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英雄までの物語  作者: ノンプロット
一年期七月下旬〜 反英雄
51/113

四十八話 会議と外出

二段構成です。







「昨日の彼は一体何だったんでしょう。

姉さんと関係ある様ですが。」



「知るかよ。

俺のフックを喰らって、ダメージ入ったのが俺だぞ。

そう言う事だろ。」



「ドルフ兄、あれば危険だ。

この国をいつでも転覆させ得る可能性がある。

どうにか対処しなければ。」



「無理だダルフ。

俺の強化フックは木を抉るんだぞ。

その強化魔力を使った状態でのフックを、魔力無しの肉体強度だけで弾き返したんだ。」



「そうだったのか。

……………どうすれば。」







現在、8月13日。

先日この国に朝方訪れたネイシャの存在を感知したアルバからの指示によりブラッド単独でのネイシャ探しが始まっていた。


だが、前日昼にブラッドにより叩き潰されたB〜N地区を管轄とする武人達は皆ブラッドに対しての処遇を決めかねていた。





持ち前のプライドが高過ぎるが故に素直に師事を乞う気にもなれず、全員で解決案を考えることとなった。


E &F担当のエヌル&ウヌル姉妹が言葉を発する。







「正直言って無理ですよー。

私の短剣術を一回見ながら躱した後、2度目の動きに合わせて手首を掴んできましたから。」



「お姉様がこんなんなのに私も無理でーす。

私の短剣に至っては一度目から弾かれましたー。

もうやる気ありませーん。」



「ちょっと、少しは考えてくれ。

僕だけ真面目に考えてるみたいだろ!」



「実際、あんな魔物染みた怪物をどうしてやるってんだ。

俺の反撃術も通らなかった上、逆に受け身で待ってた俺の弱点部位を見つけて中指一本拳で突き抜いてきたぞ。

……………俺、腹が弱かったんだな。」



「ちょ、G担当のグーミルまで。

もうこれじゃ話にならないよ、どうしたら。」







悩むアルマの肩をH &I担当の双子姉妹。

ダルミィとデルシィが片方ずつ叩く。



何か慰めてくれるのかと思ったら、二人して





「「ご飯食べに行こ。」」






と最早話にならない。

アルマは、孤高の武人であったアルバという最強の姉が簡単に任負かされた事実が許せなかった。


アルマにとっての人生の目標は姉であり、それを超える者は居てはいけなかった。

内心に煮える激情は簡単に収まる物ではない。





そんなアルマに同感の意を唱える者がいた。

J担当のゲンシェルドだ。


彼はここまでの会話の流れでただ一人、ブラッド反対派の意見を発してくれた。

アルマにとって心強い仲間となる。







「そうだろ?

僕達機関親衛14隊は実質アルバ姉さんを頂点として機能してるんだ。

それなのに上が頭を下げたら、これからどの面下げて地区の担当をする?」



「あぁ、その通りだ。

俺も偶々額と脛、手首に脇腹。

あちこちを裏拳や手刀で叩かれて意識を飛ばしていたがアルマの意見には賛同だ。」



「うん、僕も人の事言えた立場じゃないけど酷いね。

でも、ゲンシェルドの意見は全くだよ。

皆んなも誇りを忘れずにこれからの対応を考えるんだ。」








「私も賛成。

細剣使いの動きは狩りにくいのが強みなのに、2回頭だけで避けられた後に三発目の剣筋に合わせて歯で咥えられた。

そのまま口の力だけで手から取り上げられて、よろけた所に慈悲のビンタで気絶。

絶対………………許さない。」



「そ、そうなんだ。

K地区では俊敏な動きで反逆者を捉えてきたセルペアナでも2回で見切られたのは想定外だよ。」



「あ、あのぉ。

私に関しては後ろから毒魔力の針を突き刺そうとして却って刺されました。

しかも振り向き様優〜しく背中を抱き止められてゆっくり首に。

死を感じ取って不覚にも失神ですぅ…………」








あの闇討ちに特化し気配消しを得意とする彼女さえも。

L地区のエンジーナでも隙を突けないとなると、そもそも攻撃が当たるのかも怪しいぞ。


くそ、他に誰かいたか?






「俺達、まだ他界した兄ちゃん達を超えられなくて話になりませんでした。

ごめんなさい。」



「でも、僕達も頑張ったんです…………。

どうか怒らないで欲しいんです……………」



「ん?ーーーーあぁ、MとN担当の兄弟。

確か、アーリーとオーリーだっけ?

君達はまだ先代のアリとオリを超えられないだろうし仕方ないよ。

これから強くなって頑張ろうね。」



「「………っはい!」」








アリとオリの二人は、危険なレベル40級の魔物を命と引き換えに討伐した。

その戦い様は正に国を守ろうとする武人としての誇りであり、これからも忘れることはないだろう。


その双子兄弟二人の更に双子兄弟となるアーリーとオーリーは、未だ15歳程度。

僕も合わせて他の平均が25前後なのを考えるとかなり若いし実践不足。




ーーーーーそれを一瞬で見抜いて軽くいなしながら足を転けさせるだけに抑えたあのブラッドという男の圧倒的な経験量に、益々震えが止まらない。


アルマは段々と行き詰まっていく。

そんな時、今1番この場に現れて欲しい人物が現れる。







会議室の扉を開けてアルバが入ってくる。

風呂上がりなのかほんのりと香り湯気立っており、この場の空気感を和らげる。


アルマが泣き付く。







「姉さん、僕達これからどうやってあの人外と付き合っていけば良いんです?

話し合ったんですが一向に勝てる気がしなくて困ってます。」



「む、何だそれは。

最初から勝てないしそもそも私に勝てないお前達では身のこなしだけで払われるだけだろう。

それに、伝え忘れていた内容がある。」



「伝え忘れている事。

何ですか?」



「あぁ。

奴はこの国に降り掛かるかも知れぬ災いを退けるのと交換にこの国から解放する事になっている。

だからずっと長居をする訳ではない。

心配するな。」








ーーーーえ?

そう、全員が思った。


なら、関係ないんじゃないのか?

別に気にしなくても消えるんだし。

すぐに解決した。






だがアルマは納得行かなかった。

自分達のプライドを貶した挙句、どこに行くかも分からず会えない可能性が極めて高い。

そんなの逃げているのと同じだ、と。


アルマの言葉を聞き幾らか頷く12隊。

しかしアルバはそれを聞いた上でアルマを諭す。








「良いか?

あれは反英雄だ、そもそもの話化け物だ。

行為が違えば歴とした英雄にもなれただろう豪傑達の一人であり、実際私達と対峙している際一度ですら魔力を使っていなかった。」



「え?………………使って、無かった。

本当?」



「それすら分からない様では、ブラッドの眼中にも入らないだろう。

だからお前達はもっと基礎から鍛え直し、各13地区にある魔巣まそうの踏破を目指すのだ。

そこまで行ければ私と同じ程度には強くなれるだろう。」







「魔巣って、そんな。

あの地下10階層まで生成されている魔物の巣窟を、踏破ですか?姉さん。

知っているとは思いますが、未だ姉さん以外の誰一人として担当地区内の魔巣を制圧した者はいません!」








魔巣。

魔王達が棲家とする迷宮の劣化版に当る存在。


平均して20〜40級の魔物が合計数百居るとされ、嘗て歴代で踏破仕切った者はアルバ以外誰も居なかった。

これらは40世記以降発生する様になった事象であり、現状出来る対処は一階層の入口を警備隊と共に守護するのみである。


一人で行けても恐らく2〜4層が限界と分かっている為13隊の誰一人として2階入り口から先を跨いだ経験は無い。






一年前にA地区の魔巣を踏破したアルバは、世襲という形になり先代の父アルゾを退けた。

名実共に最強と言える武人であり、だからこそ国内の人間全てから尊敬されているのだ。


それを、僕達が踏破する。

無理だ、無理に決まってる。








「少なくとも40世記以前の人類史では、100級の人間達が存在していた。

私が尊敬する英傑、英雄達の事だ。

私はこれからもっと鍛えるつもりだ、お前達に構う時間はないぞ。

ではな、今日は用があるため失礼する。」








そう言い静かに且つ淡々とした様子で会議室から去って行く。

その背中から感じるのは、只管に強さのみであった。



アルマは葛藤を続けた。



















「よお兄ちゃん、普通に考えて最上位相当の人間がこんな下位の地区に来る訳ねぇだろ?ええ?」



「兄貴、こいつの持ってる白色腕章見てると腹立ってきやした。

切り裂いちまいましょうや。」



「おう!M地区の底辺だからって足元見やがったこの糞野郎をしばき倒してやる!

掛かってこ、








0.2秒程。

下衆染みた屑の胸倉を黒革グローブ越しに右手で掴み、筋力だけで地面の石畳へ投げ付ける。


受けた反動で数cm浮き、身に付けていた浅緑のロングシャツに土と血が飛び散る。






付近では有名な絡み屋だった兄弟が瞬きの内に潰されており、M地区中央では騒動が起きていた。







「白色腕章!?

見た事ねえぞ?」


「ねえ兄ちゃん、あれってどこに住んでる人なの?」


「気にすんな、俺たちには関係ねえよ。」







そんな尊敬、畏敬の言葉が上がる。

だが、ブラッドはそれに構う事なくM地区から更に南西へ進む。


そこは、凡そV地区のある方面である。

ブラッドが感じた魔力の方向は南西であった。





時速5km程でマイペースに南西へ進んで行き、

最上位地区1km、上位地区4km、中位8km、下位15kmの境界に作られている隔壁を超えていった。


ブラッドは下位から最下位へ繋がる隔壁検問を白色腕章にてパスし、直ぐにこの地区が当たりである事に気付いた。









「ーーーーーーこの直径10kmの敷地圏内に、魔力の持ち主が居るな。

独特な感覚だ、純粋な魔力だ。」








ブラッドは白色腕章を一旦外す。

これはアルバに事前に言われた事である。



『最下位地区国民には腕章すらない。

目立つ白腕章は外して着ている服のみが見える様にして動く様に。』



そんな事を言われていた。







そうして目に重なる面倒な前髪を耳に掛け、周囲を見る。

その光景は、土に汚れながらも汗を流して農作物や建築を行う人々の姿であった。


ーーーーーー内側と比べると、随分人間らしい暮らしだ。

ブラッドとしては寧ろこの様な下町の方が性格的に合っている。










時刻が午後3時近いのを陽で確認し、適当に近場の木製家屋に入る。

外看板に《食事屋》となっており、腹ごなしに丁度良かった。


ブラッドは木の席に着く。

羊紙メニューに書かれている牛赤身と大蒜の塩胡椒炒めを注文する。






数分後。






「へいよ。

お代の1銀貨、確と受け取ったぜ。」



「おぉ、美味そう。

店主、足りなかったら後から追加注文しても良いのか?」



「んん?アンタ結構金あるのか。

最下位地区の入り口付近は下位から出て来る人をもてなす前提で金額が高い料理を出してる筈だが?あぁっと、勿論いいぞ。

あ、そう言えばこの店は来店する度この[牛さんシール]を贈答用の羊皮紙に貼ってくんだよ。」



「ん。」








程よく焦がしてある肉に威力のある胡椒が強過ぎず辛く食欲が止まらない。

メニュー1つに付き一つまで付いて来るコッペパンを主食にもりもりと食べ進めていく。


ついでに話も聞く。








「1回目はこの羊皮紙をあげるんだ。

5枚貯めて注文時に渡してくれると単価5銅貨以下の料理が一品無料になる。

10枚貯めると今食べてる様な単価1銀貨以下の料理も含めて一品無料に出来るんだ。

所謂還元設計になってる訳さ。」



「もぐーーーーーー何だと。

それは得だな。」



「そうだろ。

あ、1日に何回来ても日に付き一枚までだからそこは注意してくれよ。

じゃあ料理を楽しんでくれ、あばよ。」



「おお。

………んむっ…………んもぐ……………」









からん、からん。

誰かが店に入って来た。


店長の禿親父が茶色のエプロンをそのままに俺の居る右側テーブルと反対の左テーブルへとその客を案内する。




 その客はトマトサラダ、野菜ジュースを頼んで健康的な食事を摂っていく。

ブラッドはそれを意に介さず食べ終わって即追加の注文をする。








「店主、あんたの飯は美味いよ。」



「おうよ、世辞でも嬉しいぜ。

で、注文は何だ?」



「うーん、牛脂身付き500gステーキだな。

後はこれにお米も付けてくれ、塩胡椒は無料だから掛けてくれると助かる。」



「よぉし、作るぜ。

ーーーーにしても、あんた良く食うな。

俺も本当はアンタみたいに沢山飯を食ってくれる客がいると作り甲斐があるんだが、ここ最下位地区付近じゃ大抵日に十人来るか来ないかのレベルなんだよ。

俺は地味に熱魔力を使えるもんだから食材の気温を下げて長く保存出来るんだけど、普通の飲食店じゃ売り上げを食材費が上回って潰れてるぜ。」



「成る程な、空気が少し暑苦しいと思ったんだよ。

でもそれはあんたの魔力と情熱のせいだろうな。」



「お上手いこと言うねえ。

よし、牛乳一杯タダであげるよ。」








そうして店主から貰った500ml牛乳瓶をのんびり飲んでいると、先程注文品を食べていた客が立ち上がる。


店の入り口まで近付いて行き外に出ようとする。

だが、店主が忘れていたとばかりに会計を取りに行く。








「あぁっと、さっきのお客さんね。

トマサラ2銅貨、野菜汁3銅貨だよ。」



「……………えっと。」



「うん?よく聞こえないよ?

もしかして、食い逃げしようとした?」



「え、いや………その。

ーーーーーーっ。」










「ーーーーーーお兄ちゃーーーんっ!!」



「ん。

誰だおまーーーー」









口を右手で塞がれる。

どう見ても苦し紛れの言い分だが、店主は万一の可能性を考慮して確認を取る。



俺としては別に他の人間がどうなろうが関係無いのだが、今は食事も美味しく気分が良かったので軽く助け舟を出す事にした。

この店に泥を付ける様な事はさせたくないしな。








「おぉ、久し振りだな。

元気だったか?」



「ッ!…………うん、お兄ちゃんは元気だった?

実は今お金無くて、凄く困ってるの。

良かったら二人分払ってくれる?」



「うん、いいぞ。

ーーーーーー後で来い。」



「やったぁありがとう!大好きー!

ーーーーーーうん。」



「ありゃあ、本当に知り合いなのかい。

まぁ取り敢えず赤身大蒜炒めは払ってもらってるから、脂身ステーキ3銀貨と白米2銅貨。

そっちの妹さんのトマサラに野菜汁の計5銅貨と合わせて総額3銀貨7銅貨ね。」



「迷惑掛けたかもしれないし、5銀貨払っとくよ。

また美味しく飯食わせてもらいたいしな。」



「え、いいのかい?ありがとよあんちゃん。

じゃあ、またのご来店お待ちしてるよ。」








ーーーーまた来なよ〜。


そんな声が聞こえて来る。

本当に美味しかったので明日も行きたい。





………っと、この女の素性と名前を訊くのを忘れていた。

赤黒い花の様な髪色をショート程度に伸ばす女に名を訊く。







「さっきの礼に名前教えろ。」



「ん。

…………教えたくはないかなぁ。

義理はあるかもだけど他の事にして欲しーーー



「また飯奢ってやるぞ。」



「ネイシャ。

またと言わず今からでもいい?良いかな?」



「おう。

…………食べる女は活気があって良いな。」









ネイシャと名乗る女は、紺のスカートを舞わせながら俺に抱き付いてくる。

ずいぶん馴れ馴れしいと思ったその時、体の感触が不思議な事に気づく。


……………鍛え上げられてる。

異常に、堅い。





それはネイシャ本人もまた同じ感想であった。


この全身黒づくめの、若干巳浦と似た雰囲気の男に抱き付いた時。

最初に感じたのは[無]。




まるで今の人格は全て被り物の様に感じる程に深い闇。

そして自身と変わらぬ程に鍛錬を積み上げたであろう肉体の質。


両者共に、何となくお互いの事情を把握してしまった。







だが。

気を利かせてブラッドがネイシャの手を取りバウトの所とは関係の無い下位検問所付近の宿屋へ連れ込む。

















二人分の部屋を借りた。

そうしてブラッドは何も言わずにネイシャの事をベッドへ寝かせ、自身はその横側の地面に座り込んだ。



ネイシャがブラッドに対して意を決して言葉をかけようとした瞬間、ブラッドが一瞬こちらを向いた。

ネイシャは、絶句した。







「へーーーーーーーーーーーーーー誰。」



「俺はブラッド、ブラッド-スペル。

お前例の侵入者だよな、訊く事聞いたら大人しく付いて来て貰いたいんだが良いか?

あぁそれと、駄目なら今すぐ殺すぞ。」









「へへ………………冗談やめてよ。」









……………ブラッド-スペル?





知ってる、歴史で習った。

2世紀に存在した超危険賞金首の名前。


1世紀から2世紀まで続いた各地に現れる大量殺人鬼の全員に共通して、《ブラッド》と呼ばれる特徴がある。


当事者自身の血液を[流液魔力]により利用する危険性の高いskillによる一般市民の大量虐殺。

そしてそれを止められる者が居ない程の実力。

ーーーー血術として恐れられた反英雄。







自身の息が少しずつ荒くなるのを自覚しつつも、自然な会話の様に自身を殺す旨を真顔で伝えて来るブラッドに恐怖を感じてしまう。


暫く無言になり言葉を返せずにいると、今度はベッドに上がりネイシャを下に見下ろす形になる。






ネイシャの首や脇、上腕や太腿を強く撫で上げて筋肉の鍛え込みを確認する。

やはり強い。


だが精神的な面で俺の様な人間に耐性がない事は既に理解した。

そのままネイシャの両手首を抑え付け、魔力を纏う。



 



あまりの恐怖感に反応が遅れてしまい、ネイシャは体内の血流へ皮膚越しにブラッドの魔力を流されてしまった。


10秒ほど掛けて喘ぐ様な声を上げ続け、次第に異常な心拍の増加により脳内圧迫が起こり失神する。






綺麗な唇を右親指と人差し指で開き、口の中へ人差し指と中指を捻じ込む。

口内の舌や粘膜を二本の指で触診し暖かい事を確認し、そのまま口から指を抜く。


流石に耐久力が高いのか全く致命傷にはならず苦しげながらも眠っていた。

あまりにも綺麗な女性だからか、普段は特に異性に関心を持たないブラッドですら何となしに気になり。







「………………あぁ、良い抱き枕だ。

落ち着く、気持ち良く寝られるぞ。」



「ん……………うぐ……………っ………」






仰向けになった自身の上にネイシャをうつ伏せの姿勢で下ろし、そのまま抱く。


食事の時とは違い今度はこちらから抱きしめる事になる。

程良い布団を見つけた様な心地良さに包まれ、二人は一緒に寝る事になった。















夕過ぎ。

午後6時はバウネの食事が出される時間なのだが、未だにネイシャが帰って来ずにいた。


エルメルはバウネにネイシャの件を伝え、自身の分はそのままネイシャの分は保温して貰うよう頼んだ。






「突然出掛けるとか言って、もう午後3時からずっと帰って来ない。

何か、あったのですか?」

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