004 現実
本当に助けてくださりありがとうございます。
お礼を言うなら今から来る子に言ってくれ。そうだよな?
ああ、俺たちは運んできただけだからな。
それでもありがとうございます!
そうか....
でもなんであんなところに倒れていたんだい?
よくわからないって言ったら駄目ですかね?
事情を聞いても怒らないからさ。
うん、話してくれないか?
わかりました。あっ!それとここはどこですか?
んっ?ここか?メルメンク連邦国だよ。まあ、その国のアレーク王国国境付近だよ。
メルメンク王国?アレーク王国?何かのドッキリですか?
ドッキリってなんだよ。
急にどうしたんだよ。
....[信じたくはないが、本当に俺の知らないところにきてしまったのか!じゃあ、言わないほうがいいんじゃないか?]
どうしたんだ?
ああ、なんでもないですよ。黙っちゃってすみません。
別にいいが....そんなに深刻なことなのか?
いえいえいえ!そんなことないですよ。[はい、非常に深刻なことですね....いや、もうどうしよう....こういう時に限って言い訳が思いつかない!]
大丈夫か?
言わせたらまずい感じなんじゃないか?
なんでだ?[知りたいんだけどなぁ....]
理由を言ったら呪いが発動して体が爆発するかもよ?
過去にもそんなことがあったと思う。
その資料に状態が酷似している。
!?
そんなこともあるんですね。[てか呪いってなんだ?そんなの嘘に決まっているじゃないか!言ってあげたほうがいいのかなぁ?]
無理やり思い出さなくていいぞ?
そうですか....助かります。[これでよかったのか?まあ、説明しなくて良くなったから楽だったな。]
コンコン....
おっ!帰ってきたかな?
誰なんですか?
お前を見つけてくれた恩人だな。
本当ですか!なんてお礼を言ったらいいのか....
とりあえず、お礼でも言っとけ。
そうですよね。
もぉ〜!どっちかついてきてくれればよかったのに!大変だったんだよ!
悪かった、悪かった。
本当にそう思ってるのかな?
思っています。
じゃあ、次こんなことになったら砂糖菓子を奢ってね。
砂糖菓子か....
高価なものだな....
今日はそれだけ大変だったの!
すみませんでした。
あれ?目が覚めたのかな?
おかげさまで助かりました、なんとお礼を言ったらいいのか....
そんな....見つけただけですって。
見つけていただきありがとうございます!
助けられた命は大切にしてくださいね。
もちろんです!
は、早く夕食に行きましょ!
ちょっと早いんじゃないか?[感謝されて慌ててる。かわいいなぁ....]
ああ、確かにそうだな。
悪かったわね。
まだ夕食まで時間があるから、こいつの服を買ってやろうと思うんだがいいか?
流石に今のままじゃ惨めなので買ってきてください。
惨めですか....
あっ!もしかして気を害してしまいましたか?
大丈夫ですよ....
すみません。
じゃあ、服を買ってくるよ。
よろしくお願いしますよ。
任せとけって!
じゃあお願いします。
じゃあ行こうか。
そうですね。
ー・ー・ー
古着屋でもいいか?
綺麗な着れる服だったらどこでもいいですよ。
それならよかった。新品の服がいいと言われたらどうしようかと思っていたんだ。
助けてもらった身でそんなことを言ったら身の程知らずすぎますよ。
しっかりしているんだな。
ありがとうございます。
走れるか?
別に大丈夫ですよ。[今はスキルもあるしね!]
あの店まで行くぞ。
遠いですね....
先に行くぞ!
ああ!待ってくださいよぉ〜
じゃあ、走るか....
走ってるけどスキルは発動しているんだよな?
全然実感がない....なんか目を閉じるとスキルの文字が光っているから発動しているはずなのに!
遅いぞ〜もっと早く走れないのか?
森でのことは、現実だったのか!
ー・ー・ー
大丈夫か?
大丈夫じゃないです....
すまなかったな。急に走らせてしまって。
まあ、僕も大丈夫だと思ったんで自分のせいですよ。
そうか....
ここの店が古着屋さんなんですか?
ああ。なかなかいい店だろ?
そうですね....[これはもう地球じゃないな....]
じゃあ入るぞ。
そうですね。
明日はいよいよ高校総体だ!
頑張りたいと思います!