15
俺はギュッとペンダントの石を握り込み、自分のズボンのポケットの中に入れる。
確かめてみなけりゃならねぇ、と思った。
ダルクと、この紋章。
そしてセルジオ・クロクスナーとの関係を──。
◆◆◆◆◆
ダルクの墓の前には、十二年前と同じメンツが揃っていた。
ヘイデンとシエナとゴルドー、そして、俺。
そして──十二年前にはなかった顔が二つ。
ジュードと犬カバだ。
──いや、もう一つあったか。
十二年前には空だった墓の下には今はダルクが埋まっている。
──ダルク・カルト ここに眠る──
ようやくこの墓の文字もウソじゃなくなったって訳だ。
墓前にはシンプルだがきれいな、空色を基調にした花束が供えられている。
もちろんこの花を用意したのは普段からセンスの悪さで定評のあるゴルドー……な訳もなく、フツーにシエナだった。
──持ち帰ったダルクの遺骸と対面しちまったら、シエナは泣き崩れちまうんじゃねぇかと心配した俺だったが、実際はそうはならなかった。
ただ、切ない表情でダルクを見つめ、
「──おかえり、ダルク」
そう、一言呟いた。
ヘイデンは普段と何も変わらねぇ。
眉間に僅かに皺を寄せ、目を閉じているのも同じ。
違うのはいつもの皮肉も嫌味も一言も発っさねぇ事くらいか。
俺はシエナの斜め後ろに立ったまま──……ただぼんやりとシエナの用意した花束を見つめる。
青空みてぇな空色の花と、薄く広がる雲みてぇな白のかすみ草。
一歩間違えれば悲しいばかりの色の取り合わせになっちまいそうだが、青色の花の花びらがピン、と元気に広がる形だからか、明るく元気な雰囲気にまとまっている。
ダルクの墓前にゃあ一番相応しい花束、だ。
──誰も、何も言わねぇ。
俺達はそのまましばしの刻をダルクの墓の前で過ごしたのだった──。




