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七剣聖の指南役  作者: 黒浪
第二章 ふぞろいな日常
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第四十二話 魔女の攻めは終わらない

 晩夏の白昼。場所は、城の三階にあるロンの部屋の前。


 閉められたドアの向こうから、彼の苦悶の声とイルマの冷淡な声、そして、どことなく淫らな湿った音が聴こえてくる。


『くっ……、イ、イルマ、そこは……っ』

『ふふ、やっぱり()()が弱いみたいですね……』


 ペロペロ……ジュルル……、チュパチュパ……。 

 どうやら、少女は()()()()()()()を色んな角度から丁寧に、執拗に舐めつづけているようだ。

 

『ぁあっ! くそっ……』


 時おりロンが漏らす声は、彼が苦痛とはちがう何かに必死に耐えているようにも聴こえる。


『苦しそうですね……でも、手加減などしません。ほら、こんな攻め方もありますよ?』チロチロ、チロチロ。

『あぁあっ、そんなっ……!』

『ふふ、どうやら、ここも弱点ですね……』ニュプリ、レロレロ、コロコロ……。

『っ!? ぁああっ!』


 ロンの声が一段と激しさを増し、彼がすでに相当追い詰められていることを感じさせる。


(…………マスター)


 しばらく前から部屋の外でドアにピタリと耳をはりつけているキヤは、今すぐ主を助けるため部屋に踏み込むべきかどうか、逡巡しゅんじゅんする。


(マスターは、まだ助けを求めてはいない。それに、あの声は苦しんでいるようでもあるが、同時に、ナニかを悦び、愉しんでいるようでもある……。ここは、まだ待機するべきか…………)

「あっ、キヤ! そこで何やってるのー?」


 そんな時にやって来たのは、ウィナだ。

 無邪気なエルフ少女は、キヤが何も答えないと不思議そうな顔をして、すぐにドアに耳をはりつける。


『あっ! 待てっイルマ! ダメだ! そこ、ソコはぁっ!』

『ふふふ……待ては無しです。長く愉しむつもりだったのでしょうが、駄目ですよ。全力で攻めて、あっさり終わらせて差し上げます』


 ジュプリッ! レロレロレロレロ!


『あぁあぁあーっ!!!』


 ドアの向こうから聴こえる、耳慣れぬ奇妙な音と声に、ウィナは眉を寄せる。


「先生の声、すごくヘン……、部屋でイルマとナニやってるのかな?」

「ワタシにもわからない」


 キヤが真顔でかぶりを振った時。


「オマエら、そこで何やってンだよ?」


 今この場に来ては一番ダメな人物が現れた。


「そこ、ロンの部屋だろ?」

『…………』


 二人の少女が何も答えないと、オリガは怪訝な顔をしつつ、やはりすぐにドアに耳をつける。


『ふふ……情けないですね。私みたいな年若の者にいいように弄ばれて……。恥ずかしくないのですか?』

『くっ、まだだ! 俺は、まだ……!』

『まだ敗北を認めないのですか……。いいでしょう。それではトドメを刺して差し上げます』


 ジュプリッ! グッポグッポ! ニュリニュリニュリニュリッ!


『ぐぁあっ! ま、待てイルマ! そ、それはぁああっ』

『ふふ……待ては無しといったはずです』


 ジュッポジュッポッ! ジュルルルゥゥウウ!


『っ! うぁあああっ!!!』

「ア、アイツら……ッ!」


 オリガは、ドアの向こうから聴こえる会話と音にみるみる頬を染めて、激しく取り乱した。


「昼間からナニやってンだ!? しかもロンのヤツ、よりにもよって、イルマとだとッ! このオレよりあんな、デカケツまな板眼鏡のほうが好みだっていうのかよッ!?」

「どうもそうらしいな」


 キヤは、オリガを見つめて真面目にいう。


「肉体の性的魅力ではオマエのほうが上でも、イルマにはオトコを悦ばせるための豊富な知識と卓越した技術があるのだろう。さすがはルーンダムドの魔女、といったところか」

「くっ……!」


 その時、部屋の中からロンのなんとも情けない哀願の声が響いた。


『あぁあっ! ま、待てイルマ! まだっ、俺はまだっ!!」

『ふふふ……駄目です。私もそろそろ飽きてきたので。コレで、終わりです』


 ジュプンッ! ジュルルル………ジュッポジュッポ、ジュボボボボボッ!


『っ! うっ、うぁああアアアアアーーー!!!』 


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