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簡単な身支度を整えて、犬カバと共に一階にのんびりと降りて行く。
もちろんジュードが気を利かせて俺の分の朝食を用意してくれてる……なんて訳もねぇから、何か食いたきゃ外に食いに行くしかねぇ。
ちら、と足元近くの犬カバへ目をやる。
見たトコ別に腹減っちまってるって感じもねぇし、たぶんもうとっくに朝食は食ってんだろう。
もしかしたらそれこそジュードが何かテキトーにやってくれたのかもしんねぇ。
一階に降りると壁際にお飾りみてぇに置かれていた木の丸椅子にジュードが腕組みをして座っていた。
まぁ別に特にやる事もなくてヒマなんだろーが、どーもそこでそーやってられると監視員みてぇで落ちつかねぇぜ。
実際ジュードは俺が降りてくると本当に監視員みてぇな目でこっちを見てくる。
いやいやいや、俺をここで監視する理由も意味もねぇだろ。
俺はジュードの視線に軽く肩をすくめ、
「飯食いに出てくる」
それだけ告げてそのまま外へ出ようと玄関の方へ向かう。
犬カバも当然の様に俺の足元をついてくる。
また飯にありつこうってぇ魂胆だろーし、そいつは別にいいんだが。
俺の言葉にジュードがすっくと立ち上がり、何故か後についてくる。
う〜ん、こいつはやっぱり、だ。
俺は戸口のドアノブに手をかけ、そのまま後ろを振り返る。
ジュードと思いっきり目が合った。
犬カバがきょと、と俺を見上げる中、俺はジュードへ向け言う。
「〜あのよぉ、さっきから何なんだよ?
何か俺の事監視でもしてんのか?」
問うとジュードが無言で俺を見下ろしてくる。
おうおうおう、お得意のだんまりか?
思い、次の言葉を投げかけようと口を開きかけた──が。
それよりは少しだけ早く、ジュードが口を開く。
「──別に監視をしている訳じゃない。
レイジス様から、道中のお前の身を守る様命を受けている。
出かけるのであれば同行はさせてもらう。
ただそれだけだ」
言ってくる。
口調と態度から察するに、まぁウソって訳じゃあなさそうだ。
トルスのこの街に着いた今も『道中』になんのかどうかは分からねぇけどな。
それにフツーに考えりゃあ、この俺にわざわざ護衛なんてつける必要もねぇんだが……。
レイジスの事だからな。
『リアの大事な双子の弟』に何かあっちゃあいけねぇと、そーゆー事なんだろう、きっと。
やや微妙な心持ちはするが、別にジュードが付いてきて困るって事もねぇ。
俺はジュードの答えに「へ〜ぇ」と気の毒さ半分に返し、そのまま玄関の戸口を開く。
開いた瞬間、太陽の光が外から一気に流れ込んできた。
懐にしっかり前にゴルドーに依頼の報酬としてもらってたカフェのチケットがあんのを確認しつつ、俺は勝手についてくる犬カバとジュードを引き連れて朝食を食いに出たのだった──。




