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迷子の星の子たち  作者: みなとりいあ
おつきみ
10/10

望遠鏡

お月見、決行です。

夕ごはんを食べ終わりお団子を持って外に行くと、昼に見たよりも地球が青く輝いていた。

地球がこんなに綺麗だなんて。

少し、信じられない気持ちで地球を見る。

「アスカは、地球なんて見たのはじめてじゃない?」

リオンが言った。

「うん。不思議ね、住んでいたのに見たことがないなんて」

わたしが毎日見ていた月も、チリーやリオンは見られないんだ。

「アスカはさ、地球にいたころ、毎日こっちをみてたでしょ」

突然、リオンが訳のわからないことを言い出した。

「なんで知ってるの?!」

「だって、僕らは毎日望遠鏡で宇宙を見ていたんだもの。地球を見るといつもこっちを見ているアスカがいるんだよ。時々目があったと思ったんだけど、気のせいだったのか・・・」

そんなの、当然だと思う。だって裸眼で月に建っているこの研究所やそこに住むふたりを見られる訳がない。

「ふふふ・・・」

わたしは可笑しくなって、思わず笑ってしまった。リオンって、頭がよくて優しくて、紳士だと思っていたけど、かわいいところもあるんだ。

「アスカ?なんで笑っているの?僕なんか言った?」

「言ったけど、言いたくない」

「なんで?!教えてよ!」

リオンがあわてている。なんだかすごく新鮮だ。

ふと見ると、チリーはお団子を食べていた。

「ほんとに美味しそうに食べてるね。そうそう、アスカが来てから、僕たちご飯がすごく楽しみになったんだ」

「リオンが焼くことと茹でることと塩をかけることしか知らないって聞いたときには本当に驚いた」

「お団子といいごはんといい、アスカはすごいや」

「多分リオンが料理出来ないだけだよ」

「ひどいなあ・・・」

またチリーのほうを見ると、お団子が半分以下になっていた。このままではわたしたちの分がなくなってしまう。

「リオン、お団子食べに行こうよ。なくなっちゃう」

「うわっ、ほんとだ!僕も食べたいのに・・・ちょっとチリー!そんなに一人で食べちゃダメだ!」

リオンが走り出す。わたしもリオンを追いかけてチリーのもとへ走った。地球を見ているのに地球のことを忘れていた。そんな幸せな空間だった。



望遠鏡で目があったら。。。なんだか楽しそうだなあと思います。

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