異世界へ転生
◻️既に思考は自分の領域を逸脱している。この子供が神なら異世界転生など、簡単な事だ。でも一つだけどうしても聞くことが出来た。それはデメリットについて、異世界転生の定番はチートで無双か、弱キャラ認定で苦痛を味わうかだ。
「デメリットは?」
「ないよ。しいていうなら、ここに置いていって貰う物があるくらいかな」
「おいて行くもの?」
「そうそれは、地球での未練」
「未練なんか」
「ないと言いきれるかい?人間は誰しもどんな形であれ、元の世界への未練は必ずある。それをここに置いていって貰う」
◻️転生した先でのデメリットならまだしも、あるかない世界の未練ならここに置いて行こうと構わない、そう考えた。
「わかった」
「よし、なら異世界転生として一つ持っていける物がある何にする?」
「…携帯あっち仕様にできますか?」
「OK、魔力で充電できるようにしておくよ。本当にそれでいいのかい?」
「それでお願いします」
「OKなら、改めてとう、伊吹純、君は異世界へ転生を希望するかい?」
「はい!」
「基本的な事はメールに送っておくよ、後僕が君にして欲しい事もね。ではいっておいで新たな世界へ!!」
◻️世界神が指を鳴らすと、急激な眠気が襲ってきてそのまま寝てしまった。
◻️どれくらい寝ていたかのかわからない。目を覚まして辺りを確認すると、目の前に湖らしいもの、後ろには大きな木々がずらりと並んでいる、空を見上げると月?太陽?どちらかは不明だが三つの球体が見えた。ここは異世界で、あの子供は神だった確信をもった。それ以外にも異世界だけ決めつける、証拠が目の前に現れた。
◻️小さい小学生くらいの少女に、後ろには大きな牛の様な、ゲームで良く見る悪魔のらしい奴だ。
「逃げて!!そこの人!!」
『これはいい小娘を追いかけていると、飯が増えた』
◻️はい、追い掛けられている少女は食べられかけ、後ろの牛は少女を食おうとしてる悪魔?と言うか悪者確定をした。
◻️携帯をポケットから取り出して、メールを開いて、下にスライドさせる。その間十秒普通なら死んでてもおかしくないが、牛は何もしてこなかった。メールを大まかに読み全てを理解した。
「なるほどね」
『あ?何を』
「ウインドカッター」
◻️風魔法の下級属性の魔法、風の刃が牛の腕を切り離すと言うか当たった場所から下を吹き飛ばした、苦痛の叫びが湖に響く、威力は考えずに打ったからか、まさか腕を吹き飛ばすとは思ってなかった。
『貴様何者だ!!この私にダメージを追わせるなど、身の程を知れ!!人間風情が!!』
◻️どうやらお怒りを買ったようだ。それに直ぐに腕は再生していた。ゲームでは悪魔は確か核か、心臓を狙わないと死なないだった。
「なるほど、なるほど、それなら色々試させて貰うぜ」
◻️それから相手の攻撃を避けながら、炎、風、土、風、水、闇、光すべての魔法を打ち終えた頃には牛は、相当なダメージを追っていた。
『危険…貴様はここで殺す!!リミットアンロック!!』
◻️牛の身体は巨大になり周囲の木々をなぎ払った。目で見える黒いモヤは魔力だろうか、視覚で確認できる程に濃くなっていた。少女を見ると諦めの顔に落胆した表情で膝をついていた。これは棒アニメである強化なら純には勝機しかなかった。
「はぁーソロソロ終わりか、でもありがとよ。試したい事は試せた。終わりだ」
『死ねぇぇぇー』
◻️牛が振り下ろした拳を受け止めた、少女にはそう見えただろうが、実は違う、カウンターで風魔法を振り下ろされる寸前に胴体にぶつけた。勿論自分が思う最高威力で、すると、牛身体はもれなくミンチになったのだ。