透明な濁流
水が跳ねる音、大きくなったり小さくなったり。
色はないけど煌めく水面に一喜一憂するとは、恥ずかしい。
気難しい肖像画に歩み寄る。
下世話な会話など無視をして。
埋もれていた美を探し当てる達人の様相。
実は、歩行者天国の迷子たち、入口と出口を行ったり来たり。
酸いも甘いも分からない毒舌気取りの裁判官に恋をした。
早口過ぎる悪口に、理解が間に合わない私の血圧は上がったり下がったり。
結局、君がいいのか悪いのか、理解する術はない。
恋心が漏れる時を見計らって、厚い自己防壁を押してみる。
積もり積もった化石燃料のなりそこないが、ここぞとばかりに主役の座を煤で汚す。
だけど、そんなもの知らんぷりをして。
そのうち心の底から気難しい人になれるかも。
何の得があるのか分からないけど、汚れた主役は見つけられる。