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鏡の中のアーシャ  作者: こぐま
探し物編
7/11

7話 出会い

 あぁ、まただ。あの暗闇の中に人がいるのがわかる。何かの警告なのだろうか、、次は俺の手を握ってくる。何かを頼み込んでいるように俺には見えていた。表情は見えないが何か悲しそうな感じがする。そしてまたあの光だ。飲み込んでいく俺たちを、、、



 ゆっくりと俺は目を開ける。電気はつけっぱなしになっていた。いつの間にか寝てしまっていたようだ。あの手鏡は机の上にある。手鏡からは声はしない。俺はそのままリビングに向かい、母さんが作ってくれたフレンチトーストを食べた。相変わらず、甘ったるい。まあそういう食べ物か、、、母さんが「美味しい?」と俺に感想を求めてくる。俺は「いつも通り」と答えて自分の部屋に戻り、制服に着替え、鞄を持った。机の上を見ると前みたいに手鏡はなくなっていない。アーシャは待ってくれているのだろう、、俺の答えを、、

いつもの行き道を歩き、学校へ着き、自分の教室に向かって歩いていた。「今日は望と話そう」何を話すのかわからない、けど普通に話したかった。最近カメラ探しにも行けてなかったし、、

教室に入ると、クラスメイトのの中に望みの姿はなかった。先生の話によると風邪らしい。ホームルーム中に先生から「真家、お前五木と仲がいいだろう。プリント届けに行ってやれよ。」先生がニヤニヤしていると他の奴らもニヤニヤし始めた。俺はうぜえと心の中で思っていたが、望の家に初めて行けると思っただけで嬉しさが爆発しそうだ。 

 俺は放課後、先生に望の家の住所と今日配布されたプリントを受け取り、望の家へ向かう。

そういえば望と知り合ったのはいつだっただろうか、、、



「相変わらず、ぶれるなー」

 高校一年の時、母さんの持っていた一眼レフで海の写真をとっていた。その瞬間を切り取った絵、写真とはそういうものだと思う。母さんが昔撮っていた写真があったがどれも綺麗を通り越して美しかった。母さんのようにその瞬間を綺麗に撮りたいと思うようになってカメラを借りていた。友達はというと環境が変わりすぎて全然いなかった。決して作れなかった訳ではなく、作らなかっただけだ。一人で写真を撮っていると、時間が過ぎるのが早く感じる。気づけば夕方だ。もうそろそろ家に帰る時、俺くらいの年の女の子が写真を撮りに来ていた。海に映る夕焼けの景色を撮りにそれも毎日だ。変わりばえのしない風景、何故彼女がそれしか撮らないのか謎だ。

 翌日も翌々日も彼女は同じ写真を撮り続ける。俺は彼女に少なからず興味を持っていたが、話しかけることが出来なかった。

 時は過ぎて夏休み中、俺はいつもの所で写真を撮っていた。帰る時間になると彼女がいつも通り撮りにやってくる。

 俺が帰ろうとした瞬間、彼女が話しかけてきた。

 「一緒に撮らない?」


俺は困惑していた。確かにいつも通りすがりではあったが、一緒に撮るほどの仲ではない。というか完璧に他人だ。

 首を傾げながら、「なんで?」と答える。


 「いつもここで写真撮ってるし、写真好きとして興味があってね、、前々から話しかけたかったんだ」


「いっつも、同じ写真撮ってるよな。海に映る夕焼けの写真。ここら辺だったら、花とか野鳥とか色々あるだろ?」


 「あるけど、私が撮りたいのはこの海なの」


彼女は鞄からアルバムを取り出して、俺の方に差し出してきた。見てみるとどのページも海に映る夕焼けの写真で一杯だった。


 「流石に飽きない?同じ写真で」


「弟が好きなのこの写真。だから撮り続けてるの」


「でも流石に撮りすぎだろ、、てか弟が撮りに来ればいいだろ」


 彼女は悲しそうな顔で答える。

「弟、病気なの。もう何年も寝たきりで、、だから弟の願いはできる限り叶えてやろうって決めたの,。」


 「それがこの写真か、、」

 俺は彼女の横に行きカメラを構える。


 「何してるの?」


 「どっちが海の写真を綺麗に撮れるか勝負しおうぜ」


 「いいけど、あなたまでも付き合わなくていいんだよ」

彼女は笑いながらこう言った。俺は真剣な表情をして

 「弟が喜ぶんだろ?そのためだよ」

 彼女は俺の言葉を聞いた瞬間、今にも泣きそうな顔をしていた。震え声で「名前教えてくれる?」と俺に質問してきた。


 「真家 新汰16だ。あんたは?」

 

 「五木 望同じだね私も16歳」





 望とはそこからだ。一緒に写真を撮るようになって一緒の高校だった時は驚いたな、最近では毎日のように遊んでる。と言ってもカメラ探しだったが、、彼女の顔を思い出す。そういえば、あの笑顔の裏には何か悲しい思いが伝わってきたな、、

 俺は立ち止まった。そして望の家に行くのをやめ、俺の家に向かった。ドアを開け、母さんにただいまとも言わず、部屋に直行し、机の上にある手鏡を手に取り鏡に顔を向けた。


 「アーシャいるか?」


「随分と早いね。決断はできた?」


「カメラはやるよ。こんな力を使って記憶を見るのもなんだが、なんか嫌な予感がするんだ。アーシャ俺に力をくれ」


「交渉成立だね」

 アーシャは笑顔で答える。


どうもこぐまです!!

作品を見てくださりありがとうございます!

もしよかったらコメントの方よろしくお願いします

「面白くない」とかでもいいんで、、笑

多分、10くらいで探し物編は終わる予定です、、

では!!

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