風の加護と真の後継者
◼️眠りから覚めると体が少し軽くなっている。スマフォを、見ると時間で四時間で魔力が半分くらい回復している。ここから考えるに、眠気がでだすのは半分を下回ると徐々に襲いかかり、三時間くらいで動ける。完全回復には八時間と言ったところだろう。
「さて行くか、最速タイム更新だな」
◼️木のドラゴンを跨いで扉に近づき、扉に振れると模様が浮かび上がり自然に開いた。
「魔力にでも反応したのか?まぁいいか」
◼️細かい事は気にさず中へ入ると、少し開けた空間で中央には長い階段があり、頂上には椅子があり誰かが座っていて純を見下ろしている。
『ようこそ、異世界人よ』
「誰だ?」
『私は最高位上位精霊シルフィード、風を司る者です』
◼️際どい衣装に、ボリュームのある胸、ロビン達と何か違う威圧感、絶対感覚でただ者ではないのがわかった。今まで会ってきた中でも強い。
「何故異世界人だとわかった?」
『この世界の人間は多かれ少なかれ精霊を纏ってます。異世界人はその性質上、精霊を纏ってません』
「なるほどそれでバレたのか」
『安心して下さい。この世界の人間や種族で精霊が見えるのは極少数です。異世界人だと言うのはバレないでしょう』
「ならいいか、シルフィード、加護を与えてくるのか?」
『勿論です。それと貴方様に風魔法の真の後継者の称号を与えませしょう』
「風魔法の真の後継者?」
◼️説明によると真の後継者は一つの属性に対して一人が最高位上位精霊が任命し、目に風の刻印が刻まれる。そうすると加護と真の後継者の効果で、風魔法の威力が更に上がると言う。
『それと一つお願いがあります』
「願い?」
『はい、風魔法の真の後継者になるとエルフと人の区別がつくようになります。生きている内だけでいいので、エルフを守って貰いたいのです』
「シルフィードお前がやればいいんじゃねぇーのか?」
『私は精霊です。風魔法の真の後継者に選んだ者と一緒に出ないと、ここから出れないのです』
「なるほどな、そう言う事なのか。別に構わないが俺をそんなに信じていいのか?」
『大丈夫です。私にはわかります。貴方様の優しさが』
「優しさねぇー、わかった。俺が生きている内はエルフを助ける」
『ありがとうございます。では加護と刻印を』
◼️前から姿を消すと、一瞬で目の前に現れ、額に口づけをされる。目に見える景色が緑色になって、身体から風魔法が溢れてくる。こんな感覚は初めてだ。
『終わりました。これからよろしくお願いいたします。主様』
「よろしくな、シルフィード」