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まぁ、それはそれとして……。


俺は何気なく、先頭を行くゴルドーの背へと視線を向ける。


ここ数日──。


こーしてただ黙々と歩き続ける中で、俺にゃあある一つの疑問が浮かんでいた。


──十二年前。


俺がダルを追っていったのは、本当にこの道、だったんだろーか?


こーして黙々と歩いてみればみる程、その疑問は強まってくる。


トルスにあるこの通路の入口から歩き進める事すでに五日間、だ。


もちろんここに入る前にゃあそれなりに食料やら何やら準備だってしてきた。


けどよぉ……。


いくらしっかりしてた(と俺は思うぜ?)とは言え、ガキの頃の俺にそこまでまともな旅支度が出来たんだろーか?


それにだ。


いくらダルを追ってたっつってもさ、この暗闇の中、一人でこの長い距離を踏破出来たのかってぇのも大いに疑問だ。


ランプを持ってた記憶もねぇし、食料を持ってた記憶もねぇ。


まぁ、俺の記憶なんてそう当てに出来たもんでもねぇんだが……。


思いつつ──俺は「なぁ、ゴルドー」と先頭を行くゴルドーへ、声をかける。


ゴルドーがそれに「ああん?」とガラ悪く、こっちを振り返りもせずに答えてくる。


俺の足元を歩く犬カバが俺の方を見上げてくる。


俺は問う。


「この道って昔俺を──っつぅかもしかしたらダルを、だったのかもしんねぇけど──追って来てくれた道、なんだよな?」


問うとゴルドーが背中越しに「ああそうだ」と返してくる。


不機嫌そうな声だ。


ジュードがちらっと俺の方を振り返った。


俺は構わず続ける。


「……ここ数日ずっと思ってたんだけどよ。

ガキの頃の俺が一人で行くにはこの道、長すぎじゃねぇかと思ってさ。

そもそもトルスからサランディールまでが、ガキ一人で歩いて渡れる距離じゃねぇってぇか。

ここまで一本道だし、迷う事はなかったろーけど」


思い切ってぶつけてみた問いにゴルドーは、


「そんなモン俺が知るか」


とたった一言で一蹴する。


そーしてそれで話は終わっちまった。


ま、ゴルドーなんて大体いつもこんなモンだが……。


何だろーな。


何か隠されてるよーな感じが……。


思いつつゴルドーの背を見据えている──と。


ゴルドーが ふ、とその場に立ち止まる。


ゴルドーの持つランプの明かりが、それに合わせてふわんふわんと揺れ動く。


道の先を見たジュードが、軽く息を飲むのが分かる。


その様子に──。


俺は“とうとう着いたんだ”と気づかざるを得なかった。


ほんの数秒の間を置いて、ゴルドーが


「さあて、到着だ」


言う。


そうして俺は──……。


変わり果てた姿でそこにいたダルク・カルトの姿を、十二年ぶりに拝む事になったのだった──……。

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