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◆◆◆◆◆


ジュードの話が終わってしばらく──。


レイジスは片手を顎元へやったまま長い間沈黙し、そうして──。


「──なるほど、な」


そう一言呟いた。


ここまでレイジスはジュードの話を一度たりとも遮らず、真剣な面持ちで全てを聞いてくれた訳だが……。


そのレイジスが、


「──確かに、セルジオの話とは合わないな」


そう、結論づける。


俺もその意見には同感だ。


アルフォンソが王と王妃を殺す所を見た、それを見たのは自分だけだった──。


じゃあその同じ場面に遭遇したジュードが(セルジオ)の姿を見てねぇのは何でだ?


それに、セルジオの話じゃあアルフォンソは『錯乱状態にあった』らしいが、ジュードの話を聞く限り俺にはどうしたってそういう風には思えねぇ。


まぁ、それもこれもあくまで『ジュードの話をそのまま全て信じるなら』ってぇ文言付きだが、俺は信じるぜ。


そのジュードが、ここまでの話にプラスして「それから、」と口を添える。


「──あの時俺が見たアルフォンソ様とはまた少し様子が違うのですが……。

団長が──……フォルスター騎士団長が、あの日のアルフォンソ様はやはりいつもと様子が違っておられたと。

目が虚ろで、受け答えもぼんやりとしていてまるで別人の様だった、と……」


レイジスがそいつに頷く。


「──ああ。

フォルスターからではないが俺もあの日の兄上の様子がおかしかったという話は他から聞いて知っている。

……俺もミーシャもあの日は朝から兄上とはお会いしていない。

ジュード、お前も前日の夜に兄上からいつもの護衛の任を外され、城の警備の方へ回されていたらしいな。

普段身近にいるお前を遠ざけたのには何か理由があったのかもしれない。

お前の代わりに護衛に付けられたのがフォルスターだったらしいな」


レイジスの問いかけにジュードが「はい」と頷く。


レイジスは一層真剣な顔つきで続けた。


「フォルスターは正直、普段からそこまで兄上と接する機会はないだろう。

その彼でさえ兄上の様子のおかしさに気がついた」


「はい。

そしてその団長も、昼過ぎにはその任を外され、アルフォンソ様に他の仕事を申し渡されたそうです。

アルフォンソ様は政務をなさる為部屋に籠りきりになるし、部屋の前には警備が付いているので問題ないとの事で。

ただ──」


ジュードの言葉にレイジスが「何だ?」と返す。


ジュードは答える。


「セルジオ・クロクスナーが、団長が離れるのと入れ替わりに、アルフォンソ様の部屋に入って行ったそうです。

アルフォンソ様にどの様な用件があったのかは分からなかったそうですが……。

後で気になり部屋の前の警備の者に聞いた所、用件は分かりかねるが二刻近くはアルフォンソ様の部屋にいた、と……」


ジュードの言葉にレイジスが低く唸る。


こいつに関しちゃ俺も初耳だ。


フォルスター騎士団長ってぇのは、内乱の時ジュードにアルフォンソの元へ行けと背中を押してくれたってぇあの御仁だろう。


その騎士団長をも遠ざけて、アルフォンソはセルジオと、そんなに長い間一体何を話していたのか。


そいつはもしかしたら、内乱に関わる事だったんじゃねぇのか──?

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