プロローグ バルト王国中央学院
これから気分が乗ったら不定期で書いてくつもりです。
「現代が何故魔物による恐怖に怯える事なく、安寧を享受出来ているのか、君達は考えたことがあるかな?」
「難しい理屈では無い。
ただ単純に、世界を支配しているとされる神に対して、人類の存在価値を訴えた者達がいたのだ。」
「その者達は、現代に於いて姿を消したとされる伝説の存在、」
「魔王や黒人、天使、原初の人間とそして。」
「英雄。曾て今の我々と同じく地上に生を受け生まれたとされる人類の砦だ。総数は不明だが、我が国からは脅威の4名。」
ハゲ気味の年季教師が長々と授業を続けている。
誰もまともに聞いてなどいない。
今更常識を説かれた所で、誰が耳を傾けるものか。
ありがた迷惑な授業だ、全く。
「ーーーーなので、私達はこれからも、
「先生。」
「...?何だね?ブレイド君。授業の話の途中だ、トイレなら勝手に行ってくれ。」
「そんなんじゃないっす。その話、もう一年の学生10回は聞いてますよ。何回話すんですか。」
ーーーーーそうだそうだ!ーーーーー
ーーーーー実践は!?ーーーーーーー
ーーーーー訓練がしたいよ〜ーーーー
そんな不満が挙がる。
まぁそうだろうな。
ボケてるのか何なのか、歴史の話になると、毎度これから切り出す。
内容をラーニングし過ぎてそのまま口に出来るわ。
「いやぁ、しかしだね。今私達がどれだけ恵まれた境遇に産まれてきたのかを頭に入れなければ、
「もう皆嫌ってほど聞いてますから!いい加減新しい内容は無いんですか?」
「うーむ。」
「俺達がこのバルト王立中央学院に入った理由、そんな説法聞くためじゃ無いっすから。外で運動してきます。」
「あ、こら!待ちなさい!」
聞いてられっか、こんな洗脳みたいな話。
子供の頃から親に言われてるっつーの。
何なんだよ、今更。
ここはバルト王国。
2000年以上昔からずっと続いてきてるらしい歴史のある国だ。
世界の中央に佇んでおり、貿易や経済に大きく影響力を持つ、大規模な地域。
歴史に載っている英雄達も、伝記によればこの国が出生の地だったらしい。
実際のところはわからないが。
そんなバルト王国の中央街にあるマンモス学院、バルト中央学院は生徒数計6000人。
一年生から六年生と長い期間を生活し、世界の秩序、平和維持に努める力を持った人間を輩出する。
規模だけで言えば世界有数、特にこの学院がメジャーな入学先だ。
毎年1000人程が入学するのだが、倍率が高く、何と5倍。
5人に1人という厳しさだ。
理由は単純で、腕っ節、経済力、頭のキレ、カリスマ性といった生物として秀でた何かを潜在的にテストされ、その及第点に達する者が大体5人に1人だからだ。
無論俺は運動好きなだけあり、腕っ節にはかなり自信がある。
と言っても殴る腕ではなく、戦闘に関する腕っ節だ。
武器は使う。
今も校内ーと言うか一つの街のような物ーの外周に向かい、その外回りを5周しようとしているところだ。
因みに一周するのに5km弱あるので、足腰、スタミナには自信がある。
実際、体力測定じゃ今年入校した生徒の中でも5本の指に入る。
5本の指の5番目だけど。
まぁ要するに、現代の王国は中央を学生や若い人間達が住む生活圏にしてて、俺はそんな街にある、
「牛乳2本、コッペパン二つくれ。お代の銅貨4枚ね、はい。」
「はいよ。.........はぁ、あのガキ、商品を取ってきながら金投げるのやめろ!泥棒かと思うだろうが!」
行きつけのパン屋で飯を買ってるって訳。
ここのパンいつも出来たてみたいに保温されてて、滅茶苦茶美味いんだよなぁ、
しかも牛乳瓶はキンキンのキンキン。
常に密閉された氷袋に入ってて、熱々のパンと無理矢理な相性でたまんねぇ。
毎月月初に親から金貨3枚貰うんだけど、最低でも週5日ある学院生活の昼時にこのルーティーンを組んでるせいで、金貨一枚分くらいは飛んでんだよなぁ。
(銅貨=100円 銀貨=1000円 金貨=10000円 相場)
「つっても寮生活に金かかんねぇから、後は金貨2枚を節約して使って、毎月金貨一枚は貯金してんだけど。
入学して3ヶ月目。
初月の4月中は歴史中心、5月は体力作り、んで今月は、
戦闘訓練。
「これ、実際魔物と戦うわけでもねぇのに、必要あるのかなぁ。結局今は、平和な時代なんだし。
要らないと思うけど、強くなるなら文句は無いし、難しい所だ。」
あ、あのハゲ教師は歴史の教師だから、実践は若い男の先生とか竹刀やら木製の武具で色々教えてくれる感じ。
日に7時間授業があんだけど、前半3時間、間1時間休み、後半4時間で終わるのは午後の5時位。
本当怠いんだけど、まぁ母さんと二人で暮らしてた頃よりは自由で楽しいかも。
いや、これじゃ母さんに悪いか。
太陽が頂点に来てないって事は、今から戻ればいい頃合いかな。
100m約10秒。5キロならそのまま500秒。
×5周で2500秒。
理論値41分40秒。
現状最高記録は46分41秒、5分1秒のロスだ。
パン屋で飯食ってる時間は5分くらいあるけど、それは除外してな。
いつも3時間目の歴史の初っ端に抜け出して、帰ってきた頃に板を全部写し、そのまま至福の昼休みだ。
午後の4時間は訓練だから、休んで回復。
これが気持ちいいんだあ。
パンを口に詰め込み牛乳を一気飲み、ちょっと腹が痛いこの感じで走って帰る。
これを繰り返してきたせいか最近内臓も強くなった。
まぁそれに関しては計算外。
「......うっし。帰るか!」
鞄を肩に掛け、靴紐を整える。
学生服のボタンを下から付け直して、帰路に突入した。
「昼休みだぁーーーー!」
「お前3時間目の習慣やめろよ、汗臭くて苛々すんだよ。」
「うるせえ。お前だって授業受けながら静かに後方席で筋トレすんのやめろよ。バレバレだからな?」
「うぜぇ。あ、午後の訓練付き合えよ。今日も一緒に組んで、あのロルナレト先生を今度こそ倒す。」
「あぁ、そろそろ勝ちてえな。まだ俺達の組くらいしか先生に攻撃掠ってすらねえんだ、この勢いで倒すぞ!」
「連携ミスんなよ?俺が詰めるタイミングでお前は竹刀を打ち込め。俺はそれを防ごうとガードが開く部分に拳を入れる。この作戦をとことん突き詰める。」
「おっけえ。体力切れてばてんなよ、俺は鍛えてるからねぇけどな?お?」
「体力測定俺一位だぞ、嘗めてんのか。いつも最後の1分お互いヘロヘロだろうが。」
「まぁな。でもよ、後一月したら絶対体力も上がって追い上げられるぜ。頑張ろうや、フィスタ。」
「おう、ブレイド。」
親友のフィスタ。
ちっちゃい頃から王国外れの村で仲良く育った幼馴染で、毎日朝から晩まで体力勝負をしてきた。
その功か、二人揃ってフィジカルお化けになり、肉体的能力は一年中フィスタ1位、ブレイド事俺が5位だ。
昼休みになると、お互い食堂の端っこで飯を食いながら、訓練の対策を練ってる。
この時間が一番楽しいな。
「二人とも、午後の訓練に支障を来さない食事にしたらどうです?フィスタは揚げ物、ブレイドは肉物。」
「熱心に対策を講じるのは良いですが、それで運動性能に影響が出ているようでは愚かです。」
「良いですか?筋肉の疲労を回復させるのに効果的なタンパク質やビタミンを多く含む大豆やほうれん草、そして根菜類といった直接的なエネルギーにもなる物を積極的に取り入れ、戦闘時の助けーーーーーーーーー」
「あーーーー、うぜぇ。好きなもん食わせろっての。
説教は負けた後な、クラス。」
「うざい!?しょ、ショックです。ここまで有難い座学を無視し、日々筋トレに勤しむ貴方達を心配して、私は話をしているのですよ?」
「なぁブレイド、何でこいつ天ぷらとカレー食いながら栄養学の話してんだ?」
「馬鹿なんだろ。」
「こ、これは、好きな物を食べてるだけです!貴方等もそうでしょう?」
「別に。てかお前、また年中間期の6月テスト、1位なんだって?マジすげぇな。」
「ん?いえ、大した事は無いですよ。あんな物、歴史本の要点を中心に補足内容を全て記憶してしまえば、後はその中から求められる問題にそのまま暗記内容をコピーするだけです。皆さんは何位だったのですか?」
「......……………719位。」
「ブレイドマジ馬鹿だな。俺は506位。」
「二人とも団栗じゃないですか。なるほど、天は二物を与えず、とは正にこの事でしょう。
7月から始まる団体戦、まず間違いなく私達を取り合おうと各学級の者達があれこれと世話を焼くでしょうが、そもそも我々で固まればそれで終わりでしょうね。」
「だろうな。周りはほぼ詰みで終わり、俺達は作業ゲーでほぼ終わり。面白い内容じゃないかもだが、良い成績は残しておきたい。そうじゃないと母さんに何言われるかわかんねぇし。」
「俺も。親父に顔面殴られちまう。保身の為にも、ここは堅く行くぞ。」
「ですね。となれば、食事後に段取りを固めてーーー」
団体戦。
それは、1〜10クラスある学級が、中央街を独占し、10日間に及ぶ戦争のような物を行うイベント。
7月に一年二年三年、8月に四年五年六年がそれぞれ上旬中旬下旬を占め開催する。
試合の内容は、1〜100人の定員でチームを組み、各々が好きに潰し合うという物。
個人にそれぞれ現状のステータスを模した数値が付与され、それによる擬似的な体力を残機とし闘いを勝ち抜く。
武器は貸し出される致死性のない物を使い、或いは使わずに五体のみで戦闘をする形式となる。
観戦も出来るよう、巨大水晶に戦闘の風景を転写し、それを周辺街などの外部で鑑賞する。
生徒は、転移装置で周辺街の寮に普段通り帰寮、自部屋で観戦だ。
戦闘中の食事や睡眠の時間はちゃんと設けられており、これを破った者は失格でもう団体戦には参加出来ない。
朝の8時から午後の5時まで戦闘。
それ以降は自由行動だが、店などは7月8月の団体戦に合わせ一時閉店の為、他学年と同じく学院の転移装置を使い周辺街で生活をする。
「マジ、楽しみ過ぎてやべえよ。」
「ロルナレト先生を倒したってなりゃあ、圧も凄えよな。」
「えぇ、凄いでしょう。存在自体が脅威、味方となれば途轍もない効力を発揮します。この調子で、16.17.18.19.20.21と年齢を重ね、最高の戦績で学院を出ましょう。」
「あぁ、んで絶対にギルドに入って、でかい男になるんだ。フィスタもギルド来んだっけか?」
「けか?じゃねえ。全員そうだろうが。ギルドは実力主義だ、学院で成績が良けりゃ、そのまま好待遇を受けられるって話だ。ここで頑張って、それを毎年の計6年頑張れば良い話。」
「えぇ、ですね。あ、フレムにも声を掛けて来ます。彼、いつも食堂の端で本読んでますから、連れて来ますよ。」
「おう。………………フレム、マッチとかライター使う時、半端じゃ無い燃え上がり方するよな。
どうにも熱魔力の系統者の中で、ズバ抜けて素質あるとかって先生が言ってた。」
「ふぅーん、まぁ俺達は肉体関連の魔力だし、あんま馴染みねぇな。」
クラスとフレムは別の村に住んでる奴等で、俺達と面識を持ったのは10歳の時。
半成人の祭りで周囲の村々が交流会を行った時、知り合った。
ぶつくさ辞書みたいなのを読んでる眼鏡と両親にコソコソつき回ってる髪伸ばしてる根暗って印象の二人だったけど、今思うと声を掛けたのは必然だったのかもな。
何でかは分かんないけど、隣村で仲の良かったフィスタと二人であいつらに声掛けに行ってたんだ。
気付いた時には足が、って奴か。
不思議だよな、人の付き合いってのは。
それからは、一緒に村を行き来して遊びに行ったり、泊まりに行ったりと仲良く遊んでたもんだ。
因みに俺達の入学時の測定順位だけど、
ブレイド 学力 799位 体力 5位
フィスタ 学力 678位 体力 1位
クラス 学力 1位 体力 940位
フレム 学力 10位 体力 247位
まぁ分かりやすく俺とフィスタは武闘派、クラスは頭脳派、フレムは中立派だ。
こんな感じで完璧人間が居ない俺達は、昔から連んでそれを補って来た。
だから、これからもそうする。
それだけだ。
「あ、そういや午後の時間、ロルナレト先生と他にもう一人、新しい教師が来るってよ。男の先生だけど、何か凄いらしい。」
「フィスタ、それマジか?んじゃ俺達、その先生にも勝てれば、もっと名を売れんじゃねえの?!なぁ?」
「二人とも、先ずはロルナレト先生ですからね。
そもそも勝ってないのに、勝った様な前提はあまり感心しません。」
「……ほんと、少しは考えたら?……後10分で午後。」
「フレム、今から飯かよ?って、食パンと水ぅ?」
「またいつもの守銭奴発揮してんのかお前?無料の水とパンで誤魔化せるわけないだろ!金掛けて飯を食え!」
「………人の勝手だろ………筋肉。」
「筋肉ってなんだお前!おいフィスタ言われてるぞ!」
「お前もだろうが。」
「まぁまぁ。……ふ、昔と変わらない。」
こんな毎日を過ごしている。
そんな俺達の平凡に楽しい日常を、突然覆される事になる。
気力が湧けば書き進めてこうと思います。
深夜帯がイメージ湧いてくるんで、その時間帯に起きてれば書くかも。
投稿は夜の7時くらいかなぁ。




