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リッシュ


──そこから遠い、ある街の片隅で。


トン、とその紙に、赤いインクのついた親指を捺印したのは、少年だった。


若い娘が見れば目をハートにしそうな、さらりとした金茶色の髪に、青く輝く瞳。


年は16で、端正な細面はどこかの有力貴族かプリンスのようでもあるのだが、その表情にあったのは立派に悪人のそれだった。


少年はテーブルの上で軽く手を組み、にやりと微笑んで見せる。


「これで契約成立だな。

それじゃあ早速金を出してもらおうか?」


いかにも悪人チックな口調で少年がいう。


少年の向かいに座った男…がっちりした体躯に悪趣味な柄のアロハシャツを着た中年男…は、こちらも悪人面のままにやりと笑って見せる。


そうして部下に目顔だけで合図を送る。


送られた部下はやはり無言のままに、主から預かっていた黒のアタッシュケースをドン、とテーブルの上へ用意した。


アロハシャツの男が手指についたいくつもの宝石つき指輪をじゃらりとさせ、いう。


「お望みの一億ハーツ。

返済期限は一年だ。──忘れるなよ。

もし返済が出来なかった場合は……」


言葉を続けず、人相の悪い顔をさらに不気味に歪ませて、アロハ男がいう。

少年はそれににっこり微笑んで見せた。


早速アタッシュケースを開き、中に詰まった札束をざっと確認してから、蓋を閉めて片手でテーブルから下ろした。


アロハ男へ背を向け、ケースを持ったまま戸口へ向かい、手をひらひらさせて見せる。


「──了解。心配すんなって。

ちゃんと耳を揃えて返すから」


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