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迷子の星の子たち  作者: みなとりいあ
はじまり
4/10

宇宙へ

いよいよ出発です。

「しばらく地球を離れることになるけど、もう出発していい?」

ロケットに乗り込んでしばらくすると、リオンが尋ねてきた。わたしが心を決めるのを待っていてくれたらしい。リオンは、すごくやさしい人だ。チリーがいばりたくなるのもわかる気がする。

わたしがいいよと言うと、リオンがチリーを呼んだ。

「チリー、はじめるよ。」

「はぁい」

「エネルギー、よし!」

「食糧、よぉし!」

「安全、よし!」

「元気も、よぉし!」

「お客さん、よし!」

ふたりが指を指しながら確認していく。最後にふたりで、

「点検、よし!」

と言うと、リオンが指を鳴らした。



しばらくして、窓から外を見ると、地球が小さくなっていた。

「うそっ!?もう出発してたの?」

「うん。さっきぼくが、指を鳴らしたでしょう?」

信じられないほど、揺れない。それに静かだ。

「すごいでしょう。リオンさんが設計したんですよ。」

チリーがさっきと同じことを言っている。見ると目をつむっているので、何を考えているのだろうと思っていたら、リオンが

「チリーは寝てるだけだよ」

と言った。



ぱっと、目が覚めた。辺りを見回し、ロケットの中だったと気づく。いつの間にか眠っていたようだ。チリーもまだ寝ている。リオンは、と探していると、

「アスカ」

と、後ろから声がした。リオンだ。リオンは窓から外を見ていた。わたしがとなりに立つと、

「あれ、見て。」

と、外を指差した。見ると、そこにはたくさんの大きな宇宙船があった。

宇宙船は、爆弾を投げ合っている。戦争だ。

「地球の宇宙船と火星の宇宙船だね」

「そうだね」

どちらの宇宙船にも、わたしやリオンと同じ、人間が乗ってるのだと思うと、怖くなった。

リオンは、ぼんやりと、それでも目を離さずに、激しく動く宇宙船を見つめていた。

読んでくださってありがとうございました。次は、月に着きます。

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