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日常の壊れる最悪の非日常  作者: ネツアッハ=ソフ
非日常との出会い
7/27

弟子入り

 少し、話がしたい。そう言って、俺は痣火と現在二人になっている。俺は真剣な表情で、痣火はにやにやと笑みを浮かべて向かい合っている。見事に対照的。しかし、何だか途轍もなく(いや)な笑みだ。


 まあ、良いか・・・


「で、少年。私に何か用か?」


「痣火さん、俺を弟子(でし)にして下さいっ!!!」


 頭を下げて、俺は言った。その言葉に、痣火は相変わらずにやにやと笑みを浮かべている。その笑みは何処か人外めいていて、心の底を(のぞ)き込まれている気がする。背筋に冷や汗をかく。


 俺としては本気で頼んでいる。相手は異能者の集団、恐らく俺では逆立ちしても勝てないだろう。


 だから、(きた)える必要があった。俺、本来は一般人だしな。


 待つ事十秒くらい、そろそろ不安になってきた頃に痣火は口を開いた。


「良いだろう。しかし、条件(じょうけん)がある」


「条件?」


 そこはかとなく不安になって問い返す。そんな俺に、痣火は言った。途轍もなく嫌な笑みで。


          ・・・・・・・・・


 それから半時間程後・・・


 その後場所を移し体育館跡。其処に俺と痣火、そしてマキが居た。俺と痣火は二人向かい合い、その手には剣道用の竹刀が握られていた。マキは深い深い溜息(ためいき)を吐いて俺達を見ている。


 そりゃそうだ。何せ、弟子入りの条件がかなりの高難易度だったからだ。その条件とは・・・


 ———剣術勝負で私に一本でも取れたら弟子入りを認めよう。


 まあ、そういう訳だ。やれやれ、俺はうんざりした顔をした。そんな俺を、マキは心底同情するような表情で見ている。うん、何だか泣けてきた。


 相手は剣道の段持ちを瞬殺すると豪語(ごうご)するようなヤバい奴だ。侮っていては痛い目を見るだろう。


 まあ、別に良いか。そう思い、俺は竹刀を構えた。痣火が獰猛(どうもう)に笑う。


「来いっ!!!」


「せあああっ!!!」


 一瞬の出来事だった。ぱああんっと、竹刀の軽快な音が響く。俺の頭がしびれる。


 一瞬、思考が停止する。一体、何が起きた?


「まずは(めん)だ」


「っ」


 全く見えなかった。単純に速すぎる。それに、この残留するようなしびれ。この女、強い。


 只者では無いと、そう俺は改めて判断した。目の()めるような一撃だった。再び竹刀を構える。


 集中力を極限まで高める。一撃で良い、一撃相手に当てる事にのみ集中する。


 ———眼が、熱く熱を帯びてきた。意識が昂揚(こうよう)してきた。


「・・・・・・此れは」


 痣火の瞳が、鋭くなる。その構えに、隙が一切無くなる。この時、恐らく彼女は本気になった。


 俺は、動いた。


「ふっっ!!!!!!」


 刹那、俺は一息に距離を詰めて竹刀を痣火に(たた)き———


 ぱあんっっ!!!!!!


 俺の頭に鋭い痛みが奔り、そのまま俺は意識が暗転(あんてん)した。・・・・・・え?

痣火最強伝説・・・

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