボクを固める。


「さぁ配置も決まった。ゆっくりとジワジワ締め上げていくから、よろしくね」

「「「「「「「はい!!!」」」」」」」


 ボクの声にヒロインたちが元気よく答えてくれる。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ