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レイジスが皆を集めてジェノと対談したあの日から数日が経った。


その間レイジスやミーシャ、ダンやガイアスはもちろん、今ではジェノやジュード、そしてゴルドーまでもが皆それぞれに忙しそうに立ち働いているらしい。


らしい(・・・)っつったのは他でもねぇ。


俺はここ数日そこからちょっと遠ざかって、何をするでもなく過ごしている。


一応は信頼してもらえたんだろう、あれから見張りの騎士もついてこなくなったし、まぁまぁ自由にさせてもらっちゃいるんだけどな。


俺がその間行った所って言やぁ、ちょっとした城内の散歩とアルフォンソの見舞いくらいのもんだ。


さてそのアルフォンソの容体については、残念ながら今の所、そう大きな変化もねぇ。


ただし顔色はかなり良くなってきてるし、立てる寝息もかなり安らかだ。


もしかしたら数日の内には意識を取り戻すかもしんねぇ、ってのが医者の見立てだった。


まぁ、そこはいいんだが。


セルジオがアルフォンソに盛った白い粉の正体は今も謎のままだ。


そいつがどこから仕入れられたモンなのか、そこにノワール国が絡んでんのかどうか。


更にはあの一年前の内乱の真実も──今の所はあれ以上の事は何にも分かっちゃいねぇ。


まぁ、レイジス達もキッチリ調べてるし、その内には何か分かるだろう。


けどよ……。


どーも、なんかモヤモヤすんだよな……。


そのモヤモヤの正体が何なのか、ここ数日何となく考えてんだけど分からねぇ。


はぁ、と息を吐きながら、俺は城の廊下の窓辺から中庭の方を見下ろす。


青々とした緑と花と、石畳みの小道。


脇には洒落た装飾のついた白いベンチがある。


見たトコ誰もいねぇし静かそうで雰囲気もいい。


それこそミーシャを誘ったら楽しく過ごせそうないい場所だ。


──と、そんな事を思った正にその時の事だった。


その中庭に、ある二人の人物がゆったりとした歩調でやって来た。


ショートヘアの黒髪に華奢な背格好は、上から見ててもハッキリ分かる。


ミーシャだ。


そして隣に並んでいるのは、赤錆色の髪の男、だった。


俺は思わず眉毛を寄せて、窓に張り付く様にして下を見る。


あいつ──あれ、緋の王じゃねぇか……?


何であいつがミーシャと並んで歩いてんだよ??


思いながら──


──ノワール王は、ミーシャ様の婚約者だったからな……。


前にジュードが言ってた言葉が、急に現実味を帯びて頭の中に蘇ってくる。


あの時はミーシャは世間的には死んだ事になってたし、婚約なんてモンはもうなかったも同然……くらいに思ってたが、よくよく考えてみりゃあ、今のこの状況って、どうだ?


ミーシャはこうして生きてるし、ノワール王もサランディール側も、別に婚約破棄したなんて言っちゃいねぇ。


〜この頃色んな事が起こりすぎて、すっかりその辺の事が頭から抜け落ちちまってた!


ノワール王──緋の王が、白いベンチの上にハンカチを敷いて、ミーシャにそこに掛ける様促す。


〜こうしちゃいられねぇ!


ノワール王が何を話すにしろ、どーせロクな事はねぇ。


すぐにも行って、邪魔してやらねぇと!


と、焦って窓から離れ、下へ行こうとした──所で。


「おい、コラ、リッシュ」


なんてぇ声と同時、首根っこを後ろからグンと掴まれる。


振り返ってみるまでもねぇ。


──ゴルドーだ。


だが俺は思わず後ろを振り返って、


「何だよ、ゴルドー。

俺は今忙しいんだってぇ……」


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