奴隷商人
◼️ベッドから起き上がり、外を見る。
「シルフィード、お前の娘が俺の正体をばらす事はあるか?」
『それはないかと、上位精霊でも頭のいい子ですから、それに私から姿を見せない限り、あの子や他の風精霊でも私を探知するのは不可能です』
「ならどうやって探しているのかね?」
「噂では聖剣に選ばれし者だと言ってましたね」
『聞いた事があります。聖剣は次の王になるただ一人にしか扱えないと』
「ただ、一人か」
『聖剣は王女の中に眠っているとも』
「王女の中に眠ってる?どうやって取り出すんだよ」
『わかりません。ですが、その効果で対面したり、近づいただけで相手がわかっても不思議はありません』
「なるほどな、その感知能力みたいなので探しているのか。早々にこの国を出たいが、そうもいかないな、予定通り魔物と魔族について調べる。極力城には近づかない様にしてな、それなら感知もされんだろ」
『ですね。今はそれがよろしいかと』
◼️三人の話し合いは終わり、城へ近づかない様にして情報を集める事になった。
◼️なるべく確実で正確な情報をとなると、やっぱりゲーム定番のあそこしかないだろ。リーンには違う場所で情報を集めて貰う事にした。
◼️奴隷市場の奴隷商人、地下へ続く階段を下り木の扉を開けると、牢屋が左右にいくつもありその中には薄汚い服を着た男女とわず、獣人や獣が入っている。奥にいる金を数えている男がいる。
「これはこれは新しいお客様ですね」
「ここは奴隷を売ってる場所で間違いねぇーか?」
「はい、色々取り揃えていますよ」
◼️一番近い牢屋の二人、ここにはふさわしくない程綺麗だ。
「あの二人は?」
「お客様はお目が高い、新品です最近仕入れました」
◼️気になり目に魔力を通すと、風の加護が見えた。それにこれは何かある。スキルの絶対感覚で察知した。
「あの二人を買う、それと情報、なるべく信憑性の高い物を頼む」
「そうなるとかなり、高額になりますが、よろしいですかな?」
◼️貰った中でも一番大きい金貨をだした。すると男はテンションが上がったのか回りだした。
「私の見立ては間違ってなかった!」
「足るのか?足りないのか?どっちだ」
「勿論足りますよ。情報とはどんな情報で?」
「魔物と魔族の情報だ。新しいのを頼む」
「承知しましたしばしお待ちを」
◼️奥のカーテンの中へ入っていき、数分すると鍵と紙束を持ってかえってきた。
「これが情報です。私達が知り得る限り確実なものです後はこれが二人の鍵です」
◼️奴隷商人から説明を受けると、首輪で奴隷は絶対に逆らえず、逃げられる心配もない仕様になっている。外せるのは主人か、高位の魔法使いしか外せないのだとか、ここはゲームでの定番だった。
◼️二人を牢屋の鎖から鍵を使い解放すると、付いてくる様に命令して奴隷商を後にする
「またのご来店楽しみにしております。申し遅れました、奴隷商のヤハールと申します」