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◆◆◆◆◆


『ドゴォォォォンッ!!!』


というものすげぇ音と衝撃で、俺は目を覚ます。


寝ぼけ眼に天井がぐらんぐらんと揺れて見える。


後頭部から背中から足から、床に強打した部分が全部痛ぇ。


……どーやらベッドの上から落ちちまったらしい。


「クヒ?クヒヒ?」


同じく半分寝ぼけてんだろう犬カバがベッドの上から俺を探してキョロキョロすんのが見える。


俺がへろへろっと片手を上へ上げ無事と居場所を示すと、犬カバがベッド端からぴょこんと顔を覗かせて「クッヒー!」と声をかけてくる。


『大丈夫か!』と、そう呼びかけてきてるらしい。


俺がそいつに「お〜……」と力なく答えていると。


「〜一体何の音だ?!

大丈夫か?!」


と、慌てた声と同時、バンッ!と部屋の戸が開く。


開けたのはこれまたよく知った顔──ジュードだった。


ジュードは戸を開けたままの状態で俺の姿を見、そして──……。


ハァ、と一つ大きく息を吐く。


何だかバカ者にするよーな、そーゆー息の吐き方だ。


「いい加減起きたらどうだ?

もう昼を過ぎているぞ」


男装ん時のミーシャみてぇな事を、言ってくる。


俺はそいつに寝ぼけ眼のままで「お〜……」と力なく答える。


──ここは、トルスの旧市街にある俺(が勝手にそうしてるだけだが)の家だった。


あの後──ダルク墓参りを終えた後、ひとまずこの家に戻ってきた。


犬カバとジュードは、まぁおまけだ。


俺と犬カバはもちろんこれまで使ってきた自分の部屋を。


ジュードにゃ一応、ミーシャが使ってた部屋が空いちゃあいたが、ジュードにその部屋を使うってぇ選択肢はなかったらしい。


誰も何も言わねぇ内にリビングのソファーを寝床にする事にしたみてぇだった。


ヘイデンやゴルドーん家で寝泊まりさせてもらえりゃあ んな事もなかったんだが……。


まぁ、何となくな。


この家も長い事空けてたしよ。


それにしても……。


──……やっと、ダルクをちゃんと墓に入れてやる事が出来たんだな。


そんな事を、しみじみ思う。


ここまでくんのに随分長い時が経っちまった。


とてん、とベッド上から下に降りてきた犬カバが俺の顔の真横まで来て「クヒ?」と首を傾げる。


心配してってよりは『どーかしたのか?』って問いかけてるみてぇだ。


何だかちょっと黄昏ちまったなんて言える訳もねぇ俺は


「──別に、何でもねぇよ」


それだけ言ってふーっと深く息を吐き、そーしてよーやく上体を起こす。


ベッドから落ちた時に打った頭や背中がズキズキした。


頭をポリポリ掻いて生欠伸をしているとジュードから声がかかった。


「──そういえば先程、ゴルドー殿とギルドで会った。

レイジス様とミーシャ姫から、ゴルドー殿の所に電話があったと言っていたぞ」


言われ、


「〜へっ?

ミーシャから?」


パッと一瞬で目が覚める。


ゴルドーの名もレイジスの名も出ていた気もするが、まぁその辺はどうでもいい。


「電話ってなんだよ?

何でゴルドーんトコに?

何でもっと早くに起こしてくんなかったんだよ?」


矢継ぎ早に言うと、ジュードが「起こしたが起きなかったんだ」と半分ムッとした口調で言ってくる。


口調から察するに、どーやら本当に一度しっかり起こしに来てはくれてたらしい。


……まぁ、昨日はダルクの弔いして色々疲れちまってたしさ。


多少熟睡しちまってた嫌いは確かにあるかもしんねぇけど。


けどよぉ。


ちょっとくらいミーシャの声が聞きたかったぜ。


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