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24話 調査

 気絶している人たちをそのまま床に寝させるわけにもいかず、毛布と一緒にギルドに運んでいき、全員の移動が終わった私たちは椅子に座って休憩していた。


「皆、注目してくれ」


 ガインさんが、今起きて休憩している人たちに向けて声をかけていた。何事かと全員がギルド長に注目する。


「今この街で、意識不明者が続出している。他の街に連絡を取り、援護者(えんごしゃ)(つの)っているが、来るかどうか分からん上に、この現状になった原因も不明だ。そこでギルドから依頼だ。この原因を探る者と治療する者には1人1000エールを渡そう。ただ、原因を探る者達は危険も(ともな)うだろう。有益(ゆうえき)な情報を得た者には追加報酬を渡す。希望者はよく考え、担当している受付嬢に話しかけてくれ」


 ガインさんの後ろにいた2人の受付嬢が、全員に聞こえるように声かけをしていた。それと同時に周りにいた他の冒険者たちが話し始め、ギルド内は人の声で賑わい始めた。私たちもどうしようか話わないとね。


「それで、どうする?」

「私はここに残るわ」

闇雲(やみくも)に探しても見つからんだろうな」


 2人の意見が分かれるかと思ってたけど、私の勘違いだったみたい。言い方はそれぞれ違うけれど。


「でも、原因は分からないでしょ?」

「基本をするしかないな」


 事件や事故が起きたら、まずは当事者に話を聞きに行く。ほんの少しだけでもいい。そこから見つかった情報を元に探せば、何か見つかるかもしれない。

 唯一知っているかもしれない人はいるけれど、話してくれるかは分からない。狂気に(おちい)って、私に向かって走ってきた人をエヴァンが気絶させたけど、それで恐怖が消えるわけではないから。


 ただ、気絶しているのに叩いて起こすのも気が引ける。だからまずは、今も動けている人たちから話を聞くことにした。その最初がギルド長のガインさんだ。


「ギルド長に話を聞きに行こう。もしかしたら知っているかも」

「従う」

「私も同じく」


 危険な目に()うかもしれないけれど、私たちは原因を探すことにした。周りの冒険者たちは自分たちが何をするか決まったのか、受付嬢に話しかけ、ギルドを出ていく。

 受付嬢に自分たちは原因を探ると伝え、ガインさんのところに向かった。私たちが依頼から帰ってきたときには、もう部屋にいたから、もしかしたら知っているのかもしれないと期待して。


「ガインさん、襲撃者の姿って見てたりしますか?」

「いや、俺も街が襲われた後に帰ってきたからな。すまん、分からないんだ」

「あ、いえ。ありがとうございます」


 ガインさんは知らなかった。原因解決には至らなかったけど、見ていないという証拠が分かっただけでも良かったかな。スマホを取り出して、メモ帳にガインさんは襲撃者を見ていないと記入しておく。

 ゾーイを召喚したから充電が残り10パーセントになってて、途中で電源が落ちない心配だけど。


「街に出て、聞いてみる?」

「ほとんどの者は自宅か、教会で寝ているだろうな」

「教会か……」


 自宅に突撃して、話を聞いても面倒な人だと思われるだろうから、教会に行って聞いた方が早いかもしれない。

 想像できるのは、教会が阿鼻叫喚な状況になっているかもしれないということ。ギルドに着いたときにみたいに暴れている人がいるかもと思うと、怖い所もある。だけど、この原因を探らないと一向に問題は解決しない。


「教会に行こう」

「そうと決まれば早速行きましょ」


 ゾーイに手を掴まれ、ギルドの外に出る。ただ、


「教会の場所も分からず、歩き回る気か?」


 そう。エヴァンが言う通り、私たちは教会の場所を知らないのだ。人に聞こうにも、今街を歩いている人はいない。ほとんどの人が寝ているか治療に当たっているかなのだ。

 勢いよく出たものの、教会の場所を知るためにギルドの中に戻り、受付嬢に教会の場所を教えて貰って、向かうことにした私たちだった。


「ゾーイ。教会に着くまで、ここがどういう場所か教えるね」

「お願い」


 召喚されてから説明をあまりせず、気絶している人を見てもらっていたから説明が遅れていたのを今思い出した。


 ここがクトゥルフ神話TRPGの世界でとても危険な場所だと説明したが、そもそもクトゥルフがどういうものか何か分かっておらず、自分の知っている知識でクトゥルフ神話は創作神話のことだということを伝えられるだけ伝えた。

 ネットや本で得た知識だから(かたよ)りはあると思う。それでもここがそういう世界だと知らないよりかはいいと思った。

 ただ、ゾーイが自分が作ったキャラクターだってことは伝えづらくてまだ言えなかった。

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