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英雄までの物語  作者: ノンプロット
一年期七月上旬 団体戦
17/113

十四話 団体戦初日

ブレイドの実力が少し出ます。









「ーーーーーー大体把握しました、私達は今回、中央街の南端の外門に飛ばされた様です。

 一応聞きますが、怪我等は有りませんね?」



「これで怪我する奴はお前くらいだ、安心しろ。

 そんなのはどうでも良くてよ。

何でクラスお前、中央街の各地形なんて知ってんだよ。

 そのメモ帳に全部書かれてんじゃねえか。」



「備えあれば憂いなし、必然の事。

 私は午前授業3時間が終了した後の昼休みに、少しずつこの外周5キロある中央街の各地形をこの手記に記録していたのです。

 ブレイド、貴方の様に1時間の休みの中で外周5キロを5周出来る様な逝かれたスタミナは私には有りません。

 これでも六月中の昼休みをほぼ返上して、この様な事に備えていたのです。」



「………クラス、有能だね。」



「間違いねぇ。俺達みてえな脳筋には無理だな、ブレイド。」



「あぁ、ほんとな。

 やっぱりお前は俺達に足りない外回りの部分を埋めてくれる、リーダーに持ってこいだ。」









皆が納得の顔でそれに頷く。

 クラスも見たかと言わんばかりのしたり顔であった。


あったが。








「私リーダーだったんですかぁ!?

 初耳ですよそれ!」



「え、だって俺達を纏める脳なんだから、お前が指揮しねえと動けねえだろ?

 任せたぜ、隊長。」



「そ、そんな。

 ………………有り得ない重責だ。」








そんな事をぼやきながらも一切の時間を無駄にせず常に周囲へ活動範囲を広げていくその姿に、皆の安心が生まれているのだが、当人は必死なので気づく余裕はない。







全員が手持ちを確認する。


ブレイドは木剣。

 特に何の特徴もないが、癖のない武具程気楽なものもない。

 尚この場には魔力に精通するものがいないので誰も気付いていないが、腰に提げている竹刀には既に魔力の靄が掛かっており、この木剣一撃で出すダメージが魔力出力に相当しているのは今は知らない。



フィスタは手に持参の布を巻いている。

 本当に只の布だが、常日頃から巻き付けているせいか当人の加速魔力を浴びその本質は若干変質しており、これを巻いた手甲による打拳は日々速度が強化されているのだが、これも秘密。



因みにフレムは先程からライターの火付けを回している。

 それにより何が起きるかと言うと。








「うわぁおまびっくりしたぁぁ!?」



「………僕の炎だよ。

 何も驚く事はない。」



「いや範囲範囲!!

 そのライターの口から出てる炎の体積やばいって、成人男性1人分くらい有るぞ。

 心強すぎんだろ。」



「ふ…………本気でやればもう少し伸びるかな。」



「マジでやめてくれ、ブレイドは良いが俺の布に今引火したぞ。

 まぁ燃えてるの格好良かったけど。」



「解ったよ、控える。

 でもブレイドも、どれだけ僕の魔力出力が強いから解ったろ?

 正確には、熱魔力だから効力があるのだし、仮に君が使ってもただエネルギーを垂れ流してしまうだけだしね。」








かなり恨みを持たれている様だ。

 まぁ自分の個性が上塗りにされたのだ、当然の対応だろう。


流石にこんな爆炎を見せ付けられたら誰でも怖じける。






そんなこんなで各々が自身のスタイルを再認識した所で、状況が動き出す。



遠方を視察していたクラスが焦った顔で此方へ駆け戻ってくる。

 クラスがいた方向は南門を入った位置から北、正面側の大通りだ。






俺達も異変を感じ直ぐに目を向けた。


………………いやいや、それはやり過ぎだろ。








「ひゃ、100人近い人数が、我々の居る南門方向へ足を進めています。

 流石にこれでは質以上に数で此方が参ってしまいます、急いでこの場を離れます!」



「わ、分かった。

 おいフィスタ、俺は先頭でクラスを守る、お前は後方でフレムと固まってくれ。」



「「了解。」」








そうして俺達は、正面200メートル付近まで侵攻してきている集団から急いで離れていった。


目指す方向は、東。

 一旦ベル街の方に続く外周を進む事にした。























そうして静かに、迅速に距離を置きながら俺達は外周1.3キロ弱を移動した。

 周囲を警戒しながらではあったが、あまり遅いと追いつかれる為割と走った。



そうして今、俺達は東の外門に辿り着き。









ーーーーーぶっ潰してやるぅぅぅ!!

ーーーーーグシンの勧誘を断ったな!?

ーーーーー調子には乗らせない!






そんな声を同様に挙げるグシン達一行、総勢10名ほどと邂逅した。


正直安心してしまった。






彼らのステータスを見たわけではないが、体捌きや息の調子からもあまり鍛錬を積んでいる人間達でないことが分かったからだ。

 隠さずに感想を言えば、








「烏合の衆だな。」



「んだとブレイドてめえ!

 ステータス画面には大層な数値が出てたみてえじゃねえかえぇえ?

 どうせエラーだ、学長より高いなんて有り得ない、そんな学生が居たら化け物でしかない!」



「そうよ!

私達みたいな中堅前後の人間でもね、やるときはやるのよ!

皆んな、円形に包囲して!」








ぞろぞろとにじり寄りながら、俺達四人を囲む。

 確かに倍以上の人数という事にはなるが、だからといって緊張感も何もない。


フィスタはまだかまだかと拳を握り続けたせいか、血が流れ出ている。

(基本的に外傷は受けないが、自傷は学院の管轄外となる。)






距離にして10メートルほどの間隔まで詰められている。

 どう壊すか。





ーーーーーー皆さん待ちなさい!





その時、クラスが声を張り上げる。


全員がそれに耳を驚かせ、中央へ視線を向けた。

 無論俺達もだ。





俺の背から出てくるや否や首のプレートを触り、ステータスを周囲へ見せ始めた。









「私のステータスを見なさい!

 これでも戦いますか!?」



「あぁ!?どんな自信がありゃあこの状況で見せようってなんだーーーーーーんだ、この数値。」






ーーーーーーーーーーー

レベル  10

体力   300

魔力出力 90

ーーーーーーーーーーー







グシン一同がそれを見つめる。

 空気が、重い。






そして数瞬の後。


爆笑が起きる。








「な、何だそれぇぇ、弱すぎんだろお前ぇ!」



「笑わせないで!本当に戦うか迷っちゃうから!」



「そう、それです!

 こんな雑魚を倒したところで貴方達の成績には何ら響かない!

 ここで一つ考慮の余地を設けて頂き、熟考の末諦めて頂くというのは可能でしょうか?

 私としてもこの様な戦い、無残な結果になるだけなので穏便に済ませたいのですが、皆さんの為でもありますし。」









グシン一行はそれを聞き、再び笑い出す。

 今度はボリュームを抑え、更に滑稽だという雰囲気を作る。



クラスは何をしてる。

 今から俺達は戦うんだろ?これじゃあまるで俺らの事を信用してないみたいじゃ。


ーーーーーーいや、違う。






なるほど、成る程、おお、そういう。








「おいブレイドォ、お前の所のリーダーはよおく立場を分かってるみたいだぜ?

 結局雑魚はこうして狩られるのを望むって訳だ!摂理だなぁおいィ!」



「全員、あの眼鏡を優先しなさい!

他は集中しなければ絶対に無理よ。」



ーーーーーーはい!








そして、ピタリと笑いが止まったと思った刹那、グシンが不可解な事に地面に臥した。



否。




笑いを止めたのではなく、止められたのだ。

 その場からは誰も動いていない、では一体何が。








「あぁ、上手くいったぜ。

 王城の武道館でしかやった事なかったもんで失敗するか不安だったが、見事に成功したな。

 大丈夫か?グシン。」



「て、てめえ。

 何、を。」



「真空波、みたいなもんだ。」







以前に巳浦がロルナレ家の者に見せた魔力の斬撃。

 それを遥かに劣化させた物だと認識すると分かり易い。


だが、劣化というのは彼と比べたらの話である。





この瞬き2回ほどの時間に、誰の意識にも介することなくグシンの腹部に叩き付けられたその素振りによる魔力真空の威力は、たった1発で当事者の顔面から血の気を引かせ、同時に体力値1000を全て削り取った。


彼は向こう側の武力No. 1であり、それが一振り。

 弱点ですらない一撃でこの有様だ。



こちらへ歩みを進める。






敵の女子生徒がグシンも共に皆を連れて東門正面方向、中央へ退避しようとした。


だが。






ずしゃり。

進路を一瞬で妨害される。






10人が前に視線を向けると、そこには3秒ほどで回り込んで来たフィスタの姿があった。








「じゃ、邪魔よぉぉぉ!」








半ばその現実に混乱したのか、焦って小口のサイズの木剣を振り回してきたが。



がしり。

 簡単に右手首を握り込まれ、80キロ近い握力で無理やりその武具を落とさせた。







「い、痛っ?や、やめ、離して!

お、折れ、折れるッ」



「なら目を瞑れ。」



「へ?ーーーーーーわ、分かった。」








首、頸椎部分に鋭い左手手刀を入れ、静かに気絶させる。

 倒れ崩れそうになるのを抱き止めてやる。


内心女子に触れて緊張と若干の興奮感が有ったが、今は切り替えて正面を向く。






ナジャと浮き出るプレートを確認し終え後で謝る事を決めつつ、相手側の残る女性陣に渡す。








「まだやんのか、どうする?

 彼女はグシンとかいう奴と違ってリタイアはしてない、逃げるなら今の内だぜ。」










ーーーーーく、くそお。

ーーーーーグシンの奴弱いじゃんかよ!

ーーーーーどうしたら良いんだ?!





軽い混乱状態に陥っていた。

 だがそこに、ある男が救いを下した。








「それならば、私達と共に行動しましょう。」








その言葉は、深く精神に響いた。


倒れ込むグシンとナジャを除き、敵チーム8名が皆全員、クラスの提案に唾を飲み込んだ。




それはもう、受けるしかない提案である。

 もしそれを断ったら。







爆炎が上がる。


突然景色に映り込む異常な火炎に瞼を見開く。








「………団体戦は倒すことだけが評価にはならないよ。

 どれだけ生き残れるか、それも重要さ。

協力してくれるならまぁ、9日は生存させてあげるよ。

 受ける?」



「どうでしょうか?私達のサポートをして頂くというのは。」


























追い討ちで威嚇したフレムの行動が後押しし、結果として全員がこちら側に付いた。

 ここまで考えていたというクラスの話を聞き、何て思考の回転力なんだと再認識した。






現在正午付近。

 先のやりとりから3時間弱経過しており、順当に時間を進めていた。

 現況は外を監視しやすい二階建ての宿に侵入し、それぞれが行動していた。





気絶したグシンは直ぐに感知した教師に連れられ脱落していった。

 ブレイドの全力の素振り真空を腹に受けてはいたが、見た目にも出ない程の欠陥技だ、強烈な痣のみで済んでいた。





一安心の顔付きでパンを食べている彼女の元にフィスタが寄る。

先の件で一言謝っておきたかった。






パンを水で解し飲み込んでいる彼女の元に近付き、横に座る。

 少し吃驚している様子であったが、フィスタが女性に敵意を持たない人間である事は分かっており、緊張を崩す。


中央にある二階へ進む階段。

登った直ぐ正面の一部屋に今二人はいた。








「さっきは不意打ちして悪かったな、傷跡はあるか?」



「もぐ…………無いわ。

 加減してくれたのは解ってる、ありがとう。」



「だとしても、成り行きだとしてもだ。

 俺は女に手を挙げる奴は相応の理由もなければ断じて許される物では無いと思ってる。

 謝るぜ、悪かった。」



「んぐ……………十分な理由になると思うけどね。」







午前8時前に学院から渡されたその日の食料であるパン二つとバターに2ℓ水筒の内、パン一つと水半分を飲み終えた彼女は少し息を落ち着かせていた。






一度に色々なことが起こりすぎている。

どうしたらこんな、敵と組む流れになるのかと。



グシンが先手1発で仕留められた時点で、明らかな実力差があった。

 でもそれにしたって、何でこんなにも組に差が出るのか、納得出来なかった。





聞くところによれば、グシンの提案を断ってこの実力者3人を固めたのは先の真空斬撃を使ったブレイドだという話だ。

 飲み下せない。






そんな事を考えつつ水の残量に少し不安を感じていると、横から水筒を渡される。

 一本そのままの状態だ、口もつけられてない。


横を見つめると、パンを噛み潰さないように飲み込むフィスタの姿があった。




慌てて自分の水筒を渡す。






「胃壊しちゃうわ!

 ちゃんと噛まないと。

 ほら、水。」



「ん……………良い、持っとけ。」










「良くない!」



「うおっ。」






あまりの剣幕に、いや、その心配そうな顔に動揺した。

 元々その赤い髪を纏めた三つ編みは嫌いではなかったが、それが勢いで緩み顔に倒れてきた。


押し倒されていた。






「私の家質素だから、貴方のその光景を見たくなかったの。

 3歳で死んだ弟、原因が餓死だったから。」




















「餓、死。

そうか、不快な気分にさせちまったな。

 悪い、一緒に居るとナジャに悪そうだ、俺はもう下に移る。」



「え?」







立ち上がり齧りかけのパンだけを一つ持って去ろうとする。

 その気配からもうここに戻るつもりはないというのが解ってしまった。



様々な記憶と重なり咄嗟に思考が狂い。











「あ"っ!?」








扉の左側にあったベッドに自分もろとも突き飛ばしていた。






フィスタは自身の体に伸し掛かる優しい重みに反応してしまい、本能的に動悸が起きていた。

 何だ、どういう事だ。







「私の名前、倒れてる時に確認したの?」



「え?…………あ、あぁ。」








胸元で凡ゆる箇所を押し付けられて興奮しないようにするので一杯のフィスタに、どういうつもりか頬擦りしてきた。


まずい、フィスタの脳は異性との激しいスキンシップにたじたじであった。








「とても優しいのね。

 しかも並の人より遥かに強くて、逞しい体。

ーーーーーーきっかけは奇怪だけれど、その。」




「あ、あぁ。

何だ。」




「貴方の事…………いいえ。

フィスタの事、とても興味があるわ。」



「え、えぇっと。

ーーーーーーんっ?!」









右頬に柔らかい感覚がある。

キスだ、キスされた。



客観的に受け止めているようでその実、思考は死んでいた。






自然と彼女を右手で抱え、左手を頭に添えた。

 突然の出来事、現実にも関わらず、体は動いていた。







「団体戦、頑張ってね。

 今日が終わったら、その日の夜Aクラスの女子寮区画に来て。

周りの皆んなに紹介したいの。」




「紹介ってのは、その、」




「ボーイフレンド。

 貴方が良ければその、か、彼氏になって欲しいなぁ、なんて考えたのだけれど、嫌?」



「付き合うよ。

 俺も君の赤い髪が、左前に下げた三つ編みが綺麗で気になってた。

 良ければなんてそんな、この上無いぜ、俺。」




「わ、私だって、貴方の赤味がかった髪、似てたから少し気になってたの。

 似てるね。」









時刻はそのまま奇跡的に流れていき、穏やかな流れで午後5時を迎えた。



























「お前、その女子どうしたんだよ。」







何故かフィスタとナジャが連れ添って動いていたので問いただしてしまった。


今は午後5時を迎え、一先ずの成績書を教師が渡し終えた頃であった。






「いや、何つーかその、お互い今回の件で仲良くなったっつーか。」



「貴方達のお蔭で素敵な人に会えました。

 ありがとね。」



「え。

 お前何?やんの?俺達の事利用した?」



「ち、違え!

 彼女から俺の事押し倒したりベッドに投げ飛ばしてきたから、流石に応えるしか無いと思ってな。」



「何ィぃぃぃいいぃ!?」








突然繰り広げられる、学院一階広場での激しい手合わせに、今日を生き延びて、或いは脱落した者達が皆魅入っていた。


凄まじい迫力の打ち合いである。






フレムとクラスは二人の妙な雰囲気に宿の時点で気付いてはいたので、まぁこうなるかという具合で見つめていた。





そしてそこに燃料を投下する。







「私に手を回して、ベッドで頭を抱えながら寝てましたよ。

 積極的だから、驚いたわ……………ふふ。」






「おおぉおおおぉぉ真空剣ぅぅん!」



「ぐはぁっ!?」








流石にこれには堪える。


だが彼女、ナジャの前で恥は晒せない。

意地で無理矢理耐えた。




それを見たグシンは、ぶっ飛んだ耐久力に驚きを隠せなかった。

 あんな男、男女に関係なく惚れるだろう、と。






そして、甘えた真空剣の軌道を見切り右脚で打ち上げたフィスタは、本日全力の、渾身の左打拳をブレイドの腹に打ち込む。


鈍い音がした。







強烈極まりない打撃は何と魔力の防御を貫き、ダメージとして入った。

よりにもよって脇腹、水月だ。







「うぐぅぇっ」



「………ぐぉっ。」








二人が共に強烈な一撃で共倒れし、手合わせは終わった。



そして、熱狂と共に大きな歓声が上がる。


この戦いを見ていた生徒達、だけではなく。

教師らも含めてであった。







圧倒的な至近戦を見せ付けたフィスタに、多くの女子が黄色い悲鳴を上げる。




そして、倒れるフィスタとは違い片膝を付いただけのブレイドのそのタフネスさに、多くの男子生徒が羨望の目を向けた。










それは受付を担っていたエイガにとっても例外ではなかった。




皆に転移で寮へ戻る様に指示を下しつつ、先程の打拳を自身が喰らったとしたらどうなっていたかを想像した。





「もし俺があれを受けていれば、間違いなく肋下を抱えて伏していた。

 間違いなく。」






今現在ブレイドのステータスは上がってはいる。


が、一瞬赤い奔流が走ったフィスタの拳は明らかにブレイドの纏う魔力の霧を貫いていた。



誰に教えられるまでもなく、自然と五体に流れる力の使い方を分かっているのだ。

 何という天性の才。





たった半月ほどで明確になる彼等ホープと自身との差に、煮え切らない想いを募らせていた。



















「あの人なんて言うの!?紹介してよぉ!」



「素敵な人ね、是非名前を教えて欲しいわ。」







「駄目駄目駄目、私の人。

 貴方達も団体戦で素敵な人を見つけたら?

まぁ、あの人も含めた四人組以上に魅力的な男性陣は居ないでしょうけど。」










きいきいとした叫び声が上がる中。







自室で腹部を抑えながら寝ているフィスタを優しい目で見つめ、朝食を振る舞う事を決めていた。





寝ているフィスタの気管に流れない様に水を飲ませ、休ませてやる。


少し落ち着いたみたい。








「おやすみ。

 明日も頑張ろうね、フィスタ。」








そして自分も布団の中に入り、彼の胸で安眠に入った。



フィスタとナジャの関係は、古い彼の者と被った。























〜〜〜〜〜







「俺は、力しかない。

 そんなんでも良いのかよ。」



「良いわ。

 貴方本当は優しいもの、分かってる。」







とても昔の事。







赤い髪を一束に纏める女性に言い寄られるその男。


街に襲い掛かる数十の魔物を数十秒で皆殺しにした血と、尋常ではない加速魔力の濃度により全身に走る紅い稲妻で真っ赤に染まり上がった黒髪は、恐ろしくも悲しい光景であった。




彼の血で汚れるだけの人生は、綺麗な赤髪の女性によってその日、美しい道に変わった。









今から2000年以上昔の話。



【血拳】

拳を極めし英雄涼木の、馴れ初めである。





過去の話は基本的にメインとしては出てきません。

自分の作った設定から語られる程度です。

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