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「はい、かしこまりました」


店長がにこやかに返事をする中、ラビーンは俺の方に向き直り、グラサンの奥で何故か真剣な目をさせ言う。


「今も丁度一仕事終えてきた所だ。

そんでこっからは、」


「なんとリッシュくんの警護を言いつかってるんだ〜♫

っていってもまぁジュードがいるから俺等の出番はないはずなんだけど〜」


ひょい、とラビーンの言葉を横取りしてクアンが言うのに──


「……俺の、警護?」


思わず訝しんで、聞き返す。


いや、ほんと言うと単に聞き違えただけだったかと思ったんだが……。


「そうそう。

ボスが今の仕事終わったらリッシュくんの警護しに行けって言うんだよ。

前はさ、リッシュくん、借金踏み倒して俺らに追っかけられてた立場だったじゃん?

今は借金も返したって事だしボスとリッシュくんとの接点はなくなったんだな〜と思ってたんだけど」


「たぶんボスも、リッシュくんには見込みがあると思ったんだな。

リッシュくんの事何となく気にかける様な事言ってたしよ。

まぁ今回の件、俺らも詳しい事情は知らねぇが、何かな、ボスはどうやらリッシュの身を案じてるらしいんだよ。


それで優秀なエージェントである俺らが、リッシュくんの警護役に選ばれたとそーゆー訳だ」


言ってくる。


ゴルドーの野郎がこの俺の事を気にかける?


つーか……。


ラビーンとクアンが優秀な、エージェント、だぁ?


その言葉には大いに疑問を感じるぜ。


……。


こいつぁよ、もしかしてもしかしなくても……。


──単なる厄介払いか?


どう考えても仕事なんか一ミリも出来なさそーなこいつらを、かと言っていつも通りにフラフラさせてサボらせてたんじゃ周りに示しがつかねぇ。


俺が賞金首だった頃はこの二人に俺を捕まえる任務でも与えときゃ良かったが、今はその任務もお払い箱になっちまったからな。


苦肉の策で俺の警護とか何とかテキトーな任務を与えておいた、とかまぁそんなトコだろう。


思わず半眼で二人を見るが、二人が俺の表情に気づいた様子はねぇ。


……ったくよ。


ゴルドーの野郎もまた何でそこまでしてこんな奴らを雇ってんだか。


サッサとクビにしちまう方がゴルドー商会の為になりそうなもんだが。


……ま、ゴルドーの野郎がこの二人をどーしよーと勝手だが、俺をダシにされたんじゃ堪らねぇ。


俺はラビーンの方に向き直り「あのよぉ、」と声をかけかけたんだが……。


「ああ、リッシュくん、礼はいらねぇぜ。

リッシュくんの事はこの俺がちゃあんと守ってやるからな。

大船にでも乗ったつもりで安心して任せてくれ」


「うんうん!

俺らがバッチリ警護してあげるからね!」


言ってくる。


俺は「いや、あのさ、」とムリヤリに再び口を開き直す。


でねぇとしゃべらせてもらえねぇ様な気がしたからだ。


「〜んな、警護なんて必要ねぇよ。

それこそ賞金首ん時とは違って、俺は別にこの頃は命狙われるよーな事なんかこれっぽっちもしちゃいねぇんだぜ?

何もねぇのにいきなりジュード入れて三人に警護されるとか一体何なんだよ?

『リア』ならともかくよ……」


言う。


まぁ、『リア』だって実際はこの俺なんだから警護が必要ねぇのは一緒だが。



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